なぜ 今、終活?
終活しなくちゃな―と思いながら、何年も無為に過ごしていた。それが、今年はある程度めどをつけたいと思ったのには、理由がある。
ひとつは、去年のことだが、親しく挨拶を交わしていたマンションの理事さんに避けられるようになったこと。私に帰る実家がいないことを何かのはずみで話したところ、緊急時に後見人、保証人のいない やばい住人だと思われたようだ。確かめたわけではないが。
ひと頃は、孤独死が話題になったこともあったが、最近は、単身者が亡くなった後のことが困った問題として取り上げられるようになってきた。うっかり独居老人と親しくして、後始末を押し付けられても困るだろうなあ。「何か」あった時、端迷惑にならないよう、できるだけの始末を自分でつけておきたいと思った。
もうひとつは、非常事態に備える必要性を感じていたこと。一般市民の防災意識を高めるための広報や、世界各地の紛争や戦争の報道に触れながら、非常事態に備えておかなければいけないという危機感を強めていたところに、正月早々、能登半島の地震と羽田空港での事故のニュース。私自身が、当事者になる可能性が、今までになく現実味を帯びて感じられた。「何か」はいつ起きてもおかしくない。
「今年は終活をまじめにやろうと思ってる」と言うと、「まだ若いのに~」と若い人から言われた。まだ若いから、今のうちにちゃんとしておいた方がいいよね。今も大した悩みはないけれど、終活を済ませれば、もっともっと人生を楽しめそうな気がしている。