幼き心と母の毛抜き
私が風俗の世界へ足を踏み入れたのは
18歳。
それまで待っていた。
やっと自立できる
やっと……
私の家庭は厳しかった
父親はそこそこやり手の仕事人間
母は父に支配されたなにも分からない少女
私は物心着いた時から
母の髪を抜かされていた
母は昔患った病気の影響で
髪がなく
チョロっと生えてきては抜いて
普段はウィッグだった。
いつも時間があれば
私に毛抜きを持たせて
頭な毛を抜いていた
当時は何にも思わなかったけど
普通はしないし
普通では無かった
何故断らなかったのか
考えていた時に
毛抜き作業をする前は
叩かれ首を絞められ
機嫌を伺い顔色を見てきた
3歳や4歳の子供には辛かった
毛抜き作業していれば
格段にそれは減った
本能で学んだのだ
それさえしていたら
暴力や機嫌悪くならない
今考えたらその作業は
毛抜きで毛を抜けさせる
それ自体が異常だと虐待だと
思う。