まるほん旅館|沢渡温泉
沢渡温泉は強酸性の草津温泉で荒れた肌を治す「仕上げ湯」ともいわれてきたが、まさに「一浴玉の肌」と称される沢渡温泉、源泉掛け流しの新鮮な湯は肌に優しい。その源泉井の横に立つまるほん旅館に泊まってきた。沢渡温泉は、せめて2泊はしたい。3回ほど宿泊したが、ここの湯小屋風の内風呂は、坪湯の再現のように趣が感じられる。
まるほん旅館というと、温泉好きの間では有名な話がある。今のご主人は元銀行マンで、先代が高齢で後継者もなく廃業を考えたとき、江戸時代から400年続くまるほん旅館を絶えさせてはならないと、努力奮闘をされたと聞いた。源泉を守り、湯宿としての伝統を守るという条件に合う引受先が見つからなかった。ついにまるほん旅館を守るために、自分自身が銀行を退社して先代に婿入りして、後継者になったそうだ。突然、夫に付き合わされる事になった奥様の「男のロマンは女の不満」との名言は温泉愛好家の間では良く知られている話だ。
俗に「草津温泉の仕上げ湯」ともいわれてきた。草津温泉の強酸性で荒れた肌に、アルカリ性の柔らかい泉質が良い。温泉地全体が山間部にあり、森林気候・高地気候という地形療法としても優れている。この地形療法と温泉の泉質を活かして、群馬県医師会群馬リハビリテーション病院という大きなリハビリ専門病院もある。
まるほん旅館の浴場
まるほん旅館の湯小屋風の混浴風呂が有名で、この雰囲気が好まれてリピーターも多いようだ。
混浴内湯(夕方と朝の時間帯で、女性専用となる)は源泉地横に建てられ、加温加水もされずにそのまま注がれている。ヒバ材の床に、利根石の青が美しい浴槽だ。真冬の寒い時期に行ったためか、湯温は熱くなかった。せいぜい42度か43度ていどで、長湯するにはちょうど良かったが、これも人によってらしく、後から入ってきた人には少し熱かったようだ。夏を少し過ぎた頃の熱い湯の方が好みなのだが。
湯の中には湯ノ花が、まるでティッシュペーパーが沈んでるように見える。大きな真っ白の湯ノ花。利根石の青い色に映えて、この大きな湯の華が綺麗に見える。
女性用の風呂はグッドデザイン賞を受けた、独特の作りで、天井が高く出入り口は開放されてる。寝湯も出来るようになり、長湯が出来る。こちらも時間帯で女性専用になる。
写真よりも素晴らしいと推薦されたが、本当に良い宿だと思う。初めて来た2020年の秋は、コロナの影響と平日ということもあり、宿泊客は7組程度で、高齢のご夫婦で来られてる方ばかりで、一人旅は私一人だった。
2020年から3回宿泊したが、いつも静かに過ごすことが出来た。
一人旅の部屋
部屋は清潔で、冷蔵庫や電動式の新しいトイレが付いてた。温泉地全体が静かで、館内も家庭的でゆったりと過ごせる。
チェックインの時に館内の説明を受け、食事は食事所で、それ以外は特に誰とも接することはなく、ノンビリ出来る。近くのコンビニも無いし、買い物はリハビリテーション病院近くの店だけ。部屋に冷蔵庫があるので、行く前に買い物をして持ち込みをした方が良いと思う。
Wi-Fiが繋がるが、玄関ロビーだけ。部屋では繋がらない。お土産としては、まるほん旅館の道前の駐車場横の、中屋饅頭店のキビ大福が美味しい事で有名です。沢山購入して、冷凍保存してます。一人では食べきれないので。
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