クリーピーパスタ2はこんな本!第5夜The Thing Up There (仮題:上にいるもの)
第5夜
The Thing Up There (仮題:上にいるもの)
作者:WellHeyProductions
〈ストーリー〉
私は毎晩のように上の方から聞こえてくる甲高い金属音とすすり泣きに悩まされている。その正体が何なのか怖くて確認することができいが、とにかく朝が来るまで隠れていることにする。だが、得体の知れない生き物は執拗に泣き声をあげ、私を隠れ場所からおびき出そうとする。そしてついにその生き物が叫んだ。「〇〇〇〇〇〇〇!」
〈感想〉
本書で一番短いお話。これは「意味がわかると怖い」系の話と言えるのではないでしょうか。
ちなみに、オチの「〇〇〇〇〇〇〇!」は、古典的な怪談によくある、大声で「おまえだ!」って言うやつではありません。
なんのことかわからないと思うので、オチを言うと、その生き物が叫んだ言葉は、「ママ! ベッドの下に怪物がいるよ!」です。
おそらくワンオペ育児か何かでメンタルを病んでしまった母親が、わが子をクリーチャーだと思い込んでいるのでしょう。子供の世話は誰がしているのでしょうか。なんともやりきれない不穏なムードの作品です。
「ベッドの下の怪物」というのは、子どもが言うことをきかないときなどの常套句、「ブギーマンが捕まえに来るよ」のバリエーションらしいですが、なぜこの子は母親にそれを言ったのでしょうか。アメリカの有名な都市伝説「ベッドの下の男」を想起させるこのセリフを子供が言うということは、もしかすると本当にベッドの下に……?
作者は前作『THE CREEPYPASTA COLLECTION』(『【閲覧注意:ネットの怖い話 クリーピーパスタ】』にも登場し、静かな緊張感が高まっていきドカーンと爆発する作品「The Nice Guy(邦題:感じのいい男)」を提供したウェルヘイ・プロダクションズ。 自身のサイトWellhey.comでは「Old Man Murphy」という名前でホラーショートストーリーを発表しています。
さて、この『THE CREEPYPASTA COLLECTION volume2』には、こんな感じの“意味がわかると怖い系”ホラーも収録されています。もし翻訳されたらちょっと読んでみたいな!と思われた方は、ぜひ「いいね」とか「スキ」などリアクションしていただけたら嬉しいです。
(文責:岡田ウェンディ)
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