見出し画像

人間の「脳」力の不思議

朝の通勤時間帯になると、橋の上は両側からの自動車走行量が増える。今朝はこの約6mの幅を渡った高齢者を見た。そのわずかな切れ間を抜ける判断はスゴイ。時々ここを渡る高齢者を見るが、両方からの車両と速度を瞬時に計算して、ゆっくりだがサッと渡っている。今朝の高齢者も、見事に渡りきった。

自分も試そうと車道の前に立ってはみたが、足が少し悪く、あの老人ほど上手く渡れそうにない。しばらく流れを見ていて、車速と歩行速度とアクシデントを考慮し、たぶん渡り切れると思った瞬間を狙って渡った。残念ながら半分ほど過ぎてから、右からの車が速度を落としたので、かなり楽に渡れてしまった。今度は元に戻ってみた。左からの車はあまり速度を落とさず、それでも楽に渡れた。我ながらお見事。

これって難なくやってる様だが、左右からの車速と距離と自分の歩行速度など、すごい計算をしてるように思う。これが出来るということは、まだそれほど能力は落ちてないようだ。とはいえ、通勤の運転手には脅かしてしまい、申し訳ない。


1年か2年先輩だった人が、工学部を卒業して、更に院生になって電子工学を学び、医学博士になったのがいた。電子工学を学び、しだいに人間の脳の動きに興味を持ったらしい。もしかしたら「計算機」でも、人間並みの働きを持たせることが出来るかもしれない。などと話していたが、これは50年以上も前の話で、現在はAIなどというモノまで出来て、今はどの様に思っているのだろうか。あの時の夢物語が、それ以上の能力まで持ってしまった。

弟が学生の頃に研究室で学んでいたのが、5台のコンピューターを繋ぐというモノだった。高速で宇宙を走る場合、前方に障害物が確認出来たら、一瞬で双方の距離と速度を計算し、正確な判断をして回避行動しなければならない。そのために4台で話し合い、2対2で意見が割れたら、議長の1台が判断をするというモノだ。それを高速でするという。それを聞いた時には笑えたが、逆の発想で1台のコンピューターで5台分の働きをさせるコンテナ倉庫に応用して、実際に運用してるそうだ。その逆の発想というのが、これまた意味が解らないのだが。

たかが道路を渡るだけでも、多くの要素を検討して渡っている。自分のことを頭が良くないと思っていたが、一瞬で計算して渡るなんて、意外とスゴいのかも。と自分で自分を褒めてやった。


少し前にドキュメント番組で見たのだが、コンピュータと人間の脳を繋げれば、高速での解析を可能にするとか。現在は充分に脳を使っていないので、これが可能になれば・・・何かがスゴいらしい。何がスゴいのかは忘れたが。

中国では「制脳権」というモノが有り、人間の脳の働きを制御できる研究をしている。恐怖心を無くし、コンピューターと繋いで能力を高め、強大な軍隊が出来るとか。また中国の人民を、中共政府が従順にコントロール出来るとか。これは国民を自由にコントロールしようというのだから、恐ろしいことだ。

電子工学や情報処理など、さぞ難しい学問かと思えるのだが、何というか・・・。

姪が3年になっても進学先が決まらず、単に数学の成績が良かったという理由だけで、一番数学の難しい所という希望を出して情報理工学科に決めた。教師はもちろん、本人も親も受かるとは思ってもいなかったそうだ。棒の先に籠を付けた物で、ボール投げをする競技に夢中で、家に帰るとピアノを弾いていた。父親の希望は、美形で自慢の娘は、料理が上手な可愛いお嫁さんになって欲しいという事だけだった。本人はかなりいい加減な決め方で、間違って合格してしまい、パソコンなど触ったことも無いと慌てていた。

卒業後は、もうあんなモノに関わりたくないと出版社に入った。彼女曰く、女の子が少なくて周りの男はオタクばかりで、話をしても気持ち悪いと言っていた。秋葉原で皆と猫ニャンニャンの時以外は。そして父親の心配した通り、海に潜ったり海外に一人旅したりと、未だに独身生活を楽しんでいる。学んだことは全く役に立っていないらしい。ということを孫娘に聞かせれば、それは男女差別と言い出すのだろう。今度「ChatGPT」に聞いてみようかな、男女差別と猫ニャンニャンって何のことって。

コンピューターの世界って、進んでるというよりも、一種のオタクの世界なのかもしれない、と思ってる。たぶん学んでる事って、世界中の大学は同じ事を同じ様なテキストで教えてるのだと思う。ゲームを作ったり、ウイルスを作ったり、そんな事は教えてないと思う。知らないけど・・・。

この手の技術って、相当なオタクのように思えてくる。初期の将棋ソフトで、プロ棋士との対戦で負けたときに、設計した人がオタクに見えた。その後、プロ棋士にも負けないソフトを作ってしまった。対戦中にどちらが何%有利かまで計算し表示してしまう。なのに藤井聡太君は、計算機でも出せないような手を打って勝ってしまう。


危険な交通量の道路を、見ただけで判断して渡れる感覚や、野球で変な曲がり方をしたり速い速度なのに、ホームランを打ってしまうなど、これもオタクのように思える。人間の能力の、脳力の不可思議さかな。

ということは、高齢者になって物忘れも酷くなり、顔の皮がたるんでお付き合いの相手も作れないけど、交通量の多い道路を横断できるっていうことは、まだまだ大丈夫なのかな。心臓に悪いので、もう二度としないけど。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?