浜野が出場! チェルシー対アーセナルのPSMの映像をチェック :: WSL Watch #099
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アーセナルがワシントン・スピリットと対戦したプレ・シーズン・マッチ(PSM)を振り返った"WSL Watch #095"、チェルシーがNY/NJゴッサムFCと対戦したPSMを振り返った"WSL Watch #096"に続いて、チェルシーとアーセナルが対戦したPSMの振り返りを。YouTubeのクリップ機能を使うテストとして。
▶︎ スタメン:
ただ、上に貼ったスタメンが発表された後に、ウォーム・アップでちょっと違和感を感じて大事を取ったらしいベス・ミード(Beth Mead)に代わってキャサリン・モーラー・キュール(Kathrine Møller Kühl)が起用されてる。
▶︎ 見どころ:
もちろん、WSLのタイトルを争うであろうライバルの直接対決ってだけで見どころとしては十分なんだけど、アーセナルはやっぱり新加入のローザ・カファジ(Rosa Kafaji)のスタメン起用が目を引くかな。逆にチェルシーは浜野まいかがスタメン、しかも、メンバー的には4-2-3-1の3の真ん中か4-4-2の2トップ起用っぽいから、起用法も含めて要チェック。あと、後半途中から起用されたアーセナルのマリオナ・カルデンテイ(Mariona Caldentey)ももちろん注目だし。それから、別に実力は間違いない同士なんだけど同じサイドでケイティ・マッケイブ(Katie McCabe)とルーシー・ブロンズ(Lucy Bronze)が対面してるって、なかなか強烈な構図だな...とか思ったり。もちろん、基本的には両チームの仕上がり具合が一番の注目ポイントなんだけど。
▶︎ ハイライト映像:
▶︎ フルマッチ映像:
01:50- ▶︎ チェルシーのハイプレスから最終的に浜野のシュート
立ち上がりのアーセナルのビルドアップとチェルシーのハイプレスの攻防。チェルシーは相手陣内で2回ボールを奪って最終的に浜野まいかのシュートで終わるシーンを作れたんだけど、立ち上がりのアーセナルはビルドアップでなかなか自陣から前進できずに苦しんでた。
02:50- ▶︎ チェルシーのハイプレスから立て続けにチャンスに
コレもチェルシーのハイプレスから危うく決定機になりかけたシーン。4-4-2の状態から仕掛けるチェルシーのハイプレスに対してアーセナルのビルドアップはかなり危なっかしい感じ。
04:07- ▶︎ アーセナルがようやく前進して相手陣内へ
3度目のトライでようやくアーセナルが上手くビルドアップで前進できてハーフウェイ・ラインを超えられたシーン。ただ、クリーンに前進できたか? って言われると、ちょっと危なっかしい局面はいくつかあって、キム・リトル(Kim Little)がターンして剥がしたシーンを含めて、安定したビルドアップとは言えない感じかな。もちろん、チェルシーの圧の強さもあるんだけど。
05:21- ▶︎ チェルシーの非保持からのカウンター
ミドル・サードまで前進したアーセナルの保持に対して、4-4-2で構えたチェルシーが真ん中レーンで引っかけて鋭くカウンターを打つシーン。アーセナルのちょっと強引な仕掛けをタイトに堰き止めて、浜野まいかのパスで上手くヨハンナ・リッティン・カネリード(Johanna Rytting Kaneryd)を押し出してボックスまで侵入できてる。最終的にシュートには至らなかったけど、セカンド・ボールをルーシー・ブロンズが回収できてる点も含めて、チェルシーが上手く守備から攻撃に移行できてる。
07:02- ▶︎ アーセナルの上手いプレス回避からのチャンス
立ち上がりからチェルシーのハイプレスに苦しんでたアーセナルが上手くプレス回避して前進できて、最終的にボックスに踏み込んでクロスで終わったシーン。基本的に4-4-2の並びから2トップのアギー・ビーヴァー・ジョーンズ(Aggie Beever-Jones)と浜野まいかに加えてCMFに入ったヴィーケ・カプテイン(Wieke Kaptein)もかなり高い位置まで出して強めのプレッシングに出るチェルシーの非保持に対して、危なっかしい局面もありつつもアーセナルが勇敢に前進した感じかな。ベス・ミードに代わって急遽右WGに入ったキャサリン・モーラー・キュールの絡みとか、リア・ウィリアムソン(Leah Williamson)の縦パスを引き出して上手くターンして左WGのケイトリン・フォード(Caitlin Foord)に展開してさらに自らオーバーラップしてクロスまでつなげたローザ・カファジのプレイも含めて、いろいろ見どころがあった。
09:53- ▶︎ チェルシーの見事なカウンター
別にチームとしての取り組み云々ってシーンじゃないけど、シンプルにカウンター局面を作り出したヴィーケ・カプテインの右足アウトでのロング・スルーボールが素晴らしかったシーン。残念ながら、抜け出したアギー・ビーヴァー・ジョーンズはステフ・キャトリー(Steph Catley)にカバーされてシュートには持ち込めなかったけど、1本のパスで状況をひっくり返した見事な攻撃だったな、と。ちなみに、ヴィーケ・カプテインってチェルシーで観たことなかったんだけど、それもそのはず、2023年にトゥウェンテからチェルシーに加入したけどそのままローンでトゥウェンテでプレイしてた18歳の選手らしくて。こういう選手が観れるのもPSMならではの楽しみなんだけど。
11:26- ▶︎ チェルシーの保持とアーセナルのカウンター
4-4-2の守備陣形で構えるアーセナルに対するチェルシーの保持でクロスまでいった後にアーセナルがカウンターを打つシーン。人数が揃ってて陣形が整ってるアーセナルの非保持に対して斜めのパスと裏へのランニングで上手くボックスまで侵入するチェルシーもさすがだけど、自陣で拾ったセカンド・ボールを受けたローザ・カファジが運んでからスルーボールでケイトリン・フォードのフィニッシュ・シーンを作っちゃうアーセナルもさすがって感じ。最後に戻って身体を寄せたルーシー・ブロンズの守備も見事だったけど。
16:38- ▶︎ 何気ないけど質が高いブロンズのビルドアップ
わりと地味なシーンだけど、チェルシーが見事なビルドアップからクロスまでいくシーン。右SBのルーシー・ブロンズの関わり方が絶妙で、特に16:42の中のレーンへのワンタッチのパスは地味だけど前を塞ごうとしてたアーセナルのプレスを無力化して逆サイドへの展開を誘導してたし、相手陣内に入った後も適切なポジショニングとランニングで関わりながら最後はクロスにつながるスルーボールをボックスの近くから送り込んでて、それほど目立つプレイじゃないけど改めて質の高さを見せつけた感じ。
21:32- ▶︎ チェルシーのプレスを掻い潜るアーセナルのビルドアップ
チェルシーのハイプレスとアーセナルのビルドアップの見応えがある攻防で、アーセナルが見事に前進したシーン。アーセナルのCMFのカイラ・クーニー・クロス(Kyra Cooney-Cross)と右WGのキャサリン・モーラー・キュールの関わり方が上手くて、チェルシーのプレスを回避して最終的に左SBのケイティ・マッケイブがCFWのアレッシア・ルッソ(Alessia Russo)を狙ったアーリー・クロスを蹴れる場面まで繋げられたんだけど、チェルシーのプレスの圧も強いし、なかなか面白い攻防だったな、と。
32:40- ▶︎ チェルシーの見事なビルドアップからの攻撃
GKからCMFへの1本のパスで状況をひっくり返して、チェルシーが見事にボックスまで侵入したシーン。まずはGKのゼチラ・ムショビッチ(Zećira Mušović)からのパスが見事で、パスを受けたヴィーケ・カプテインがターンして運んで展開したことで状況が一変して。その後にアギー・ビーヴァー・ジョーンズからの落としを前向きで受けた浜野まいかの浮き球で相手の最終ラインの裏に落とすパスのアイデアも面白かったし、セカンド・ボールからのクロスまで含めてなかなか迫力がある攻撃だったな、と。
44:04- ▶︎ 浜野の2度追いから生まれたチェルシーのシュート・シーン
チェルシーのハイプレスから生まれたショート・カウンターのシーン。浜野まいかが最終ラインに下りたCMFのカイラ・クーニー・クロスとGKのマヌエーラ・ツィンスベルガー(Manuela Zinsberger)に2度追いしたことがトリガーになってて、ショート・カウンターから枠内シュートまで繋がったんだけど、前半終了間際の時間帯でもプレスの圧を緩めないチェルシーらしさが出たシーンって感じ。ちなみに、浜野まいかとカイラ・クーニー・クロスはスウェーデンのハンマルビーIFで元チームメイトだったりする。
前半だけでも切り出したくなるシーンがこれだけあって、期待通り見どころが多い試合だったかな。ハイプレスの強度に関してはややチェルシーだったけど、アーセナルもプレスを回避した後のクオリティはさすがだったし。特に目を引いた選手の名前を挙げるなら、チェルシーだとヴィーケ・カプテインとルーシー・ブロンズ、アーセナルだとキャサリン・モーラー・キュールとローザ・カファジって感じになるかな。
47:11- ▶︎ 浜野のボール奪取から生まれたチェルシーの先制シーン
後半開始早々にチェルシーの相手陣内でのスローインから生まれたチェルシーの先制シーン。ニアム・チャールズ(Niamh Charles)との連携で上手く抜け出したグーロ・ライテン(Guro Reiten)のクロスをキム・リトルがカットしたんだけど、コントロールしたタイミングを狙ってた浜野まいかがボールを奪って、つなごうとしたボールが相手選手に当たってこぼれたボールを後半から起用されたサンディ・ボルティモア(Sandy Baltimore)がファースト・タッチで見事に決めてチェルシーが先制。このシーンに関しては、贔屓目抜きで浜野まいかのプレイが素晴らしかったんじゃないかな。相手選手に当たってるからアシストにはならないと思うけど、ボックス内でボールを奪ったってだけでもポイントが高いと思うし、しかも、奪った相手がキム・リトルだし、実際にゴールに結びついたんだし。
73:39- ▶︎ アーセナルの保持がチェルシーの非保持を押し込む展開
60分過ぎくらいに両チームともメンバーを大幅に入れ換えて、チェルシーは非保持を4-1-4-1に変えたっぽいんだけど、そのせいなのか、プレスがハマらなくなって試合の終盤はアーセナルが押し込む時間が長くなる展開に。チェルシーはマイラ・ラミレス(Mayra Ramírez)をCFWに入れて、サンディ・ボルティモアをインサイドMFに置くみたいなちょっと興味深い並びにしたみたいだったけど、あまり機能してないように見えたかな。逆にアーセナルはケイティ・マッケイブとマリオナ・カルデンテイを置いた左サイドから攻めれるシーンを何度か作れてた感じ。
86:03- ▶︎ アーセナルの保持からカルデンテイがボックスに侵入
基本的にアーセナルの保持が続く時間帯で、押し込んだ状態でパスを回しながら最終的にボックスまで侵入したシーン。ケイティ・マッケイブとキム・リトルと絡みながらマリオナ・カルデンテイの仕掛けからボックスに踏み込んだんだけど、ワンツーを使いながら入っていく感じはパリ・オリンピックでの日本戦でのスペインの得点シーンにちょっと似てたりもして、新シーズンのアーセナルでもけっこう見られそう? とか思ったり。
90:22- ▶︎ GKのキックからの展開で局面をひっくり返したチェルシーの前進
最後に後半から出場してたGKのハンナ・ハンプトン(Hannah Hampton)の素晴らしいキックとサンディ・ボルティモアからの展開で一気にボックスまで迫ったシーン。パス2本で局面をひっくり返してアーセナルの選手6人を置き去りにしちゃってるいわゆる'擬似カウンター'なんだけど、何と言ってもハンナ・ハンプトンの鋭いボールが素晴らしくて。実況者が思わず「リスキー」とか言っちゃってたりして、たしかに難易度は高くて再現性はけっこう低そうだけど、この時間帯でもこういうプレイを狙ってるってスタンス自体が素晴らしいな...とか思っちゃった。
"WSL Watch #095"で取り上げたワシントン・スピリット対アーセナル、"WSL Watch #096"で取り上げたNY/NJゴッサムFC対チェルシーと同じように、基本的にはいかにもPSMって感じではあったけど、だからこその面白さっていうか、いろいろな見どころがあった試合だったんじゃないかな。どっちのチームもそうだけど、上手くいった部分も上手くいかなかった部分もあったし、上手くいかなくてもやり続けた部分なんかもあっただろうし。選手の起用法とか組み合わせもそうだし、新戦力はもちろんだけど、今まではあまり観る機会がなかったような選手のプレイが観れたのもPSMならではの見どころだったし。
最後に試合自体以外の話をすると、この試合はワシントン・スピリットのホーム・スタジアムのアウディ・フィールドで行われたんだけど、実はこの試合の前にNWSLのワシントン・スピリット対カンザス・シティ・カレントも行われてて、最近はあまり聞かない用語な気がするけど野球で言うところのダブル・ヘッダーってことなんだけど、こういう仕掛けもちょっと面白かったかな。当日はけっこう暑そうに見えたけど、それでも入場者数は17,130人で、ワシントン・スピリットのホーム・ゲームでは歴代4位の記録だったんだとか。
試合前のセレモニー的なタイミングではワシントン・スピリットのオーナーのミシェル・カン(Michele Kang)も主催者っぽい立場で? 登場してたけど、ミシェル・カンっていえば、"WSL Watch #086"でも触れた通りリヨンとロンドン・シティ・ライオネセスのオーナーでもあって、チェルシーのソニア・ボンパストル(Sonia Bompastor)監督はチェルシーの前にリヨンを率いてたからもちろん親交は深いんだろうし、今回のチェルシーとアーセナルのUSツアーって企画自体にどのくらいコミットしてたのかまではわかんないけど、やっぱりすごく存在感が大きくなってるな...なんてことも感じたりして。
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