【NHS】イギリスのGPで子宮頸がん検診を受けてきた
先日、GPで子宮頸がん検診を受けたのでブログに残しておきます◎
子宮頸がんや頸がん検診、HPVワクチンについては日本の産婦人科医・公衆衛生専門の有識者たちで作成されたみんハピ!というサイトがよくまとまっています。
ここでは私が受診した時の流れや様子とともに、予約から受診までの一般的な流れと、助産師視点で受診前後のポイントなどをまとめてみます。※また、Twitterのフォロワーさんが体験したこと、聞かれたことなども随時追加することにしました!(あなたの体験談、DM待ってます♡)
子宮頸がん検診は、定期的に検診を受診することが推奨されています。
なお、イギリスではNHSに加入していると定期HPV検診は無料、25歳以下ならHPVワクチンも無料で受けることができます◎つまりワーホリ期間中にこれらを受けることができます。
①案内〜予約まで
SMS経由でGPから「Routine Smear Test」の番が来てますよ〜!という案内が定期的に来ます。日本では自分で産婦人科に検診の予約をとるか、自治体によっては定期集団検診への案内が書類で来る/集団検診の開催日を確認して自分で予約する等の方法がありますが、イギリスでは自分でGPへ検診のアポイントメントを取ります。
◎予約方法
・My GPやBabylonなどのAppからonline予約
・GPに直接アポを取る
▶︎私のGPはオンライン予約に対応していなかったので、電話で直接予約しました。
ルーティンスメアテストを受けたい旨と名前と誕生日を伝えると、最短で空いている日時を教えてくれました。提案された日程の都合がつかず、こちらから複数日提案して、日程を調整、予約を確定しました。予約確定後は確認メールをEmail,SMSで受け取りました。
◎ポイント
・Routineというだけあって、子宮頸がん検診は通常は定期的に受診していくもの。しかし例え日本で受診したことがあっても、イギリスでは初診です。
子宮頸がん検診案内のメールやSMSは定期的に来ます。しかし受け取っていなくても検診を受診する権利はありますので、“案内が届いた期間を逃したら次に連絡が来るまではだめ”ということはなく、通常通り予約は取れると思います。不安であれば直接GPに電話してみましょう。
・膣の奥にある子宮の頸部(入口)が観察できるようにクスコという器具が膣内に入り、専用のブラシを使って子宮頸部の細胞をこすります。月経中でも検査を受け付けてくれる場合もありますが、結果が出ずに再検査になることがあります。月経期間中を避けて予約を取るのがベターです。
②検診日当日 受付〜入室
当日にGPを訪問し、名前とスメアテストを受ける旨を伝えて待合室で待ちました。
その後名前を呼ばれ、「Practice Nurse Room」へ。
そう、イギリスではNurseが子宮頸がん検診を担当するのです!!!(日本は医師)
私のGPのPracticeNurseRoomは、部屋自体はそこそこ広かったですがシングルサイズの簡易ベッドが一つとパソコンデスク、患者用丸椅子、処置カートが置いてあるくらいのシンプルさ。イメージとしては学校保健室や町の診療所のような雰囲気に似ていました。
ベッドに腰掛けたまま、最終月経日や妊娠歴の確認、最後に受けた検診の時期などを簡単に聞かれました。
◎事前に答えられるようにしておきたいこと
・“Last period term”:最終月経
月経をカジュアルに話すときはPeriod(ピリオド)という単語を使うことが多いです。(個人の感覚的には月経というより“生理”って感じのニュアンスの方がしっくりきます。)
また、最終月経(Last period term)を聞かれた時は、前回の生理が始まった日(=最終月経開始日)のことを指すことが多いです。日付がわかる際は答えればGoodですが、“約1ヶ月前”や“●週間前”と答えてもOK。生理不順の方は、できれば正確な最終月経開始日や1回の月経期間が伝えられるといいですね。
・“Pregnant“ :妊娠について
Have you ever been pregnant? や、Have you ever had a pregnancy?と聞かれることもあるかもしれません。出産の有無にかかわらず、妊娠したことがある場合は伝えましょう。
質問がわからなかった場合は代替的に、または上記の質問にYesと答えた場合は追加でDo you have a baby?と聞かれることも。
妊娠も出産も経験がない場合は“No“、妊娠の経験はあるけど出産の経験がない場合は、“No”の後に理由を付け加えても良いです。(話せる範囲で構いません。)
尚、流産はMiscarriageまたはlose one's baby、中絶はAbortionと言います。
・最後に受けた検診の時期
検査を受けたことがある場合、約●年前に日本で受けた、ということが伝えられたらOKです。前回の検診で何か指摘があった場合や、診断を受けている場合は必ず伝えましょう。
・ピルの服用の有無について
※フォロワーさんより情報提供
ピルを服用しているかどうか、服用しているとすればどんな種類がを聞かれることがあります。うまく伝えられれば良いですが、難しそうなのであれば今服用しているピルの箱を持っていくのもあり。スタッフ側としても、わかりやすいので有難いです◎
ピルは、contraceptive pill やbirth control pillと言ったりします。
③検診日当日 検診中
さて、いよいよ子宮頸がん検診が始まります。
日本では、内診が行われやすいように、自動で開脚の姿勢をとってくれて角度や高さを調整してくれる検診用の椅子(検診台)に座ります。(こんな感じ↓)
しかしここはイギリス。
検診台はなく、下着を脱いでシングルベッドの上で自分で足を広げるように指示されます。
しかも日本では、イラストのように受診者と施術者側(医師や看護スタッフ)の間にはカーテンのような仕切りがあり、お互いの顔が見えないような仕様になっています。
一方イギリスでは、仕切りカーテンはありませんし、お互いの顔がバッチリ合う状態で実施となります。
照れます。沈黙の時間中、若干気まずいです。
ベッド上で開脚の姿勢をとると、クスコを挿入され、ブラシで子宮頸部の細胞を採取して終了です。
◎スムーズに検診を受けるために
・検診中は下半身が露出します。検診が開始するまでの間、下半身が丸裸の状態でベッド上で待つ時間があるかもしれません。恥ずかしい方はロングスカートなどで当日受診されることをお勧めします。(検診中は腰までたくし上げます)
・検診台を使用していない分、性器の位置によってはクスコが挿入しにくい場合があります。自分で腰を浮かせないといけなかったり、腰下にクッションやタオルを敷くことになるかもしれません。看護師の指示に従って協力しましょう。
・腹部や下半身に力が入ったり、クスコが挿入されるときに頭側に体が逃げたりすると、うまくクスコが挿入出来ずに押し出されてしまい、結果として検診が長引いたり、膣周囲が痛くなることがあります。
・痛みの軽減のコツは深呼吸です。「フーッ」と長く息を吐いて、全身(特に下腹部〜下半身)のリラックスを心がけましょう。
・クスコが挿入されるとき、ブラシで頸管を擦るときに少し痛みを感じたり違和感がある場合があります。
・日本では医師や看護スタッフが「今何をしているのか」や、「協力して欲しいこと」など適宜声をかけていますが、イギリスでは淡々と進んでいく印象です。お互いの意思疎通が図れると結果的に検診もスムーズに終わりやすいです。不安が強い場合は事前に伝えたり、痛かった時などはすぐに伝えましょう。(「我慢して!」と言われる場合も^^;)
④検診終了〜帰宅後
検診が終了したら、更衣をして終了です。私が受けた時は約2週間後に結果が送られてくることだけ伝えられて、帰宅していいよ〜じゃあね〜って感じでした。
その後のことは看護師が適宜伝えてくれると思うので、指示に従いましょう。
◎検診後の過ごし方について
・クスコを挿入したりブラシを擦ったりと、検診のために行ったことによって直後に少し出血する場合があります。当日着用する下着におりものシートやナプキンを当てておいたり、あらかじめナプキン等を持参しておくと、万が一出血しても下着が汚れずに済むと思います。
・帰宅後も2〜3日は血が滲む程度に継続して出血する場合があります。
・検査当日と、出血がある間はバスタブでの入浴は控えてシャワーにしましょう(細菌が入りやすい状態になっているため)
・出血が続いたり量が増えた、腹痛が続く、熱が出たなどの症状がある場合は、GPに連絡しましょう。
以上です!GPによって若干違うと思いますが、検診自体の流れは概ね日本と一緒でした。
ホスピタリティというか…、スタッフの言葉掛けとか、心遣いに関しては日本の医療現場と違って淡白な印象でした。だから子宮頸がん検診の内容を全く知らない人や初めて受診する人、不安が強い人にとっては、(日本より)対応が冷たい!と感じてしまうかも…。
でもわからないことは聞けば答えてくれますし、ライセンスのある医療従事者が安全に手短に実施してくれますので、安心して下さいね。
冒頭でも書いている通り、子宮頸がん検診は2年に1度定期的に検診を受診することが推奨されています。
アプリを使えば予約も簡単に取れるし、自分の健康管理という点で、ぜひYMSの2年間の間に一度は定期検診を受けて欲しいなと思います。
ちなみに性別や性自認や性的嗜好を問わず、自宅で無料でできる性病検査もNHSは提供しています。(こちらは次回、別記事に!)
最後に…
月経や妊娠に関わる諸症状は、
目に見えて分かる症状がない場合もあり、
自己診断はとても危険です。
健康管理に対して全く関心がない人には
ぜひこの機会に自分の体について
関心を持って欲しいですし、
産婦人科領域に関して何か心配事がある人は、
決して1人で悩まず、
GPや専門機関に相談してほしいと思います。
私も質問箱を設置しています。TwitterのDMも解放しています。診察や治療、検査などは行えませんが、何か力になれることがあるかもしれません。
気軽にメッセージを送ってください^^
▶︎こちらの記事も併せてどうぞ。
以下は、日本で子宮頸がん検診の精密検査を受けた後に渡英しイギリスで頸がん手術をすることになったMihoさんのブログです。スメアテスト後の精密検査や、手術決定までの経過はなかなか情報が得られないと思うので、ぜひみてみてください◎◎
それでは!以上!ぴやちゃんでした〜!