[別冊] 期待以上の熱戦になったUWCLのシティ対バルサをレビュー :: WSL Watch #116
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WSLそのものの話じゃないから'別冊'としてUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ(UWCL)の話を"WSL Watch #110"で書いたけど、MD1で行われたマンチェスター・シティ対バルセロナの試合が期待以上に面白かった、何なら、最近観た試合でもトップ・クラスで面白かったし、ちょっと大袈裟な表現を使っちゃうなら「現在進行形のウィメンズ・フットボールの最高峰って言っていいクオリティの試合だったんじゃね?」くらいに思っちゃったんで、マッチ・レビューっていうか、備忘として感じたことを書いておこうかな、と。ライブ配信時はDAZNに誘導する感じになってたんだけど、さっき確認したらYouTubeにフルマッチの映像が上がってたからクリップ機能も使いつつ。
▶︎ ハイライト:
▶︎ フルマッチ:
長谷川唯と山下杏也加がスタメンでUWCLデビュー
マンチェスター・シティのスタメンは以下の通り。メンバー的にいうと今シーズン加入したナオミ・レイゼル(Naomi Layzell)が右SBで起用されたのはちょっとサプライズっていうか、大抜擢だったって言っていいんじゃないかな。サブにレイラ・ウアハビ(Leila Ouahabi)もアラナ・ケネディ(Alanna Kennedy)もいるからライア・アレクサンドリ(Laia Aleixandri)をSB起用することもできたはずだし。普通に考えると何か明確な意図があってあえてナオミ・レイゼルを選んだってことになるはずだし、加入してからのプレイぶりを観てる限り、保持局面ではちょっと不安なところもあったから、基本的には非保持ってことになると思うんだけど。
あと、早くもチームに馴染んでる感じの山下杏也加もスタメンで、当然のようにスタメンの長谷川唯とともにUWCLデビューを飾ることに。加入してからの使われ方を見てれば山下杏也加のスタメン起用は驚きじゃないし、WSLでの実績ではキアラ・キーティング(Khiara Keating)のほうが上でも大きな舞台はたくさん経験してきてるし、特にスペイン代表選手が多いバルセロナ戦だから近年のスペイン代表とガチで対戦した経験が豊富な山下杏也加ってことになっても全然不思議じゃないし。
知ってる名前がずらっと並ぶバルセロナ
一方のバルセロナのスタメンは以下の通り。個人的には熱心にリーガFを追ってるわけじゃないし、最近のチーム事情とかは全然把握してないんだけど、それでもアレクシア・プテジャス(Alexia Putellas)とアイタナ・ボンマティ(Aitana Bonmatí)っていう2人のバロンドール受賞者はもちろん、スウェーデン代表のフリドリーナ・ロルフォ(Fridolina Rolfö)とかノルウェー代表のキャロライン・グラハム・ハンセン(Caroline Graham Hansen)とか、イングランド代表で元マンチェスター・シティのキーラ・ウォルシュ(Keira Walsh)とか、ウィメンズ・フットボールをそれなりに観てれば知ってる選手だらけのスター軍団って感じで。
あと、監督がホナタン・ヒラルデス(Jonatan Giráldez)からペレ・ロメウ(Pere Romeu)に代わって、何が変ってて何が変ってないのか、ちょっと注目だったかな、やっぱり。バルセロナ生え抜きらしいから、基本的な部分が大きく変わってるとは考えにくいけど。
ハイプレスで主導権を握ったシティ
試合後に両チームの監督も認めてたけど、基本的には前半はマンチェスター・シティ、後半はバルセロナのペースって感じの試合だったと思うけど、試合の立ち上がりでものすごく印象的だったのはマンチェスター・シティのインテンシティが高いハイプレス。実は男女問わず'保持型のチーム同士の対戦あるある'だと思うんだけど、保持局面に圧倒的な強みがあるチームが対戦したときって、実は非保持の振る舞いがキーになることがよくあると思ってるんだけど、この試合はまさにそんな感じで、具体的にはマンチェスター・シティのハイプレスが強烈で。日頃のリーグ戦の3割増しくらい? って思うようなインテンシティで、世界トップ・クラスの保持の質を誇るバルセロナをかなり苦しめてた。
安易な比較はナンセンスかも? とも思いつつ、実は最近のスペイン代表にも似たようなことを感じてたりするんだけど、バルセロナとかスペイン代表くらい保持の質が高いと、どうせ奪えないからハイプレスを諦めて撤退して守備陣形を整えて構えるチームが多いんだけど、実はアグレッシヴなハイプレスを受けるとちょっとバタつくみたいな現象は起こりがちで。パリ・オリンピックを総括した"WSL Watch #092"でもスペイン代表についてそんなことを書いたし、実はマンチェスター・シティにもちょっと似た傾向があると思ってるんだけど。やっぱり、いくらビルドアップの質が高くても強度が高いハイプレスを全部剥がせるわけじゃないし、上手くいかないシーンが何度か続くとバタついたりはするもんだし。その頻度がどれくらいかとか、掻い潜ったときに点を奪えるか引っかけられたときに失点するか、つまり、そこでゴールが生まれるかどうかが当然試合の流れを大きく左右するんだけど。
実際に60分になるちょっと前くらいのタイミングで保持率とプレイエリアをチェックしたんだけど、40%:60%くらいでバルセロナが保持してる展開だったにも関わらずバルセロナのゴールに近いエリア1/3が47%でミドル・サードが34%でマンチェスター・シティのゴールに近いエリア1/3が19%って数字で。つまり、マンチェスター・シティはボールは保持できてなくてもバルセロナを前進させずに自陣に閉じ込めてる時間が長かったってこと。つまり、少なくともそのくらいの時間帯までは非保持でバルセロナを苦しめてたって言えるはず。前半の保持率も42:58だけどシュート数は11:4だったし。
マンチェスター・シティ的には相当エネルギーを使って前半を闘ってたし、正直なところ、「これだけエネルギーを使って、チャンスも作れてて、点が取れないと後半厳しくなりそうだな」って思って観てた感じだったかな。だからこそ、前半の内に先制できたのはものすごく大きかったんだけど。
前半の気になったその他のポイントは...
前半の細かい部分を見ていくと、まず試合開始から3分くらいで長谷川唯に2本パスを通した山下杏也加のプレイにビックリしたかな。GKからのビルドアップで、CMFにパスを通せれば一番いいんだけど、当然、相手は一番警戒してるし。しかも、真ん中のレーンだから失ったらものすごく危険なんだけど、そこに立ち上がりに2本パスを通してて。もちろん、出す選手と受ける選手の技術も必要なんだけど、それ以上にメンタルが強いな、と。もうちょっとビビってもよさそうなもんっていうか。マンチェスター・シティのメンズ・チームのブラジル代表GKのエデルソン(Ederson)を尊敬してるから背番号31を選んだって話も納得って感じで。
▶︎ 山下杏也加→長谷川唯のパスから始まったシティの前進
その後も、20分にCFWのカディジャ・ショウ(Khadija Shaw)まで中距離のパスも通して、最終的にジェス・パーク(Jess Park)のクロスにフィフィアネ・ミデマー(Vivianne Miedema)が突っ込むシーンに繋がったし、35分にも近い選手が塞がれた状況で下りてきたフィフィアネ・ミデマーに上手くパスを通してたし、自陣で幅を取ったSBへの中距離のパスなんかも含めて、ディストリビューションはすごく安定してた印象だったし。前半終了間際に1回だけ危なっかしいキックがあったけど。
▶︎ 山下杏也加の見事なディストリビューション
とはいえ、最初のチャンスを作ったのはバルセロナで。相手陣内のボックス近辺でマンチェスター・シティがボールを失って、そこからのトランジション局面でアイタナ・ボンマティを経由してキャロライン・グラハム・ハンセンまで運ばれて、カットインからアレクシア・プテジャスに展開されて、斜めにボックスに侵入してきたキャロライン・グラハム・ハンセンに流し込まれてシュートがゴールポスト直撃ってシーンをいきなり作られて、「やっぱりバルサはいとも簡単に前進してボックスまで踏み込んでくるな」っていうか、「わかってたつもりだけど、やっぱり上手いな」って感じだったかな、このシーンは。
▶︎ シティのボール・ロストから始まったバルサの最初のチャンス
バルセロナは基本的には4-2-3-1だったのかな? ただ、左SBのオナ・バトレ(Ona Batlle)が保持時には横幅を担当して、左WGのアレクシア・プテジャスが内側のレーンに絞る3-4-2-1に可変するようなシステムだったっぽくて、リーグ戦を観れてるわけじゃないから日頃からこういう運用なのかはわかんないけど、このサイドの守備のことを考えてナオミ・レイゼルの右SB起用だったのかな? とか思ったり。実際に守備で奮闘してたし。
マンチェスター・シティのハイプレスはWGがSBへのパス・コースを消しながらCBに出る、いわゆる'外切り'のプレスが多いんだけど、この試合ではバルセロナが3-4-2-1に可変してる感じだったからWGとCFWがそのまま相手の3バックに出るようなカタチが基本だったかな? バルセロナのCMFも積極的に捕まえにいってたし。その中で光ったのはローレン・ヘンプ(Lauren Hemp)とジェス・パークで、プレスをかけるときに物理的な速さと強度でかなりバルセロナの脅威になってた印象。もちろん、保持局面でも力を発揮するんだけど、こういうスタンスで試合を進めるときのこの2人はものすごく頼りになるっていうか、存在感はちょっと際立ってたかな。あと、忘れちゃいけないのは長谷川唯。予測とポジショニングの良さなんだろうけど、セカンド・ボールの回収とかインターセプトとかボールを奪った後のサポートとか保持を落ちつかせる繋ぎとか、やっぱりさすがのプレイぶりで。ハイプレスで試合を進めるこの日のマンチェスター・シティをピッチの中央で支えてた感じだったかな。
お互いに保持型でハイプレス志向って意味では似てるんだけど、ラインの裏へのランニングの意識って点ではマンチェスター・シティのほうがちょっとダイレクト志向っていうか、積極的に相手のDFラインの裏に走ってた印象かな。改めて確認してみたら14分に右サイドでカディジャ・ショウが裏に抜け出して自ら突破してクロスを入れてフィフィアネ・ミデマーのシュートがブロックされたシーンも、実は起点はナオミ・レイゼルからのボールだったりしてたし、オフサイドになっちゃったけど21分にもナオミ・レイゼルから裏に抜けたカディジャ・ショウへのグラウンダーのスルーボールがあったし。あと、16分のローレン・ヘンプのシュートがゴールポストを直撃したシーンも、ある意味でものすごくマンチェスター・シティらしい攻撃だったんだけど、右CBのライア・アレクサンドリから右インサイドMFのジェス・パークがハーフスペースでボールを受けて右WGのメアリー・ファウラー(Mary Fowler)に展開して内側にちょっとドリブルで運んだときに、パスを出したジェス・パークだけじゃなく奥のカディジャ・ショウも裏にランニングしてて、ジェス・パークはオフサイドっぽかったんだけどカディジャ・ショウはオンサイドの位置から抜け出してて、カディジャ・ショウのクロスがフィフィアネ・ミデマーには合わなかったけどファーに詰めてたローレン・ヘンプのシュートって流れだったし。
▶︎ レイゼルの裏へのフィードから生まれたシティのチャンス
▶︎ シティの裏へのランニングから生まれた決定機
もちろん、試合の流れを変えたビッグ・プレイって意味では、19分のライア・アレクサンドリのシュート・ブロックは大きかったんだけど。マンチェスター・シティがバルセロナのハイプレスを受けてて、フィフィアネ・ミデマーの山下杏也加へのバック・パスがちょっと弱くて、ボックス内でエヴァ・パジョール(Ewa Pajor)にボールを奪われて、山下杏也加と入れ替わってGKのいないゴールにシュートを打たれたんだけど、ライア・アレクサンドリが戻ってカバーしてくれて。慌ててファールとかしなかった山下杏也加も冷静だったと思うけど、この時点では0-0だったことを考えても、ここで点が入るか入らないかはその後の試合の流れを大きく左右したはずなんで、この試合でも最も大きなプレイのひとつだったって言えるんじゃないかな。
▶︎ アレクサンドリのゴール・カバーからのシュート・ブロック
前半でもうひとつビッグ・プレイを挙げるなら、35分のジェス・パークのシュート・シーン。このシーンもハイプレスで相手陣内でボールを奪ったところからスタートしてるんだけど、CBまで戻してから左サイドでローレン・ヘンプとのコンビネーションで左SB起用のカースティン・カスパライ(Kerstin Yasmijn Casparij)が抜け出して、ハーフスペースのフィフィアネ・ミデマーが繋いで、後方からボックスに侵入したジェス・パークが打ったシュートをバルセロナのGKのカタ・コル(Cata Coll)が右手1本で見事に止めたんだけど、一連の流れはこの試合のマンチェスター・シティの良さが見事に出てたんじゃないかな。しかも、待望の先制点もこのセーブの後のCKから生まれたし。まさかナオミ・レイゼルが決めるとは本人でも思ってたなかったと思うけど、ニアにカディジャ・ショウが入ってファーのフィフィアネ・ミデマーが折り返すカタチは今シーズンのマンチェスター・シティならではって言えるのかも。
▶︎ シティらしい攻撃からの決定機とCKからの先制点
あと、この試合のDAZNの配信の解説は元選手のコートニー・スウィートマン・カーク(Courtney Sweetman-Kirk)だったんだけど、早い時間帯にマンチェスター・シティのフィフィアネ・ミデマーとローレン・ヘンプが強めの接触でファールを取られたときに、「WSLとUWCLではレフェリーのジャッジがちょっと違う」とか言ってて、「男女問わずそういう、やっぱりそういう認識なんだな」なんてちょっと思ったり。
要所でアイタナ・ボンマティとかアレクシア・プテジャスとかキャロライン・グラハム・ハンセンの上手さと怖さは光ってたけどわり単発って印象で、基本的にはマンチェスター・シティのアグレシッブなスタンスがバルセロナの良さを抑え込めてた感じだったかな、前半を通じて。
バルセロナが押し戻した後半のポイントは...
試合後に振り返るとバルセロナが後半は押し返したって印象で、それはそれで間違ってないと思うけど、実は後半の立ち上がりはまだマンチェスター・シティのペースで、FKからフィフィアネ・ミデマーの惜しいヘディング・シュートがあったりもしたし、バルセロナはなかなか上手く前進できない問題は続いてて。前述の保持率とプレイエリアを60分頃に確認したのも、その時間帯まで前半とそれほど印象が変わらなかったからだし。ただ、このインテンシティで最後まで保つとは思えないから、できればもうちょっと保持でコントロールする時間を長くしたいし、理想を言えば早めに追加点が欲しいな...って思いながら観てたんだけど。
ただ、改めてチェックしてみたら、54分にアレクシア・プテジャスのシュートをライア・アレクサンドリがブロックしたシーンがあって。GKからのビルドアップから始まってるんだけど、GKから下りてきたアイタナ・ボンマティに見事にパスを通されてマンチェスター・シティの選手5人が置き去りにされて、ターンして運んだアイタナ・ボンマティに長谷川唯が並走してローレン・ヘンプもスプリントで戻るんだけどキャロライン・グラハム・ハンセンに展開されて、もう1回アイタナ・ボンマティとのワンツーでキャロライン・グラハム・ハンセンに抜け出されてクロスからアレクシア・プテジャスにシュートを打たれてて。GKからアイタナ・ボンマティに簡単にパスを通されてターンされて運ばれるシーンはここまではあまりなかったし、ちょっとした油断だったのかもしれないけど、この辺りから運動量的にも厳しくなっても不思議じゃないし、バルセロナがペースを握り出してた感じだったのかも。
▶︎ バルサがGKからの見事なビルドアップで作ったプテジャスの決定機
このくらいの時間帯からもうひとつ変わったことがあって、それはマンチェスター・シティのビルドアップが上手くいかなくなった、逆に言えば、バルセロナのハイプレスがハマりだしたってことがあって。どっちが原因でどっちが結果なのかは何とも言えないし、前半からハイ・ペースでプレイしてきたマンチェスター・シティ側のスタミナの問題もあったのかもしれないけど、とにかくマンチェスター・シティが上手く前進できなくなって、結果的に自陣からなかなか出れない展開になって。59分に自陣でカディジャ・ショウがボールを失ったところからの流れでアイタナ・ボンマティが打ったシュートを山下杏也加が止めたシーンなんかは典型例だったと思うけど。このシュートはコースも軌道もかなり際どくて、山下杏也加がよく止めてくれたっていうか、これが入ってたらその後がどうなってたかわからないって意味では、この試合の山下杏也加の守備の面での一番のビッグ・プレイだったかも。こぼさずにキャッチしたのも大きかったし。
▶︎ ボンマティの見事なシュートと山下杏也加の好セーブ
60分過ぎくらいからは、自陣で耐えながら時計を進めて隙あらばカウンターのチャンスを狙うマンチェスター・シティと交代選手も使いながら圧を強めるバルセロナって感じの構図になっちゃったかな、さすがに。マンチェスター・シティが安定した保持の局面を作れたのは何回かしかなかったし。ほとんどの時間を守備に追われる感じで。ただ、実はマンチェスター・シティの追加点が生まれるのはその数少ない何回かの内の1回からで、起点になったのはアレックス・グリーンウッド(Alex Greenwood)のちょっと難易度が高いパスをローレン・ヘンプが上手く収めたプレイで、厳しいハイプレスを受けてかなり危なっかしい保持だったんだけど、何とかナオミ・レイゼルまで上手く展開して、オフサイドかかなり際どいタイミングで裏抜けしたカディジャ・ショウに絶妙なボールを落としたことで生まれたんだけど。
▶︎ シティの数少ない保持局面から生まれた大きな追加点
ナオミ・レイゼルからカディジャ・ショウってカタチは前半にも何度かあって、この試合を通じて狙ってたんだろうけど、この大事な場面で見事に出せて、もちろん、パスを受けた後のカディジャ・ショウのプレイも抜群に上手かったんだけど、このゴールはさすがにものすごく大きかったかな。
こうなるとさすがのバルセロナでもどんどん焦りが出てきた感じで。マンチェスター・シティはここまで選手交代を使ってなかったんだけど、ジル・ロード(Jill Roord)を入れて、藤野あおばも入れて、最後にはアラナ・ケネディも入れて逃げ切ったって感じで。個人的には、藤野あおばが入ったタイミングで「クロエ・ケリー(Chloe Kelly)じゃなくて藤野あおばなんだな」なんてちょっと思ったりもしたけど。この試合のこの展開でこの時間帯に使われるってことは、かなり信頼されてるってことだと思うんで。
この試合の結果だけで何かの結論が出るわけじゃないっていうか、別にバルセロナがひどかったとも思わないし、むしろ、やっぱり普通に質が高かったし、あくまでもグループ・ステージの初戦だし、マンチェスター・シティだって力があるチームだから、別に'ジャイアント・キリング'とか'快挙'とかって類の結果じゃないと思うけど、それでも、久しぶりのUWCLで昨シーズンのチャンピオンに勝てたこと、しかも、内容的にもかなり勇敢に闘って勝ったってことはマンチェスター・シティにとってすごく大きかったってのは間違いないんじゃないかな、やっぱり。もちろん、MD6のアウェイでの対戦もものすごく楽しみになったし。
あと、マンチェスター・シティとバルセロナだからこそ、良くも悪くもこういうタイプの試合になったってことも言える気がしたり。特にこの試合のバルセロナのメンバーを見ると、いわゆる'理不尽'系の選手、ものすごく速いとかものすごく強いとかものすごく高いみたいな選手はあまりいなくて、むしろ、マンチェスター・シティのカディジャ・ショウのほうがよっぽど理不尽だったりして、でも、マンチェスター・シティはわりと理不尽系に弱かったりするんで。そういう理不尽な選手がいるようなチームとの対戦だと、また違った様相を呈するんだろうな…とか思ったり。
この試合にまつわるその他のトピックもチェック
最後にこの試合にまつわるいろいろなトピックを。この試合はチケットがソールド・アウトって事前に報道されてたんだけど、実際の入場者数は5,508人でミッドウィークの夜にも関わらずジョイー・スタジアムの最多記録を更新したんだとか。やっぱり、バルセロナの人気の影響もあったのかな? とかちょっと思ったり。
そういえば、バルセロナがUWCLのグループ・ステージで無得点に終わったのはこの試合が初めてだったんだとか。
あと、最後にひとつ、DAZNのYouTubeのアカウントにこの試合のフルマッチのアーカイブが残ったってことはけっこうな朗報なんじゃないかって気がしてる。実はライブでは試合の前振り部分だけYouTubeでも配信されてたんだけど、試合が始まったら音だけになって画面は以下のキャプチャのような表示になって、「試合を観たいならDAZNでアカウントを作ってくれれば無料で観れるよ」ってことなんだけど、気持ちはわかるけどちょっと意地悪だな…なんてちょっと思ったりしてたんで。もちろん、全試合をYouTubeで配信するわけじゃなく、他の試合も観るならとりあえずアカウントを作らせるって施策の意図はわかるんだけど。
ただ、なんでこの試合のフルマッチのアーカイブがYouTubeに残るのが朗報だと思うかっていうと、今のウィメンズ・フットボールの最先端っていうか、最高峰っていうか、ものすごくレベルの高い試合の最高のサンプルなんじゃないかな? って思ったから。DAZNのプラットフォーム内だとフルマッチが観れる期間が限定されるし、やっぱり観やすさでは圧倒的にYouTubeだと思うし。現在進行形のウィメンズ・フットボールのプレゼンテーション資料として、いつでも気軽に観れるYouTubeってプラットフォームに、最高レベルの試合の映像があるってことはけっこう大事なことなんじゃね? って。そういう意味で、DAZNがこの試合のフルマッチ映像を改めてアップロードしてくれたのは率直にすごくありがたいし素晴らしいな、と。
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