WSL歴代最多得点記録を持つフィフィアネ・ミデマー :: P2W018 :: WSL Watch #071
アーカイブ的な意味合いもあるかも? って思って気まぐれに量産体制に入った'P2W = person to watch(注目したい人)'シリーズの第18弾はアーセナルのオランダ代表FWのフィフィアネ・ミデマー(Vivianne Miedema)を。言わずと知れたスーパースター、WSLの歴代最多得点記録保持者であり、WSLはもちろんウィメンズ・フットボールを代表するスター選手なんだけど、今シーズン限りでアーセナルを離れることが発表されてかなり大きなニュースになってるんで。
驚異的な得点関与数を誇るアタッカー
いつもは「プロフィール的な部分は後回しにして、とりあえず、ざっくりとした印象を端的に言うなら」って感じで始めるんだけど、フィフィアネ・ミデマーに関しては、先に数字を挙げちゃったほうが早いかな。アーセナルで7年プレイして、172試合に出場して125ゴール+50アシストって記録を残してるんで。得点とアシストの数に合計を得点関与数なんて言ったりするけど、出場試合数の半分とかでも十分スゴイのに、試合数を超えちゃってるって、控えめに言っても、圧倒的で驚異的な数字って言っていいはず。
プレイの特徴としては、身長こそ177cmあるけど高さとかパワーを活かしたプレイが得意ってタイプじゃなくて、ダイナミックな動きの中でテクニックを発揮できるタイプ、適切なポジショニングと高いスキルで勝負するタイプって印象かな、基本的には。いわゆる典型的な9番タイプっていうよりも、特に最近は10番っぽいプレイの印象も強くて、でも、得点力も相変わらずものすごくあるって感じで。ただ、あまりパワーがないってわけじゃなくて、ボックス外からのパワフルなシュートもけっこう決めてたりするんだけど。身長は高いけどスピードもあるからスペースがあるカウンター局面でも脅威になるけど、狭いスペースでのプレイも上手いし。同じオランダ人だからか、男だけどロビン・ファン・ペルシ(Robin van Persie)とかマルコ・ファン・バステン(Marco van Basten)とかって名前が引き合いに出されることがけっこうあって、「細かい部分を見ればそっくりってわけじゃないけど、ファン・ペルシとかファン・バステンの名前を挙げたくなる気持ちはわからんでもないな」なんて思ったり。現役だとオランダ人じゃないけどニューカッスルのメンズ・チームのアレクサンダー・イサク(Alexander Isak)にもちょっと似てるかな、タイプとしては。
完全復活には至らなかったシーズンに
復帰までのプロセスを追ったドキュメンタリー、"STEP BY STEP"を"WSL Watch #025"でも紹介したけど、2022年の12月にいわゆるACL、前十字靭帯断絶っていう大きなケガを追って、復帰できたのが今シーズンが開幕してから、具体的には去年の10月23日の4節のブリストル・シティ戦で、オランダ代表にも復帰してるんだけど、ただ、その後も小さなケガもあったっぽくて、今シーズンに関してはリーグ戦の出場が8試合、スタメンは3試合しかなくて、トータルで260分のプレイで1ゴールに止まってて。唯一のゴールは1月29日の12節のリヴァプール戦でのゴールで、フィフィアネ・ミデマーらしい豪快なゴールだったとは思うけど、とてもじゃないけど完全復活を果たしたとは言えない状態だったかな、少なくとも今シーズンは。
クラブでも代表でも輝かしい実績を誇るスーパースター
改めてプロフィール的な部分も押さえとくと、フィフィアネ・ミデマーはオランダ代表のFWでアーセナルでは背番号11を付けてる。1996年7月生まれの27歳で出身はオランダのホーへフェーンで身長は177cmある。2011年に14歳でオランダのヘーレンフェーンと契約して15歳でデビューを果たして、2014年からはバイエルン・ミュンヘンでプレイしてリーグ優勝2回とUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ出場に貢献して、アーセナルでは2017年からプレイしてる。加入2年目の18/19シーズンに22ゴールで得点王に輝いてリーグ優勝に大きく貢献、19/20シーズンにも16ゴールで2年連続得点王になってるんで、近年のアーセナルの強さを牽引してきた存在って言っていいはず。
オランダ代表デビューは2013年ですでに100キャップを超えてて、118試合で95ゴールっていう驚異的なペースで点も取ってる。大きな実績としては、自国開催だった2017年のUEFAウィメンズ・ユーロでの優勝、2019年のFIFAウィメンズ・ワールドカップでの準優勝になるのかな、やっぱり。歴代最多得点記録を更新中って点も含めて、オランダ代表のアイコン的な選手って感じ。
移籍先はライバル・チームなんて噂も...
気になる今後の去就に関しては、もちろんシーズンがまで終わってない今のタイミングでは発表されてないんだけど、現地の報道とかジャーナリストのSNSの投稿とかではマンチェスター・シティが最有力になってるらしい。『BBC』の"Miedema to leave Arsenal at end of the season"って記事によると、基本的にはアーセナルが契約延長のオファーをしないって決断をして契約満了で退団、つまり、夏にはフリーになるってことらしくて、この記事でもマンチェスター・シティが興味を示してるってことにも触れてたりする。奇しくもACL案件で離脱しちゃってるけど、ジル・ロード(Jill Roord)とフィフィアネ・ミデマーのオランダ代表コンビが揃ったらかなり強力だし、本当に実現したらかなりインパクトがありそう。もちろん、詳しいことはシーズンが終わってからなんだろうけど。ともあれ、マンチェスター・シティかどうかはともかくとしても、他の国の強豪クラブだって狙ってておかしくないだろうし、でも、できれば今後もまだまだWSLで観たいな...っていうのが偽らざる本音かな。これだけスター性がある選手はなかなかいないし、年齢的にもまさに円熟期に入る時期だと思うし。
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