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ジャズピアノ日誌 Bebop奏者になりたい(2) On The Sunny Side Of The Street

ギアチェンジは次回の課題に

On the sunny side of the streetという1930年にできた前向きな歌があります。数年前の朝ドラ、Come Come Everybodyでおなじみの曲です。それを弾いてみました。今回の演奏の足りない部分は今週、来週に努力して、補うつもりです。次にやりたいことはビートを倍にすることです。Bebop奏者ならゆっくりの4ビートから倍速の4ビートに途中でギアチェンジして最後にまたゆっくりの4ビートに戻るということをやるはず。それがやりたいのでお休みの日にはギアチェンジの練習をしていますが、これはかなり難易度が高いのです。ギアチェンジのパートが機械的で手癖だらけになってしまい凡庸に陥ってしまうからです。

左手のバッキングも含めて課題山積みです。

聴かせすぎるピアノからの脱却。。。ちょっとジャズをかじった方なら、わかると思いますが、mode(音階)での奏法はそれほど難易度が高くありません。たとえば、チュニジアの夜の2つのコードの繰り返しのようなパターンがありますね。こうしたものは半音で下ったり上ったり、アルペジオ攻撃で恰好がつくので、わたしのようなアマチュアでも難易度は高くないんです。

また、ピアノはペダルで誤魔化すということが可能です。アマチュアほど、ペダルにだらしないという印象を持っています。モード奏法でペダルを効かせるとそれだけで、「ぽい」演奏にできるのです。

ところがBebopでは、そうはいきません。目まぐるしくコードが変わるので、ペダルはむやみに使ってはいけないし、モードの多用は聞く人を飽きさせる。リズムとバッキングそのもので勝負しなければならないし、アドリブの引き出しが圧倒的に必要なのです。

アドリブのアイデアは、ひとつの曲を想定して、風呂に入っているときとか、歩いているときに、口ずさんだりして少しずつ増やしていけます。わたしは普段の毎日の仕事がかなり忙しいので、あまり時間がなく、ピアノの練習自体は日に1-2時間に制限されます。その中で、半分はフィンガートレーニングに費やすので、曲を練習できるのは30分から1時間程度です。ですので、1曲を繰り返す中で体に馴染ませて「ねかせる」工程が必要になります。

人生、短い時間の中で、やるものとやらないものを明確にしないと、なにもできないまま終わってしまうのではないかと思うのです。あまり欲張りでもいけない。仕事以外で好きなことはたくさんありますが、いまのわたしの優先順位は、音楽を弾く、確率微分方程式の教科書を進める(数学科の博士課程に在籍していましたが単位満了退学しています)、仕事の専門書の構想を練る(これまで5冊株式投資の本を出版してきました。次の本が最後の集大成のものにしたい)。あとは英語もたまにブラッシュアップしたい。

わたしの体は、ピアノ弾き、数学、執筆、英語、食育の5つの要素でできています。食については、食育研究の鍋田さんとの日々の会話で勉強しているので、自分から調べるということはあまりしません。残り4つの要素(ジャズピアノ、確率、執筆、英語)だけでも、わたしの人生はもう一杯一杯。

結果として、ゆっくりとジャズを聴いたり、他のプレイヤーの演奏を参考にしたりということに時間を割けないという状況です。4つのうち、英語も仕事で使うだけにして、捨てる決意をしました。今後は、執筆、数学、ピアノの3つだけになる。この3つだけをやることにしています。何かをやる、ということはそれ以外のすべてを捨てる覚悟が必要なのかと思うこの頃です。何かを加速するためには、何かを辞めないといけない。アマチュアのピアノ弾きにはもはや音楽鑑賞はする余裕がない。。。

若いころ、レコードは死ぬほど聴いてきました。中学生のころから高校の卒業までクラッシック音楽は毎日3-4時間は聞いていました。だから、勉強する暇もなかったわけで、偉人たちの作った偉大な音楽の世界に浸り、彼らの紡ぐ音の進行の意外性に驚くことが人生の喜びでした。ピアノ全集を聞きながら、「ああ、自分にこの曲が弾けるのであれば、もう死んでも構わない!」と思った若い日々も、いまは遠い彼方です。

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