あかり

人生、山あり、谷あり。 何年にもわたり、アメーバブログで自分の気持ちを書いてきました…

あかり

人生、山あり、谷あり。 何年にもわたり、アメーバブログで自分の気持ちを書いてきました。その内容をあらためて書いてみたくなりました。 詩のように、読みやすく、わかりやすく。 藤代誠治さんが大好きです。 画像は勝手に引用させていただいております (*´꒳`*)

最近の記事

人生、綴ってみた   創作大賞2023 応募作品

 私は毎日お酒を呑む  美味しいと感じた時はほとんどない  今日こそは眠れますようにと  眠剤と共に流し込む  人生百年としたら  私はまだ半分しか生きておらず  人生を語るには甘ちゃんすぎる人間だ  幼い頃から続いた、父からの虐待  怒りのままに殴られて、蹴られる  時には馬乗りになってボコボコにされる  そんな父をなぜか   祖母は異常なほど可愛がっていた 「女は男より先にご飯を食べるな」 「女は男より先にお風呂に入るな」    男を立てている言葉などではない

    • 人生、綴ってみた 【最終話】

       試練だらけの人生だった  人生、いい事よりも悪い事の方が多い  母の手紙に書いてあった  確かに私の人生は  山あり、谷あり、谷ばかり、だったけど  その方が人生の景色は綺麗なはずだと  そう信じて生きてきた  私の人生で一番の自慢は  息子を生んだこと  死産  流産は何度も経験した  生まれてきてくれたのは  息子一人だけだった  息子も何度も何度も  流れそうになったけど  必死でお腹にしがみついてくれた  なんて生命力のある子供なんだと  思わずにいら

      • 人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #27

         人間の感情は厄介だ  旦那のことが好きだった  一生を共に生きていく  誰よりも誰よりも大切に想い  心の底から好きだった  まさか、その分が恨みとなろうとは 「騙してまで  結婚したのが最大の間違いだった」  最後の最後に言われた言葉  人を騙した側が  騙された側の人間に言い放つ  その瞬間から  とことん  私は恨みに支配された  人を恨むことはパワーがいる  誰も恨みたくはないのに  恨んでしまう  旦那を恨みたくないのに  許したくない自分がいる

        • 人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #26

           息子の主治医に、事の顛末を話した 「旦那さん、反抗期がなかったのなら  これから手がつけられなくなるな。  感情のぶつけ方を知らない人間だよ。  しっかり見ておくといい」  それはすぐに現実となった  弁護士を通しての、債務整理  オカネが自由に使えなくなった旦那は  私の手には負えない存在になっていた  反抗期のない人間は  感情の抑え方を知らず  怒りの矛先をどこに向けたらいいのか  自分自身のコントロールもままならず  悲しくも、その姿は  気の狂った父その

        人生、綴ってみた   創作大賞2023 応募作品

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #25

           金融会社から  旦那が言っていた手紙が届いた  今まで手にしたこともない分厚い封筒  A4用紙十八枚  旦那の借金履歴、全てがそこにあった  私と知り合う前から  借金まみれの男だった  バレてはゼロになる  そんなことの繰り返し  周りの人が助けてくれた履歴も  そこにはあった  明細書を持つ手が震えた  まるで銀行のATMで  自分のオカネを引き出しているかのよう  この人にとって  カード一枚で借りれるATMは  まさにそうだったのだろう  毎月七万もの利

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #25

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #24

           ちょうどその頃から  旦那はまた  消費者金融に手を出していた  なんとなく、わかってはいたが  私は息子を育てることに必死だった  息子を一人でメシが食える大人にする  それが子供を育てる軸となっていた  息子が中学二年生の終わり頃  新聞の片隅に、私のことが載った  本当に小さな記事だった  隣人にストーカーされて  車のフロントガラスを素手で割られた  隣人が怖くて  私は引っ越しを考えた  ずっと賃貸マンションに住んでいた  仙台には十年以上住んでるし  

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #24

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #23

           小学五年生くらいだったと思う  息子と二人  近所のスーパーで買い物をしていた  息子の大好きなお菓子  ブラックサンダーの袋詰めを見つけ  私は三百円を渡して  レジが終わるのを待っていた  息子は長い列を並び  ようやく自分の順番がきた時  レジ横にある  ネパール地震の募金箱を見つけた 「これ、買うのやめていいですか?」  店員さんに伝えて  握りしめていた三百円を、募金箱に入れた  レジの人が優しく聞いてくれた 「ボク、このお菓子が欲しいんでしょう?  募金し

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #23

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #22

           絶対に、息子を父のようにはしたくない  あとから知った話  弟も同じ想いだったと聞いた 「父のようにはなりたくない」  その一心で勉強も頑張った  虐待の対象にならないように  空手も習った  大手の会社に就職はしたが  思うように仕事ができず  会社で馬鹿にされた  弟は弟で頑張っていたのに  全てがうまくいかない  母のお葬式の後は  自分まで気がおかしくなって  救急車で運ばれた 「こんなんじゃ、オヤジと同じや。  俺は、オヤジみたくなりたくないんや」  そう言

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #22

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #21

           息子の知能指数は七十もなく  知的障害と呼ばれる域だった  まだまだ  なんとかしなければ  息子のADHD発覚に伴い  私の父もADHDだとわかった  父はADHDの特徴を兼ね備えていた  友達もおらず  兄弟からは嫌われ  最後は親からも見放された  会社はすぐクビになるため  履歴書には書ききれないほどの  会社名が並ぶ  車を運転すれば事故ばかり  そして  感情のコントロールができす  私を虐待し  最後には気が狂って  精神病院に入院  誰からも馬鹿にさ

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #21

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #20

           私はお酒ばかり呑んでいた  辛かった  人生から逃げ出したかった  誰かに頼りたくて  息子の主治医に助けを求めた  主治医は難しい顔をして、話を聞いていた  そして、言った 「お母さんが精神科に行くべきだ。  しっかりしなさい。  お母さんがぶれたら、子供もぶれますよ!」  精神科ではなかったが  近所の診療所で「心労」だと診断された  その夜  母子で揃って、睡眠導入剤を呑んだ  二人で朝まで泥のように眠った  よく寝て  よく食べて  しっかりと寝て  規則正

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #20

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #19

           実家から仙台へと帰ってきたが、  息子がなにより心配だった  やっとやっと  会話ができるようになっていたのに  そのタイミングで  人間が気を狂う瞬間を見た息子  弟は自分の目を箸で突こうとした  お嫁さんが「やめて!」と叫ぶと  ひねってもいない水道の水が  勢いよく流れ出した  母は亡くなっても  必死で我が子を守っていたのだろう  弟の形相は凄まじかったそうだ  それを目にしてしまった方もたまらない  息子はすっかり様子が変わってしまった  昼間でもビクビク

          人生、綴ってみた 【結婚・後編】 #19

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #18

           長い間  病院の、廊下の椅子に座って泣いていた  子供よりひどい泣き方だった  泣き疲れた頃  旦那が横に座っていることに気がついた 「虐待されている、って聞いてはいたけど  ずっと嘘だと思っていた。  父親が自分の娘にすることじゃないよな。  信じられないよ、こんな話」  かつて  結婚を約束した人が言ったセリフだった  旦那には口にしてほしくない言葉だった  そして、何?  嘘だと思っていた?  冗談じゃない  全てを受け入れてくれて  器の大きな人だと思

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #18

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #17

           翌日  私の弟の気がふれた  それを見ていたのが  九才になったばかりの私の息子だった  自分の奥さんと子供を殺して  俺も死ぬと大騒ぎ  人間とはなんて弱い生きものなんだろう  救急車で運ばれた先は  なんと父が入院している精神病院だった  しかも、同じ病棟  弟に面会するため  ナースステーションに行った  看護師さんは  私が娘だと気がついたようだ 「お父さんと面会されますか?  もう何年も会ってないんでしょう?」 「会いません。  あの人には何度も殺されそう

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #17

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #16

           診断がついてもつかなくても  病院を駆けずり回ることに変わりはない  やるべきことがいっぱいで  私はいつも疲れきっていた  深夜に帰宅する旦那  育児などやってくれるはずもない  お酒を飲みながらぼんやりと考える  どうして  一人で生きていけるなどと  思っていたのだろう  結婚して、地元を離れ  家族に何かあれば、それに振り回され  女は仕事をするどころではなくなる  女って、不利だ  そんなことばかり考えていた  薬を服用するようになって、三カ月  息子に変

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #16

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #15

           原発が爆発したと聞き  旦那の実家、青森県に避難した  バタバタとした生活が続く  知り合いが津波で亡くなったと  連絡を受けた  海の近くに住む彼女を助けて  自分が流されたと聞いた  一生懸命生きていた人だった  東日本大震災は地獄だった  生きていても地獄  死んでも地獄  同じ地獄ならば、生きていくしかなかった  そんな中  旦那が仕事で一千万以上の赤字を出した  一千万は会社に報告  それ以上は報告できず  生命保険を勝手に解約  保険証書は私が握って

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #15

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #14

           仙台の生活に慣れた頃  東日本大震災を経験した  凄まじい揺れだった  聞いたことがない大きな地鳴り  地球の唸り声のようだった  この世の出来事だとは思えない  目にするもの全てが形を変えていた  大家さんから 「倒壊するかもしれないから、  マンションの中には入らないで」  そう言われて  息子と二人、避難場所まで歩いた  この時、息子は小学一年生  喋れない息子は泣くことしか出来ない  避難場所での息子の行動は  周りの人に不快感を与えていた  倒壊するかもし

          人生、綴ってみた 【結婚・前編】 #14