わたしの工夫ー息子と本を読む
以前、息子と絵本を読むときに、工夫しながら読んでいることを書いたのだけれど、最近もっとお互いにとってベストな方法を思いついた。
ありのままのママを見て~絵本を読もう
まずは前回の話から。(2021年10月19日の記事【ありのままのママを見て~絵本を読もう】から)
わたしは子どものころから本が大好きだ。
電子書籍で紙の本を買わないで、タブレットやスマホで本を読む人が増えたけれど、わたしはやっぱり紙の本が大好きだ。
まだ誰も読んでいない新しい本を手に取ったとき、心からわくわくする。真新しい本の匂い、だれも開いていない本を開いたときの感覚、肌触り…全てが好き。
本屋さんや図書館に行ったら、何時間でもそこにいられそうだ。
ネットで本を買うときは、中身やストーリーをよくチェックして買えるけど、本屋さんで買うときは表紙を見て、タイトルを見て、「これだ!」と思ったものを買う。あらすじや中身は拡大読書器(弱視が使う補助具)がないと読めないので、本屋さんでは気にしないのだ。
子どもが生まれてからは絵本を買うことが増えた。
絵本も表紙とタイトルを見て、「これだ!」「息子が喜ぶかも!」と思うものを買ったり、子どもに選ばせたり、有名なタイトルの本を買ってみたり…
3歳までは毎日3冊の絵本を読むことを日課にしていたので、図書館でもよく本を借りてきた。
買った本なら顔を近づけて読む。
あまりに顔を近づけすぎると、息子が見えないので、ちょっと読んでは息子に見せ、またちょっと読んでは息子に見せ、を繰り返して読み進める。
それでも、わたしが読んでいるとき、息子は絵が見えないと、顔の位置をずらして工夫してくれる。
ときどき、絵が描いてあるところに文字があるときは、
「ママ!そこ見たい!」
と息子にほっぺを膨らませられる。
わたしが読んで、息子に絵を見せる。そしてまた読む。
借りた本なら顔を近づけるのは気が引けるので、拡大読書器に入れて読む。
息子は画面を見るときもあるが、拡大読書器の下の絵本を見てくれたりする。
ほかのお家では見られない絵本タイムの光景。
これがわたしと息子の思い出の1コマになるのかな。
顔を近づけて、ときには拡大読書器で…弱視であることをありのまま息子に見せている。
絵本だけでなく、子どもが思う存分絵を楽しめる、紙芝居も我が家の定番。
そして、絵本の影響か、わたしの作ったお話を聞くのも息子の大好きな時間。
「ママ、お話聞かせて」
この言葉をいつまで聞けるかな。
文字数が増えた絵本や児童書を読むようになって
息子は小学校1年生になった。
相変わらず、絵本や本が大好きだ。
学校の朝の読書タイムは、もう自分で読む練習をしているらしい。
けれど、家では自分で読むより、まだまだ読み聞かせをしてもらいたいようで、読んでほしい本を持ってきては読んでとせがまれる。
近頃ハマっているのは、【時計つくりのジョニー】という絵本。
ジョニーは、『大時計のつくりかた』というお気に入りの本を百回以上も読んでいるうちに、「ぼくも、大時計をつくろう」と決心する!
ジョニーは大まじめに言っているのに、周りの大人たちは揃いも揃って、そんなことはできるはずはないと決めつける。
「つくれっこないでしょ」とか、「おばかさんね、あなたはまだ小さいんだから、そんなむずかしいことはできませんよ」とか・・・なかなか大人たちの態度がヒドイ…😢
そういう大人たちの態度にもめげずに、ジョニーが自分の力で大時計を作り上げてしまう様子が描かれていて、とってもかっこいい!息子はすっかりジョニーに憧れているようだ。
親子で「いい話だねぇ」「ホラ、ジョニーできたじゃん!」と盛り上がりながら読んでいる。
でもね、この本のように結構長めのお話を弱視ママが読んで聞かせるって結構大変で。
以前までのように、顔を近づけて読んであげて、絵を見せて…ってゆうスタイルだと、文章が長いからなかなか絵を見せられない。わたしも疲れるし、息子も楽しめなくないかな?!と考えた。
じゃあ、弱視用の拡大読書器を使う?う~ん、拡大読書器もまた、こうゆう長めのお話になってくると、親子読みには向かない。わたしが長文を読んでいる間は、息子は見えにくい、微妙だ。
そこで、思いついたのが、
全ページをスマホのカメラで写真に撮る
↓
息子には絵本や本を持たせて見ててもらう
↓
わたしはスマホの写真の中にある絵本の文字を、拡大しながら読む
という新しい親子読書スタイルだ。
絵心があれば、その様子を絵に書いてお見せできて面白いのだが、絵は書けないので、想像してみてほしい。
スマホで文字を読む、ということには、すっかり慣れているので、どんなに長い文章でも普通に読み聞かせることができる。
感情を込めて、登場人物のセリフを読むことができる!
たまに写真の撮り方が下手で「あれ、・・・なに、ジョニーが~・・・つぎなに?」と息子に助けを求めることもあるけれど。
「子どもが大きくなったら、長い本なんて読めなくなっちゃうかもなぁ」
そう、思っていた。
不安だった。
でも、なにも問題なかった。工夫さえすれば、他の人と違うやり方であっても、親子で楽しむことはできるのだ。
「よし!いいこと思いついたよ、これ全部写真撮るから」
そう言って、絵本や本を写真に撮り、人とは違うやり方で絵本や本を読んであげるわたしを、息子はいつもありのままに受け入れてくれている。
「へんなの」とも「おお!」とも言わず。当たり前の光景を見ているから。
もっと長い本だって、息子は本で、わたしはスマホ写真で、まだまだ一緒に読んでいきたい。
さいごに
先ほど紹介した【時計つくりのジョニー】を読んで、わたしはハッとした。
「〇〇をつくりたい」「〇〇をしたい」という子どもの言葉に、「まだ小さいからできっこないよ」、そんな言葉返したことはないだろうか?!
はっきり覚えてないが、絶対にないとも言い切れない。
ジョニーは大人たちに、「できっこない」「小さいから」「おばかね」などとさんざん言われる。誰だって、小さい子が大きな時計を作れるとは思わないから。
でも、ジョニーは作れた。努力を重ねて作り上げたのだ。一人だけ信じ続けてくれたスザンヌがいたから。
わたしは、スザンヌみたいな存在になりたい。
「あなたならできるよ」
どんなにできっこないと思うことでも、否定せずに、「あなたならできるよ」って信じ続けて、いつでも信じてくれると思える存在でありたいと思うのだ。
そして、わたしもスザンヌのようにワクワクしながら、応援していられたら、きっと楽しいと思うから。