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ストーリーの王道パターンを学ぶ

物語には、基本となるストーリーの王道パターンがいくつもあります。そのうちの1つを紹介します。

主人公ともう1人のキャラクター。2人の仲はとてもいい。しかし2人は対立する陣営に別れて戦うことになる。本来は親友や恋人、家族だった2人が争わなければならない。果たして2人はどうなってしまうのか?


あるあるのストーリーパターンです。具体的な作品が思いつく人もいるかもしれません。

例えば『ダレン・シャン』はこのパターンの作品と言えます。

ひょんなことから「奇怪なサーカス」シルク・ド・フリークのチケットを手に入れた、蜘蛛好きという他には平凡な少年ダレン・シャンは、深夜に家を抜け出し親友のスティーブと観に行ったサーカスで、毒グモマダム・オクタを操る正体不明のバンパイア・ラーテン・クレプスリーと出会う。自分のせいでマダム・オクタに噛まれたスティーブの命を助ける為、ダレンはラーテン・クレプスリーと恐ろしい取引をすることになる。そして、ダレンの運命の歯車は大きく狂っていく。

Wikipedia『ダレン・シャン』

主人公ダレンと親友のスティーヴ。その2人が仲違いをして、ダレンはバンパイア側の幹部、スティーヴはバンパイアと対立するバンパニーズ側のリーダーになります。2人は対立する勢力のリーダー同士として、勝負の行方を左右することになります。



2人のキャラと関係性を決める

このパターンのストーリーを作るときに考えるべきことがいくつかあります。まずは2人のキャラの基本情報と関係性です。

主人公が男性でもう1人も男性。男同士で2人は親友同士にするとか。

女性を主人公にして、もう1人は男性。2人を恋人にするとか。

他にも、女性と女性の親友同士。兄と弟の兄弟。母と息子の親子。


思いつく限りなんでもいいと思います。

まずは「物語のなかでいずれ争うことになる2人が、どのような関係の2人なのか?」を決めることが重要です。



物語の最後でどのような結末を迎えるのか?

「2人の対立が、物語の最後でどのような結末を迎えるか?」
これについてもプロットの段階で考えておきましょう。起承転結でいうと結の部分にあたります。

結末とは、2人の関係がどのようなところに着地するのかを意味します。

2人が対立を乗り越えて、元のように仲良く結ばれるのもありですし、どちらかが一方を倒すパターンもあります。2人が対決した結果、2人とも死んでしまうエンディングもあります。

こちらもどの結末にしてもいいと思います。


結末を考えるときに大事なのは、「2人の対立をきっちり終わらせること」です。
物語の最初から続いてきた2人の戦いに終止符を打ちましょう。

さきほど紹介した3つの結末は、どれも2人の戦いが終わっています。

2人が仲良しに戻ればもう戦う必要はありませんし、どちらか1人でも死んでしまえば、もう2人の対立はおしまいです。

このように2人の対立を終わらせる結末にすることが求められます。


2人の対立を終わらせずに「俺たちの戦いはこれからも続くぜ!」という結末もナシではないと思いますが、連載を打ち切られた漫画の感じが否めません。その理由は、きちんと結末を書いて物語を終わらせていないことにあります。



2人をそれぞれの勢力の重要人物にする

2人がそれぞれの勢力の重要人物であることも重要です。2人の勝負の行方が、勢力の勝敗に結びつくようにしましょう。主人公がライバルに勝てば、主人公側の勢力の勝利。主人公がライバルに負ければ、主人公の勢力の負け。

こうすることによって、2人の勝負の行方がストーリーのなかでとても重要なものになります。

もし、主人公とライバルが勢力のなかで下っ端だとしたら。
下っ端2人のどちらが勝とうが負けようが、勢力の争いに大きな影響はないですよね。それだと主人公たちの勝負の行方は、どちらの勢力のキャラクターたちにとってもどうでもいいものになってしまいます。

そうではなくて他のキャラクターたちが固唾を飲んで見守るような重要な勝負にしましょう。そのためには、主人公たちをそれぞれの勢力の重要人物に設定する必要があるのです。

ダレン・シャンでも、主人公・ダレンはバンパニーズ大王を倒す可能性がある「選ばれし者」の1人として。スティーヴはパンパニーズたちを統べるバンパニーズ大王として、2つの勢力の戦いに参加しています。

2人がそれぞれの勢力のなかで重要人物であるからこそ、読者は2人の勝負の行方を楽しみにするのです。



まとめ

物語にはストーリーの王道パターンがあります。そしてどのパターンも、そのパターンを使って物語をつくるときに重要なポイントがあります。

・自分が書こうとしている小説がどんなパターンに当てはまるのか?
・そのパターンで重要なポイントを抑えられているのか?

以上について自分の作品を確認してみましょう。



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