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女性には「アドバイスではなく共感」なんて当たり前に理解しているつもりだった
毎週や毎日のように頻繁に通ってくださっていたお客様が急に来なくなることがあります。
この女風(女性用風俗)業界では、"剥がれる"なんて言い方をしますが、そんな女性が剥がれる瞬間を突き詰めると一つ。
「夢から冷めた時」
です。
では、夢から冷めるときはどのような時に起こるでしょうか?
・初めて会ったときに比べてサービスや対応が雑になった
・愚痴を言われるようになった
・仕事中に携帯を触られるようになった
・名前を間違えられた
・他の女性(お客様)の話をされるようになった
・不必要な一言を言われた
・感謝されなくなった
・連絡を後回しされるようになった
・誕生日や記念日を忘れられた
・業務的に扱われた、お仕事感を出された
・「自分の代わりなんていくらでもいる」と思うようになった
・「私なんて必要がない」と思うようになった
などいくつもありますが、
これらの中で男性が最も注意すべきことは
「共感ではなくアドバイスをしてしまうこと」
だと僕は考えています。
この一文を読んで、「もったいぶってなんだそんなことか」「そんなこと言われなくてもわかっているから」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、かくいう僕もそう思っていたうちの一人でした。
今日はそんなカップル・パートナーがすれ違わないためにとても大切な──そして女風のセラピストである僕の最大の失敗談を──お話したいと思います。
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「問題解決ではなく共感を」
僕がこの言葉を初めて知ったのは二十歳の頃で、男性と女性の心理の違いについて書かれた恋愛本の世界的名著『ベスト・パートナーになるために』(ジョン・グレイ)を読んだ時でした。
当時の僕はただの受験戦士で、勉強と部活しかしてこなかった人生だったので恋愛経験は浅く、「へぇー!男性と女性とではこんなにも考え方に違いがあるんだ」と衝撃を受けました。
例えば「男性は考えるために黙るが、女性は考えるために話し始める」などを知って、とても勉強になった記憶があります。
そんな過程で知ったのが「問題解決ではなく共感」でした。
女性の会話の目的は「共感」であり、女性脳の最も大きな特徴は、共感欲求が非常に高いこと。
「わかる、わかる」と共感してもらえることで、過剰なストレス信号が沈静化するという機能があり、逆に共感が得られないと一気にテンションが下がり、免疫力も下がってしまいます。
……
…………
30歳を過ぎた今、そんなこと当たり前にわかった気になっていました。でも理解できていなかったんです。
女風のセラピスト(キャスト)になってからこんなことがありました。
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女性用風俗では、話が上手い人はツイキャスで、ビジュアルが良い人は自撮りをし、文章が得意な人は写メ日記を書いて、自分をしっかりとアピールし基本的に自分で集客していかなければなりません。
僕は写真やお喋りより書くことの方が好きなので、こうして文章を紡いでいるのですが、あるとき、1年以上リピートしてくださっているお客様から、noteの文章のことで相談を受けました。
・どうすればいい文章が書けるようになるのか?
・人の心に響く文章にするにはどうすればいいのか?
・もっと多くの読者に届けるには何をすればいいのか?
僕が答えられる範囲ですが、誠意を込めてしっかりと考え答えました。
お客様(仮にYさんとします)はいつも小説を書いていたのですが、初めてエモいエッセイを書いてみようということになり、エッセイの題材を二人で決めていくことになりました。
ヒアリングしていくうちに、いじめや毒親……Yさんは故郷について非常に強い愛憎のような感情を抱いていることがわかりました。
気付けば、僕はついつい書き手モードに入ってしまい、Yさんのお気持ちを察せず、よりいい記事にするために論理的にこんな提案をし続けていました。
「人に知られたくない話を書きましょう」
「それが読者が一番読みたい話です」
「自分のかつての悩みと解決法をセットで書くといいですよ」
「①憧れ②共感③同情。主人公に感情移入させるにはこの3つのどれかです」
「③同情でもいいんです」
「今まで言われてきたこと全て感情移入してもらう材料になりますよ」
「逃れられない過去の深い傷は読者の共感につながります」
「後悔もすべて」
「書くとは自分のことをさらけ出すことです」
数日後、一通のLINEが届きました。
「……ですので今しばらくは、noteで故郷への愛憎についての記事は書けません。フラッシュバックが激しすぎます。それと同時に言いますが、故郷の話をとにかくゆっくり聞いてほしいのを、『それこそ頑張って記事にしましょう』としか反応してくれないツバキさんに、正直腹が立ちました。」
と言われ、すぐにブロックされてしまいました。
猛省でした。せっかく話を聞いてもらえると思って心を開いて話してくださっていたのに、僕は〝共感ではなく問題解決〟をしようとしてしまっていたのです。勝手にアドバイスがきたら誰でも腹が立つのは当たり前です。
この記事を書きながら、去年こんな会話(LINE)をしてしまっていたことに気がつきました。
Aさん「お腹が痛い」
僕「(子宮内膜症の)お薬飲んだ?」
Aさん「まだ飲んでない」
僕「飲んだらきっと良くなるよ」
これも結局のところ、「子宮内膜症の薬を飲んでいないから痛いんだよ。早く薬飲もう」という意味につながりかねなく、共感ではなく無意識でアドバイスをしてしまっていたのです。
あぁ、と思わず自分に落胆しました。
「お腹痛いよね」
「子宮内膜症、本当に辛いよね」
「今日はゆっくり休んでね」
解決策なんて必要なかったのです。
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話を聞いてほしいときに聞いてもらえなかったら、「好き」という感情は驚くほど冷めてしまいます。
女性は共感してもらいたいのであって、問題解決を求めていません。問題解決をしたがる男性と違い、女性は事の経緯を話すことをとても大切にしているのです。
(断定的な書き方をしてしまっていますが、あくまで女性はそういう傾向が強いということであり、当たり前ですが男性の中にも女性性を持ち合わせている方もいて、その濃度は人それぞれです)
男性は自分の得意分野こそ、ぐっとこらえて聞き手に徹すること。
アドバイスをするということは、否が応でも上下関係が生まれてしまいます。今まで対等だった関係性にひびが入ってしまうのです。
「問題解決ではなく共感」を紙に書いて、部屋に貼っておいてもいいくらいです。それぐらいしないと少なくとも僕にはできていませんでした。
これがやっかいなことに、
「本当に相手のことを想ってアドバイスしたのに」
というところなのです。男性脳と女性脳とではそれぐらいすれ違うのです。精一杯、相手のことを考え想っているからこその悲しいすれ違い。
だからこそ、アドバイスを求められても、目の前の相手に寄り添い、じっくり相手の話に耳を傾け、共感して話を聞くこと。
アドバイス(のようなもの)を求められても、今ではまずはほとんど共感でいいと思っています。女性にとって、いきなりのアドバイスは凶器みたいなものだからです。
お客様から僕が「共感力が高い」「女性の気持ちをわかっている」「優しい」などと言われるのは、アドバイスをしないからであり、これはたくさんの失敗をしてきた屍の上に成り立っているようなものなのです。
(※ただ本当に真摯に向き合っていれば、仮に一度お別れしてしまったとしても、経験上、もう一度戻ってきてくださると思います)
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人は自分で躓き、気付いたことしか本当の意味では理解できないのだと思いました。だからこそたくさん失敗したらいいのです。
あることないこと書かれ、誹謗中傷にあい病んでしまいすぐ辞めていってしまう人が多い業界ではありますが、女性からブロックされても、過度に落ち込み過ぎる必要はありません。
バスケットボール選手で一番シュートを外した選手がマイケルジョーダンであるように、この業界でも、売れているセラピストほど女性を泣かせてしまった数が多いはずです。
でも……だからこそ、今、女性を笑顔にすることができるのです。
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参考文献/オススメ書籍
『ベストパートナーになるために』(ジョン・グレイ)
『一人になりたい男、話を聞いてほしい女』(ジョン・グレイ)
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