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人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #24

 ちょうどその頃から
 旦那はまた
 消費者金融に手を出していた

 なんとなく、わかってはいたが
 私は息子を育てることに必死だった
 息子を一人でメシが食える大人にする
 それが子供を育てる軸となっていた

 息子が中学二年生の終わり頃
 新聞の片隅に、私のことが載った
 本当に小さな記事だった

 隣人にストーカーされて
 車のフロントガラスを素手で割られた

 隣人が怖くて
 私は引っ越しを考えた

 ずっと賃貸マンションに住んでいた
 仙台には十年以上住んでるし
 こうなったら
 マンションを買うのもいいかな、と
 不動産屋に行った
 ところが住宅ローンを組むのに
 銀行審査がなかなか通らない

 もしかして、と思った
 何度か旦那を問い詰めると白状した
「実は、借金がある」

 情けないことに
 自分が今までどこから借りて
 いくら借りたのか
 さっぱり、わからないと言う

 とりあえず金融会社に
 残債を調べてもらってるから
 その結果を見てほしい
 郵送でそっちに届くようにしたからと
 旦那はもう謝りもしなかった

 何に使ったのかと聞けば、
 毎週末
 仕事終わりに
 十人ちかくの作業員を連れて
 何軒もの居酒屋をハシゴする
 全てのオカネを出す
 自分の見栄のためにした、借金だった

「家族が泣く顔より
 作業員が喜ぶ顔の方がいいってこと?」

「そういうことだな」

 私は崩れ落ちた

 この人は一生を添い遂げる人ではない
 ごめん、お母さん
 私が自分で選んだ人だけど
 添い遂げることはできない

 母は私が幼い時から言っていた
 真面目に仕事をする人と結婚しなさい
 それが一番
 間違いないのだから
 私もそれを信じた
 そして
 真面目に仕事をする人を選んだ
 その結果がこれだ

 家庭を犠牲にしてまで働く人だった
 土曜も祝日も仕事をしていた
 休みは日曜日だけ
 本当によく働く
 それは間違いなかった

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