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下位が混戦に!! WSLの24/25シーズンの5〜8節の動きをチェック :: 24/25TW06-08 :: WSL Watch #127

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代表ウィークのタイミングでそこまでの期間のリーグ戦の順位と各チームの動きを振り返る'Table Watch = TW'の第2弾、1節〜5節を振り返った"WSL Watch #118"に続く6節〜8節分を。8節なんでシーズンの1/3ちょい終わったってことになる。今回の対象は3試合だけだけど、わりといろいろ動きがあったっていうか、個人的にはけっこう見えてきたことがあった気がしてるかな。

今回の代表ウィークはちょっとトリッキーなスケジュール

まず、本題に入る前の前提として今回の代表ウィーク周辺のスケジュールはちょっとイレギュラーになってるって点について。11月16日・17日の週末に8節があって、その直後のミッドウィークにUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ(UWCL)のMD4があって、その後の週末の11月23日・24日はリーグ戦じゃなくリーグ・カップの試合があってから代表ウィークに入って、9節が行われるのが12月8日って感じになってる。つまり、UWCLに出てるチェルシーとマンチェスター・シティとアーセナルはミッドウィークのUWCLのMD4を終えたら9節まで2週間以上間隔が空くってこと。さらにイレギュラーなのは、延期されてたリーグ戦3節のチェルシー対マンチェスター・ユナイテッドがこの期間に消化されてて、チェルシーはミッドウィークのUWCLの後の週末の11月24日に未消化分のマンチェスター・ユナイテッド戦をやってて、マンチェスター・ユナイテッドは週末じゃなくミッドウィークにリーグ・カップのエヴァートン戦を前倒しで消化してから週末にチェルシー戦をやってて。しかも、今回の代表ウィークは国によって活動にバラつきがあるっていうか、ヨーロッパの国なんかは来年のUEFAウィメンズ・ユーロに向けた準備に入ってる感じだけど、昨年のFIFAウィメンズ・ワールドカップと今年のオリンピックを終えたばかりで次の監督も決まってない日本代表は活動自体がなかったりして。マンチェスター・シティの長谷川唯みたいにフル回転で試合に出続けてた選手はちょっと休めるタイミングがやっとできたって感じかもしれないけど。ともあれ、11月23日・24日の週末を終えたタイミングでリーグ戦の消化試合数が並んでわかりやすくなったんだけど。

ちなみに、WSLとは直接的な関係はないけど今回の代表ウィークではイングランド代表がウェンブリーでエマ・ヘイズ(Emma Carol Hayes OBE)前チェルシー監督率いるオリンピック金メダリストのアメリカ代表と対戦することになってて、11月21日の時点で前売りチケットが80,000以上売れてるんだとか。

基本的にはどこの国も今回の代表ウィークは親善試合なのかな? オーストラリア代表はブラジル代表とやるみたいだし。次期監督が決まってない日本代表は活動自体がないっぽいけど。

未勝利のチームがなくなって下位はダンゴ状態に

で、"WSL Watch #118"で振り返った5節終了時点の暫定のテーブルと最新の8節終了時点のテーブルは以下の通り。

5節終了時点の暫定テーブル
8節終了時点のテーブル

この期間の結果で注目すべきトピックは勝ちなしのチームがなくなって下位が混戦になったってことかな。直近の8節に勝ちなしだったアストン・ヴィラがクリスタル・パレスとの撃ち合いを制して、マージーサイド・ダービーでエヴァートンがリヴァプールに勝って。結果的に勝点9で6位のリヴァプールから勝点5で最下位のクリスタル・パレスまでの勝点差が4、しかも、下位3チームが同勝点で並んでるって混戦に。ちなみに、昨シーズンの8節終了時点の下位チームの勝点は最終順位が9位だったブライトン&ホーヴ・アルビオンが勝点7、10位だったレスター・シティが勝点8、11位だったウェスト・ハム・ユナイテッドと降格したブリストル・シティは勝点4だったんで、昨シーズンより明らかに拮抗してる感じになってる。

この期間の3試合で得られる勝点は最大で9、未消化分の試合も含めて4試合あったチェルシーとマンチェスター・ユナイテッドは最大で12ってことになるけど、チェルシーが全勝で勝点12/12を上積みしてるんでもちろん最多。2番目に多いのがアーセナルの7/9、次いでマンチェスター・シティとブライトン&ホーヴ・アルビオンの6/9、マンチェスター・ユナイテッドって5/12って感じ。マンチェスター・ユナイテッドは4試合だったから得られる勝点の半分以上を稼いだのはチェルシーとアーセナルとマンチェスター・シティとブライトン&ホーヴ・アルビオンの4チームってことになる。

見応え十分だったマージーサイド・ダービー

この期間に行われた全19試合からベスト・マッチを選ぶなら、あえて8節のグディソン・パークでのマージーサイド・ダービー、エヴァートン対リヴァプールを挙げたいかな。もちろん、純粋にクオリティだけを考えるならチェルシー対マンチェスター・シティなんだろうけど、"WSL Watch #126"ですでにレビューしたし、それ以上に、今回のマージーサイド・ダービーはすごくマージーサイド・ダービーらしかったっていうか、観てて「男女の違いはあっても、やっぱりグディソン・パークでのマージーサイド・ダービーってこういう感じになるんだな」って思っちゃう感じだったんで。メンズ・フットボールのマージーサイド・ダービーって、特に近年はリヴァプールが常に優勝を争う強豪でエヴァートンは危うく降格の危機? みたいなシーズンが多いって力関係で、でも、グディソン・パークでリヴァプールを迎え撃つときのエヴァートンは一筋縄ではいかないっていうか、「通常の3割り増しくらいなんじゃね?」って感じで、リヴァプールにとっては面倒くらいことこの上ないのがグディソン・パークでのマージーサイド・ダービーだったんだけど、この試合もまさにそういう感じで。現状の力関係を考えてもそうだし、試合の内容としてもリヴァプールが終始優勢だったって言っていいと思うし、実際にSofaScoreでスタッツとかアタッキング・モメンタムとかを確認しても概ね観てた印象通りだったし。結果としては、奇しくも長野風花が林穂乃香を倒してファールを取られたんだけど、実はリプレイで観ると明らかにボックスの外で、そのPKが決勝点になっちゃったんだけど。別に林穂乃香が上手くファールをもらったって感じでもなかったし、長野風花もボックスの外ってわかっててアプローチしてたように見えたから、長野風花にはちょっと気の毒な感じだったかな。逆に林穂乃香の積極性が運を呼び込んだって言えるのかもしれないけど。ただ、試合全体としてはエヴァートンが勇敢に闘いながらソリッドに守れてたし、リヴァプールも昨シーズンから継続してる部分は出せてたし、中盤で林穂乃香と長野風花のマッチアップが多かった点も含めて、試合後にいろいろ議論になる感じもいかにもダービーって感じな気もするし、期待以上の内容だったんじゃないかな。

▶︎ ハイライト

▶︎ フルマッチ

盤石の強さを見せるチェルシーが独走状態に?

上位を見えると、とりあえず、チェルシーの強さが際立ってる。UWCLも含めて公式戦全勝で、リーグ戦の1巡目はあと3試合残ってるけど"WSL Watch #126"でレビューした通りマンチェスター・シティとの6ポインターも終わってるし、アーセナル戦もマンチェスター・ユナイテッド戦も終えてて全勝なんで、ここまでは文句なしの結果って感じ。長年チームを率いてきたエマ・ヘイズ前監督からソニア・ボンパストル(Sonia Bompastor)監督に代わったり、絶対的なエースのサム・カー(Sam Kerr)がまだ復帰できてなかったり、ローレン・ジェイムズ(Lauren James)もあまり出場できてなかったりするにも関わらず…って点を考えても、実際の試合を振り返っても「内容はあまり良くなかったけど…」って思うような試合があんまりない、強いて挙げるなら開幕戦のアストン・ヴィラ戦? って感じで、結果も内容も文句なしのシーズン序盤って言っていいんじゃないかな。"WSL Watch #126"で書いた通り、今後は「どこがチェルシーから勝点を削るのか」って感じのシーズンになりそう。

最大のグッド・サプライズは引き続きブライトン

今シーズン序盤のグッド・サプライズはもちろん1試合平均勝点2のペースで8試合を終えたブライトン&ホーヴ・アルビオンってことになる。サッカーのリーグ戦の一般論として「1試合平均勝点2を上回れば上位〜優勝争いができるけど、1試合平均勝点1を下回ると残留争いに巻き込まれやすい」くらいのざっくりとした目安があると思うんだけど、今シーズンのブライトン&ホーヴ・アルビオンは見事に上位〜優勝争いしてても全然おかしくないペースで勝点を稼げてるってことなんで。しかも、戦績を見ても5勝1分2敗で負けた相手がマンチェスター・シティとアーセナル、引き分けたのがマンチェスター・ユナイテッドっていうのもすごくわかりやすいし。上位以外にはしっかり勝ててる感じで。ダリオ・ヴィドシッチ(Dario Vidošić)新監督を迎えて、10人以上の大型補強を敢行したシーズンなんだけど、基本的な印象は1節〜5節を振り返った"WSL Watch #118"の'24/25TW01-05'から変わってない、シーズン開幕当初から一貫したフィロソフィーを持って迷いなく闘えてるって感じかな。もちろん、結果が出てるから変える必要はないし、むしろ、より強い信念を持ってやれてるって感じなんだろうけど。

暫定監督体制ながら復調したアーセナル

4節が終わったタイミングでヨナス・エイデヴァル(Jonas Eidevall)監督を(実質的に)解任してレネー・スレガース(Renée Slegers)暫定監督で闘ってるアーセナルはとりあえず復調したって言っていいのかな。マンチェスター・ユナイテッドには引き分けたけど内容としては圧倒してたし、好調のブライトン&ホーヴ・アルビオンには5-0、昨シーズンは不覚を取ったトッテナム・ホットスパーとのアウェイでのノース・ロンドン・ダービーも3-0で完勝だったし。エースのアレッシア・ルッソ(Alessia Russo)の得点がイマイチ増えてきてないのがちょっと物足りないけど、フリーダ・マーナム(Frida Maanum)とかケイトリン・フォード(Caitlin Foord)が好調だったり、交代出場が多いスティナ・ブラクステニウス(Stina Blackstenius)だったりケガから復帰したリナ・ハーティグ(Lina Hurtig)だったり、いろんな選手が点を取ってる印象で。UWCLもMD4のユヴェントス戦はけっこう苦しんだけど無事にMD4までで勝ち上がりは決められたし。

アーセナルに関してはやっぱり監督人事が気になるところ。1節〜5節を振り返った"WSL Watch #118"の'24/25TW01-05'でもちょっと触れた現ニュー・ヨーク・シティFC監督のニック・クッシング(Nick Cushing)に関しては、ちょうど11月23日にメジャー・リーグ・サッカー(MLS)のプレイオフのカンファレンス・セミファイナルでニュー・ヨーク・シティFCが負けちゃって、11月26日に退任('解任'って論調の報道もあるけど)が発表されたところだから、動きがあるならこれからなのかもしれないけど。

大一番で痛い敗戦を喫したマンチェスター・シティ

順調に勝点を積み上げてるマンチェスター・シティはやっぱりチェルシーとの直接対決で負けちゃったのが痛いすぎる感じかな。チェルシー戦に関しては"WSL Watch #126"でレビューしたからここでは細かくは触れないけど、他の試合も含めてプレイの内容自体は相変わらず安定してるし。もちろん、フィフィアネ・ミデマー(Vivianne Miedema)とローレン・ヘンプ(Lauren Hemp)のケガみたいな不安要素も出てきてるけど、とりあえず、年内はリーグ戦2試合を乗り切ればウィンター・ブレイクだし、UWCLもMD4までで勝ち上がりは決めたし、チェルシー戦以外は問題ないって言えそうだけど、だからこそ、チェルシー戦の敗戦は痛かった感じ。

マンチェスター・シティっていえば、ちょっと興味深い話があって、それはメアリー・ファウラー(Mary Fowler)が今回の代表ウィークではオーストラリア代表には参加しないけどオーストラリアには帰って家族と過ごすことにしたって発表されたこと。『ザ・ガーディアン』の記事によるとメンタルとフィジカルの疲弊が理由らしいんだけど、個人的にはこういう感じで代表を辞退するってもっとあっても全然いいんじゃね? って思ってて。

ちなみに、今回の代表ウィークではオーストラリア代表はブラジル代表と台湾代表とホームで親善試合が組まれてて、まだサム・カーが復帰できないオーストラリア代表ではメアリー・ファウラーはアイコン的な人気選手の1人ではあるんだけど、それでもこうやってきちんと自分の意見を表明して理解を求めながら休養を取るって、男女問わず日程が異常に過密になってるサッカー界ではもっと普通になっていい気がしてる。それこそ、長谷川唯なんか、ちょうど8節のチェルシー戦でマンチェスター・シティでのリーグ戦50試合出場だったんだけど、マンチェスター・シティのスタッツに関するSNSアカウントのポストによるとリーグ戦50試合出場ってだけじゃなく50試合連続出場だった、つまり、22/23シーズンの移籍期限ギリギリに加入して3節で初出場してから2年以上連続で出場してるってことらしくて。ちなみに、マンチェスター・シティの連続出場記録としてはステフ・ホートン(Steph Houghton)の59試合とエレン・ホワイト(Ellen White)の56試合に次いで歴代3位らしくて、何かトラブルがなければ今シーズン中に抜いちゃう可能性があるんだけど、この50試合の間に何回代表に参加してて、どれくらいの距離を移動してて、何試合に出場してるかを考えるだけでゾッとしちゃうし。ただでさえ、アジアの選手は移動距離も長ければ時差も大きいわけで。幸いにも今回の代表ウィークは日本代表の活動はないみたいだから、もちろん藤野あおばも山下杏也加もだけど、長谷川唯に休養が与えられるのはマンチェスター・シティにとってかなりの朗報なんじゃないかな。

評価が難しいマンチェスター・ユナイテッド

1節〜5節を振り返った"WSL Watch #118"の'24/25TW01-05'では負けなしで上々のスタートを切れてた印象があったマンチェスター・ユナイテッドだけど、6節〜8節+未消化分の試合の4試合に関してはちょっと失速した感じなのかな。レスター・シティには快勝したけどアーセナルとアストン・ヴィラとは引き分けてて、未消化分のチェルシーにも負けて1勝2分1敗だったんで。試合内容に関してもやっぱりそれほど印象が変わってないっていうか、正直なところ、チームの取り組みとして何かが際立ってるように見えない感じだし、すごくいいわけでもすごく悪いわけでもないっていうか、どう評価したらいいのか、なかなか難しい感じがしてる。個別の選手に目を向けると、GKのファロン・タリス・ジョイス(Phallon Tullis-Joyce)が相変わらずハイ・パフォーマンスを維持してるのに加えて、ベテランのドミニク・ヤンセン(Dominique Janssen)の存在感が個人的にはけっこう気になってるかな。夏の移籍についてまとめた"WSL Watch #085"でもちょっと触れたけど、ドミニク・ヤンセンはヴォルフスブルクから加入した29歳のオランダ代表DFだけどマンチェスター・ユナイテッドでは主にCMFで起用されてて、主に守備面で力強いプレイを見せてて。2列目より前のタレントを活かすために地味だけど大切なタスクを担ってる感じで。

ちょっとネガティブなニュースとしては中心的な存在のエラ・トゥーン(Ella Toone)が負傷離脱したことがあるけど戦力はそれなり以上に揃ってるし、サポーターからの評判があまり良くないっぽいマーク・スキナー(Marc Skinner)監督の腕の見せどころ? とか、宮澤ひなたの序列にも影響があるかも? とか思いつつ、上位についていけるかどうかって位置にいるって感じなのかな、マンチェスター・ユナイテッドの現状としては。

数字も内容も拮抗してる中位以下の争い

現段階で勝点が2桁を超えてるのが5位のマンチェスター・ユナイテッドまでなんで、そこから下が中位以下って言えると思うけど、勝点9で6位のリヴァプールから勝点5で最下位のクリスタル・パレスまで勝点差が4しかなくて、中位と下位が分けられないくらいの混戦になってる。

6位のリヴァプールに関してはやっぱりマージーサイド・ダービーを落としたのが痛かったかな。個人的には内容はそれほどネガティブだとは思ってないんだけど。躍進した昨シーズンの非保持のベースを活かしつつ保持の部分にも手を付けてる感じだし、若くて楽しみなタレントもいるし。マージーサイド・ダービーの敗戦までアウェイで8戦負けなしだったらしいし。ただ、今回の代表ウィーク明けの年内の2試合がマンチェスター・ユナイテッド戦とアーセナル戦で、ここで勝点を取れないと下の順位に巻き込まれかねないから、そこがちょっと正念場になりかもしれないかな。

昨シーズンは好印象を残した7位のトッテナム・ホットスパーもなかなか評価が難しい感じ。6節〜8節の3試合ではマンチェスター・シティとアーセナルに完敗してるけど、この2チームに関してはある程度仕方ない感じもあるし。実はここまでにリーグ最多の21失点してたりする部分がちょっと気になるけど、それでも中位以下のチームでは唯一得点が2桁を超えてたりして、試合内容も決して悪い感じじゃないし、選手のケガなんかもちょいちょい出てるけど、粘り強く闘いながらチーム力の底上げに取り組んでる感じなのかな。

評価が難しいっていえば、8節のクリスタル・パレス戦でようやく今シーズン初勝利を挙げて順位を8位まで上げたアストン・ヴィラもイマイチ摑みどころがない感じ。負けたリヴァプール戦なんかは典型的だったけど、内容は全然悪くなかったりするんで。上位に喰らいつくのは難しそうだけど、中位の上に行くことは全然できそうなポテンシャルはありそうに見えるかな。

1節〜5節を振り返った"WSL Watch #118"の'24/25TW01-05'で'緊急事態'なんて書いたエヴァートンだけど、しぶとく闘いながら勝点を拾ってるって感じ。もちろん、マージーサイド・ダービーで初勝利を挙げられたのがものすごく大きかったんだけど、試合の内容を見ても決してネガティブな印象はなくて。さすがに3得点・13失点っていう数字は厳しいんだけど、中盤に長期離脱選手が複数出ちゃったチーム事情を考えると全然闘えてるって言えるんじゃないかな。

勝点5で並んでる3チームの中では、個人的に一番よくわからないのがレスター・シティだったりする。1節〜5節を振り返った"WSL Watch #118"の'24/25TW01-05'でも「まだかなり手探りって感じ」って書いたけど、その状態が継続中に見えるっていうか。攻撃の中心的な役割を担うと思ってたユッタ・ランタラ(Jutta Rantala)とノエミー・ムション(Noémie Mouchon)がケガで離脱しちゃってたりする影響もあると思うんだけど。本来はCMFのルビー・メイス(Ruby Mace)と宝田沙織がCFW起用されてる試合もあったりして。現状は8試合で2得点・8失点で、失点数だけ見れば上位にいてもおかしくないレベルで守れてるけど得点数はさすがに厳しいし、まだまだ手探りって感じの闘いが続いちゃいそうかな。ウェスト・ハム・ユナイテッドとクリスタル・パレスに関しては、個人的には「もっと苦しむかも?」って思ってたからけっこう健闘してるって印象だったりするかな。特にクリスタル・パレスは試合の内容も含めて全然ネガティブな感じはないし、ブライトン&ホーヴ・アルビオンほどじゃないけど今シーズンのグッド・サプライズって言っていい気がする。

大事な試合で素晴らしいパフォーマンスを見せた浜野まいか

6節〜8節の期間の日本人選手のパフォーマンスについて考えると、やっぱりまずは浜野まいかの素晴らしいプレイに触れざるを得ないかな。マンチェスター・シティとの大一番については"WSL Watch #126"で書いた通りだけど、他の試合も含めて、完全に今のチェルシーの主力として活躍してるんで。もちろん、サム・カーとローレン・ジェイムズがいないって部分は差し引いて考える必要はあるけど、未消化だったマンチェスター・ユナイテッドとの無敗対決の決勝点のPK獲得につながったマイラ・ラミレス(Mayra Ramírez)へのパスが浜野まいかからだった(下に貼った動画では切れちゃってるけど)ことも含めて、ちょっとワンランク上がった感じっていうか、素晴らしい存在感を放ってるんじゃないかな。

エヴァートンの林穂乃香もフル回転の活躍を見せてるって言ってよさそう。もちろん、ケガ人が続出してるってチーム事情はあるんだけど、すっかりチームに欠かせない戦力になってる感じ。マンチェスター・シティだと長谷川唯は相変わらず安定のフル稼働、山下杏也加藤野あおばもすっかり主力に定着してる感じ。リヴァプールの長野風花も1試合だけケガで欠場した以外はコンスタントに活躍してるし、ウェスト・ハム・ユナイテッドの植木理子ももちろん主力で6節のトッテナム・ホットスパー戦で今シーズン2点目のゴールも決めてる。ブライトン&ホーヴ・アルビオンの清家貴子もコンスタントに試合には出てて、8節のウェスト・ハム・ユナイテッド戦で1得点・1アシストの活躍を見せたりしてて、本人の状態もチーム内での立ち位置も全然悪くなさそう。レスター・シティの宝田沙織籾木結花もチームとしての手探り感はありつつもコンスタントに試合に出てるし、けっこう目を引くプレイはあったりするんで個人としての状態は良さそう。現状で状況が一番難しそうに見えるのはやっぱりマンチェスター・ユナイテッドの宮澤ひなたかな。出場試合数と出場時間を見てもそうだし、実際に起用されたときのプレイを観てもそうだし。ただ、エラ・トゥーンの負傷で出場機会が増えるかもしれないから、とりあえず、年内の2試合、リヴァプール戦とクリスタル・パレス戦でどれくらい起用されるのか、起用されたときにどんなプレイを見せるのかに注目したい感じ。

リーグ・カップのグループ・ステージは2試合を消化済み

リーグ・カップの概要については"WSL Watch #093"(視聴方法については"WSL Watch #111")でまとめてるけど、UWCLに出場してない9チームとウィメンズ・チャンピオンシップ(WC)の全11チームが参加してるリーグ・カップのグループ・ステージの状況も整理しとくと、4チームごとに分けられた各グループ2節までが消化済みで、ここまでの順位は以下のような感じ。

個人的にはそこまでたくさんの試合を終えてるわけじゃないからリーグ戦との選手起用との違いとかまではあまり把握できてないし、"WSL Watch #093"でも触れた通り、グループによってけっこう偏りがある(ように感じられる)グループ分けになってたりするんで、正直なところ、どう評価すればいいのか、なかなか難しい感じなんだけど。とはいえ、日頃はなかなか追いきれないようなWCのチームを観るいい機会だったりはするし、せっかくYouTubeで無料で視聴できるんだし、時間を見つけてちょっとずつ観とこうかな…とは思ってるんだけど。

ちなみに、リーグ・カップのグループ・ステージはホーム&アウェイじゃない総当りで、つまり、全3試合なんだけど残りは1試合で年内に消化されることになってて、各グループの首位の5チームにUWCLに出場してるチェルシーとマンチェスター・シティとアーセナルを加えた計8チームが年明けに行われるノックアウト・ラウンドに進出する。

代表ウィーク明けの年内のスケジュールをチェック

最後に今後の日程にも触れとくと、今回の代表ウィーク明けはリーグ戦2試合やるとウィンター・ブレイクで、UWCLに出てるチームはグループ・ステージのMD5とMD6、リーグ・カップに出てるチームは3戦目も年内にある。

注目の試合って意味では、9節だとチェルシー対ブライトン&ホーヴ・アルビオンとマンチェスター・ユナイテッド対リヴァプール、10節だとリヴァプール対アーセナルってことになるのかな。つまり、リヴァプールにとっては正念場になりそうってことでもあるけど。ちなみに、年明けのリーグ戦再開は1月中旬なんで約1ヶ月空くことになる。

UWCLに関してはMD4を終えたタイミングでチェルシーもマンチェスター・シティもアーセナルも(グループ内での順位は確定してないけど)勝ち上がりは決定済み。もちろん、3チームともグループ首位を目指すんだろうし、特にグループ首位をかけた一戦になりそうなMD6のバルセロナ対マンチェスター・シティはものすごく楽しみだけど。

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