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2月に見てよかった映画

はてさて、文化的生活には程遠い日々を過ごしているわけだが、無理やり時間を作って2月も細々と映画を観た。

猫を膝の上に載せてみた映画の感想をまた述べていこう。


TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ

邦画の良作。

劇場でやっているときから気にはなっていた作品の一つ。アマプラを徘徊していたら出会ったので鑑賞することに。

テンポ感が良い。ギャグ要素も満載で神木隆之介がテンポよく突っ込むのが新鮮な印象。地獄での出来事が集約されているので比較的画面が暗めだが、ロックのテイストが強く、強烈な構成になっている。暗い画面の中で結構色彩豊かな衣装や肌の色を使っているのでサイケデリックな雰囲気。

話の内容自体もしっかり作られていて、キラーK(長瀬)と関(神木)の目的の二重構造的な要素も見ごたえがった。シリアスな展開も交えつつ、基本はコメディタッチで描かれる。

なんといっても音楽が良い。向井秀徳が提供しているという点でもうすでに間違いはないのだが、地獄ロックは聞きごたえがある。

こんな地獄なら堕ちたいな~と思う作品。死後が怖くない。


ヘアスプレー

予告が見つからなかったので好きな劇中歌を。

こちらも、古くからの友人に「デュエットしようよ!」と言われ続けて数年、なぜか今まで見てこなかった作品。

「差別」に重きを置き、今はそんな時代じゃない!と声高らかに宣言する、現代的なミュージカル映画だ。なぜ今まで見なかったのかと少し後悔するくらい、明るくて、前向きで、ハッピーだ。

少しヘビーな女の子が主人公なところもいい。そんなトレイシーは体形でどれだけ揶揄されようとくじけることなく、未来を見つめ続ける。しかし彼女のそんな強さはなかなかもてるものでもないのが確かだ。そんなトレイシーの様子と対になっているのが母であるエドナだ。

彼女もまたヘビー級の女性で、自分に自信が無くて数年引きこもっているという描写がある。でも娘の言葉で外に出てみて、徐々に自信を取り戻し、ありのままの自分を受け入れていく。トレイシーを中心に皆が前向きになっていくストーリーが良い。

母親の言いなりだった親友も自分でその状況を飛び出していくし、差別され続けていた黒人のみんなは声を上げる。一人の女の子が持つエネルギーが半端じゃない。

曲が多くてダンスシーンのキレが素晴らしいので、見ていて飽きない。自分も負けてられないな、という気持ちにさせられる。

ザックエフロンが可愛い。


リング

1998年版の「リング」である。ホラーの金字塔とも入れるこの作品を見ずにしてホラー好きは語れまい、ということで満を持して見た。

絵にかいた王道ホラーだが、今世に出ているホラーの骨格を作ったのがこの映画ともいわれているのだから致し方あるまい。原点を確かに感じた。

VHSを使用したことある世代だからなおさら怖さを感じる。今の全くVHSを知らない世代が見たらどう思うのだろうとそれが気になってしまった。「ダビングって何?」から始まるのではないだろうか。

それは置いておいて。ホラーの王道・噂を確かめようと深層にたどり着いた主人公が呪い被るパターンはお決まりの展開だ。でも、そこから一緒に原因を探っていくのが「元夫」なのが非常に良いアクセントだったと思う。絶妙な、微妙な距離感と主人公の不安がすべてぬぐい切れない元夫の存在が面白く感じた。

2人で閉じられた井戸を掘るシーンは見物であると同時に、それが呪いを解く行為ではないという絶望感。「あんなに頑張ったのにー!」と思わせる仕様は別の意味でのホラーを感じる。

最後は息子にかかった呪いを解くために…みたいな雰囲気。「残穢」も似たようなラストだったが、あえて余韻を残していくという意味では「ホラーラストあるある」なのかもしれない。


ロッキーホラーショー

とんでもねえ

なんだこれは。とんでもねえホラーカルトコメディだなおい!

2017年に古田新太主演で舞台化されていた作品。その時に見に行きたかったけれど怖気づいていかなかった。なぜいかなかったんだと後悔。

チープでゴージャス。妖しくセクシー!

B級映画とか言われているけれどここまで世界観が確立されている「カオス」はないと言える作品だ。あらすじは省くが、若いカップルが迷い込んだトンデモキャッスルでハッスルする話だ。

見るタイプのシャブだ、しかも飛び切りハッピーの。いや、ハッピーとは違うか、クレイジーというか。見た時、来た来た来た、こういうの待ってた!という感情が溢れてきた。

宇宙人が出て来たり、人造人間が出て来たり、骸骨が出て来たりととにかくカオス。でも一時間半が一瞬で過ぎ去るほどのインパクトと引き込む力がこの映画にはあった。これは言葉で語るよりも見たほうが早いと思う。


2月、数本の映画を観て、自分は「解放」を求めているのかもしれないと感じた。それは「この環境が嫌だ」とかいうものではなく、「我を忘れて歌って踊り狂いたい」というタイプの解放である。

つまり、ストレス抱えてるってわけ。

疑似体験ができる映画は一種のストレス発散になるのだと感じた。



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鬼堂廻
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