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web3についてのレポートを読んでみた(5/N)

相変わらずレポートを読んでみました。

https://blockchain.bitflyer.com/pdf/web3Research2023.pdf

第7章 DID/VC

DIDとは

いつもながらweb3の言葉は初めて聞くものばかりだ。
DIDという言葉は「W3C」という公益非営利団体が
定義を勧告したものである。
W3Cは、www(world wide web)規格を制定している団体でもある。
(勧告とは、相手方に勧めるや促すといった意味であるため
   強制力をもたない)

A globally unique persistent identifier that does not require a centralized registration authority and is often generated and/or registered cryptographically.

https://www.w3.org/TR/2022/REC-did-core-20220719/#dfn-decentralized-identifiers

persistent    「接続的」
identifier     「識別子」
require     「要する」
registration   「登録」
authority    「権威」
generated     「生成された」
cryptographically「暗号的に」
意味的には
「中央集権的な権威による登録を必要しない生成・登録できる暗号識別子」
といった感じだろうか。

web3がいかに非中央集権的であったとしても、
ある標準がないと無秩序になってしまうために
こうした標準が必要となってくるのであろう。

では、この識別子は一体なにができるようになるのであろうか。
web3 Research2023 の引用もとである
Trusted Web ホワイトペーパーver2.0概要 をみてみることにする。

Trusted Web ホワイトペーパー

内閣官房デジタル市場競争本部事務局が2022年8月に発表した資料
デジタル市場競争本部の設置目的は以下のとおりである。

グローバルで変化が激しいデジタル市場における競争やイノベーションを促進するため、競争政策の迅速かつ効果的な実施を目的として、内閣に、デジタル市場の評価並びに競争政策の企画及び立案並びに国内外の関係機関との総合調整を担うデジタル市場競争本部(以下「本部」という。)を設置する。(令和元年9月27日  閣議決定)

デジタル市場競争本部の設置について
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/konkyo.html

キーワードは「Trust」である。
「Trust」とは、事実の確認をしない状態で、相手先が期待したとおりに振る舞うと信じる度合い と当本部で定義している。
現在のインターネットは「事実の確認」が検証できない状態で
相手を信頼せざるを得ない状況と評価している。
(例えば、A社だから、安全・正しいなど)
そこで「事実の確認」が検証できる手段のひとつとして「ブロックチェーン」を活用することが検討されている。(あくまでも手段のひとつ)

具体的に利用可能性を検討していることとしては、以下のとおりである。

事業者における価値創造につながることが期待されるケースのイメージ
Trusted Web ホワイトペーパーver2.0概要より

「令和3年通信利用動向調査の結果(総務省 2022.5.27)」によるとhttps://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf

インターネット利用の7割が「不安」を感じており、
主な要因として「個人情報やインターネット利用履歴の漏洩」が
挙げられている。つまりは現在のインターネットに対して「Trust」が
構築できていない結果となっている。

こういった「Trust」を構築するためにDIDという識別子を使っていこうと
いう構想である。但し、この識別子は情報の形式であって単独では
「Trust」の実現は難しく、VCとの組み合わせにより実現を検討している。

VCとは

Verifiable Credentials
Verifiable 「検証可能」
Credentials「資格情報」

その仕組みは、
「発行者」「保有者」「検証者」
の3つの役割で構成される。
・「保有者」が必要な情報をDIDをブロックチェーンに発行、登録
・「発行者」は「保有者」からの依頼に応じて証明書を発行、「発行者」自  
 らのDIDをブロックチェーンに発行、登録
・「検証者」は、「保有者」から必要な部分のみの証明書を受領(この証明 
 書には発行者からの情報を含む)し、ブロックチェーン上で「保有者」 
 「発行者」の情報を検証する。

既存の流れで行くと
「保有者」が「発行者」から証明書を「検証者」に渡したときに、
その証明書の内容が正しいことは「保有者」が途中で偽造しない前提で信頼をするしかない。また、「発行者」から不要な情報は「検証者」へ渡る恐れがある。

こういった課題を解決するための仕組みがVCと呼ばれる。
個人認証という点において新たな考え方のトークンがある。

Soulbound Token

「譲渡不可能なNFT(非代替性トークン)」のこと。
このトークンはイーサリアムの創業者の一人
vitalik氏が提唱したトークンである。

譲渡不可能であることで、どんなメリットがあるのか。
例えば、資格について考えてみる。
Aさんがある資格を取得したとしよう。それは、Aさん自身が学習し、試験に合格して取得した資格である。この資格はAさん自身のものであり、他人が資格の効力をもつことはできない。
このような場合、譲渡不可であるsoulbound Token で資格を発行することで、なりすまし、譲渡ができなくなる。

今回は第7章を読んでみた。
個人の所有をいかに非中央集権的に検証できるか は
web3時代には重要になってくると感じる。
また、仲介ということがだんだん縮小されていくということは
いかに価値自体を個人が生み出せるかが問われるようになる気がする。

次回は第8章 ブロックチェーンについて記載してみたいと思う。

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