僕たちはもっと部屋を飾り付けるべきだ
昔から、形から入るタイプだ。
パイレーツオブカリビアンにハマっていた時は部屋の中を海賊船みたいにしていたし、日本史熱が凄かったときは部屋中に浮世絵を貼っていた。
そのくらい、何かに没入したら部屋の中を飾りたくなる。
美輪明宏先生の「おしゃれ大図鑑」という本がある。
あなたの好きな色を使い、あなたの好きなもので部屋を埋め尽くしましょう。その部屋にいると、どこを見ても美しく可愛くて、楽しい、優しい気分になる、ロマンティックな想像に浸ることが出来る、そんなお城を作ってしまえばいいのです。
その中に出てくるこの言葉が、幼い時の僕の心にはずっと残って、今に至る。昔こそ「好きなもの」が色んな所へ飛躍していたのでバザールのようになんでもある部屋になっていたが、最近では自分の好みがだいぶまとまってきた。
最近の僕のテーマ
僕の最終的な終着点は「レトロな喫茶店」「古書堂」だと気付いた。ごちゃごちゃしていても、統率がとれている空間にしたい。
出来れば和風と洋風が混じった、いいとこどりのキメラみたいな。時代考証までばっちりやったら楽しいんだろうけれど、あえてなんでもありなレトロもいいんじゃないかと思っている。
部屋のテーマは「レトロ」と「赤」だ。
そのレトロは和洋どちらにも適応すると思っている。とても高いものじゃなくても雰囲気のある部屋は作れるんだ、と声を大にして言いたい。
お部屋
部屋を飾ることは、「好き」を全身で摂取できることだ。
自分の好きなものがすぐ目に入ればHP回復も早い。僕はそう思って部屋で充実した時間を過ごしている。
↑作ったばかりのときの自分の部屋だ。壁の装飾が少ない。僕は90年代の少女漫画がとても好きで、出来ればあの世界の中で生活がしたいのでエドガーやオスカルの肖像画を飾っている。
食器棚も椅子も机も、かなりお安く手に入れた。
我が家の蔵書は1000冊を超える。引っ越すとき、段ボールの大半が本で埋まった。本を売ることは出来ない。脳みそ外付けハードディスクだからだ。
ワインレッドのカラス戸付き本棚はなかなか見つからなかった。
友達がおらず一人で組み立てたのでドアが歪んで片方きちんと閉まらないのが難点だ。
本棚は計5つある。腰までの高さのものがあと4つだ。バラバラで買ったので大きさや色が僅かに違い、それに合わせて入れる本を変えている。すぐ手に取るもの、好きなもの、ガラス戸の中に入っていて欲しいもの…そんなエゴイズムで本たちは配属を決められている。
作業用の机…と言いたいところだが物置になっている。ここで執筆とかすればいいのだが、前からの光が無いので暗い。デザインが可愛いので良しとしよう。
僕は紅茶が好きなので、紅茶を飲むときもティーカップを変えるなどしてしまう。コレクター気質もあるので、和洋色んなバリエーションに対応できるように、結構な数のティーカップを買ってしまった。後悔はしていない。
ベッドルーム。
やっぱりテーブルランプは外せない。理想的な薔薇模様のランプがあったので即購入した。クッションも薔薇園などで購入した。白いベッドシーツと迷ったけれど、僕は赤いベッドで眠るのが好きなので赤いベッドシーツにした。
洋画の少女が白いネグリジェワンピースを着ているのが好きで、買ってしまったものを出窓の近くに吊るしている。これを着て眠るわけではない。
ベッドの近くにある出窓なので、月と星があったら良いな、と思ってオーナメントを飾っている。真ん中にあるのは自作の棺桶。
最近のカップボード上。こんな感じで好きなものを並べまくっている。
薔薇と十字架が多い。シンプルなのもいいけれど、僕はごちゃごちゃしているのが好きなのでどうしても沢山ものを飾ってしまう。
これはドリアングレイの肖像を読みながらキャンドルナイトをしているときだ。夜、電灯をつけるのもいいがたまに蝋燭で過ごしたくなる時がある。読んでいる本とかにも影響されるんだけれど。そういう時用に、蝋燭がたくさん買ってある。
友人が一眼レフカメラで撮ってくれた写真だ。夕方辺りになるとこんな風に西日で光るものが多く、ロマンティックな気持ちになる。
日常にロマンを
こんな感じで、美輪先生の言葉を借りるならば僕は「僕だけの城」に住んでいる。好きなものを集めて、本当に肌の合うものを選んで飾っている。
高級なものはむしろ少なくて、近所のリサイクルショップで格安セールになっていたものを発掘したり、メルカリで安く買ったりしている。ものすごく高いものじゃなくても案外ロマンは近くにある。
部屋を作るうえで僕が気を付けているのは「色」だ。今の部屋は金・赤・茶の3色をメインで使うようにしている。机を買う時も白と茶色があったら茶色を選ぶようにした。あまり色がありすぎると作りたいテーマにならないと思ったからだ。
良い部屋を作りたくてもセンスがない、なんて思わずに自分のための空間を作ると思えばいい。好きなものを飾って、「満たされる」という心が大事なのだから。
余裕がないな、と思う現代だからこそ僕たちはもっと「部屋」という空間を好きになっていくべきだ。