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[更新終了] ギルマ、ケロリン、ウォルシュらが加入! WSLの2025年の冬の移籍動向をチェック!! :: WSL Watch #134

厳密に言うと冬の移籍マーケットが開くのは2025年1月1日からなんだけど、WSLがウィンター・ブレイクに入ったこともあって、さっそく1月の移籍マーケットの動きが出てきたんで、2024年の1月の移籍マーケットの動向を追った"WSL Watch #021"、夏の移籍マーケットの動向を追った"WSL Watch #085"と同じように今回もまとめておこうかな、と。もちろん、全部を拾えるわけじゃないんだけど、基本的にはWSLのチームに加入する選手(と監督)のニュースを、新しいモノを上に加える(古いモノが下にズレてく)随時更新ってカタチで。


アレハンドラ・ベルナべ (23) → リヴァプール

チェルシーでプレイしてた23歳のスペイン人DFのアレハンドラ・ベルナベ(Alejandra Bernabé)が今シーズン終了までのローンでリヴァプールに加入することに。

2023年の夏にレアル・ソシエダからチェルシーに加入したけど23/24シーズンはそのままローンでレアル・ソシエダでプレイしてた左利きの左SBで、まだ若いけどすでにスペイン代表経験もあるんだとか。初めてチェルシーでプレイすることになった今シーズンはリーグ戦出場が1試合だけだったりするんで、基本的にはプレイ時間を得るためのローン移籍って感じなのかな。

ちなみに、この移籍が発表されたのはデッドライン・デイの翌日の1月31日だったんだけど、もちろん、移籍に必要な手続きは締切である現地時間の1月30日の23:00までに終わってたけどもう深夜だから発表は翌日にしたってケース。男女ともにデッドライン・デイではけっこうあるけど。

カルラ・トーレス (18) → レスター・シティ

インデペンディエンテ・サンタ・フェでプレイしてた18歳のコロンビア代表FWのカルラ・トーレス(Karla Torres)が今シーズン終了までのローンでレスター・シティに加入することに。

コロンビア・リーグでプレイしてた18歳の選手なんで、さすがに詳しいことはわかんないけど、昨年のFIFA U-20ウィメンズ・ワールドカップに出場してて、すでにA代表としても2キャップあるんだとか。攻撃的なポジションならいろんな役割ができるアタッカーで、リーグ戦では27試合で12得点って数字を残してるとのこと。いろいろ未知数な部分はあるけど、とりあえず、楽しみなタレントがWSLにまた1人来たって感じなのかな。

キーラ・ウォルシュ (27) → チェルシー

バルセロナでプレイしてた27歳のイングランド代表MFのキーラ・ウォルシュ(Keira Walsh)が完全移籍でチェルシーに加入することに。

キーラ・ウォルシュって言えば、もちろん現時点で最強のチームって言っていいバルセロナのCMFとしてUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグをはじめとしてたくさんのタイトルを獲得してきてて、イングランド代表の主力としてもずっと活躍してて、2022年のUEFAウィメンズ・ユーロ優勝と2023年のFIFAウィメンズ・ワールドカップ準優勝にも大きく貢献した選手。個人的には、長谷川唯が加入するまでマンチェスター・シティで(現在は長谷川唯がプレイしてる)CMFを務めてた選手、長谷川唯と入れ替わりでマンチェスター・シティからバルセロナに移籍した選手って印象も強いかな。昨シーズンの段階でマンチェスター・シティのプレイモデルについて書いた"WSL Watch #008"の中で長谷川唯の役割を説明する中でキーラ・ウォルシュにも触れてて、そこで「今さらながら考えてもキーラ・ウォルシュの後釜の役割を任されて、その期待に見事に応えてるって、率直に言ってスゴイとしか言いようがない。キーラ・ウォルシュって、今のバルセロナでの活躍でも証明してるように、控えめに言っても世界屈指のCMF、言ってみれば今のマンチェスター・シティのメンズ・チームのロドリ(Rodri)とかちょっと前のバルセロナのメンズ・チームのセルヒオ・ブスケツ(Sergio Busquets )くらいの存在感の選手なんで」なんて書いてるけど、まさにそういう感じの選手だと思うんで。選手のタイプとしては、まさにロドリとかセルヒオ・ブスケツとか長谷川唯とかの名前を挙げたくなるような素晴らしいCMF、アスリート能力が突出してるわけじゃないけどオン・ザ・ボールもオフ・ザ・ボールも質がものすごく高いアンカーって感じ。実は本人はちょっと前からイングランドに戻りたいって意思があったらしくて、去年の夏にもアーセナルへの移籍がかなりまことしやかに噂されたりもしてたんだけど実現しなくて、結局はこのタイミングでチェルシーにってことになったらしい。それにしても、チェルシーは去年の夏に同じくバルセロナからルーシー・ブロンズ(Lucy Bronze)を獲って、今年の冬はナオミ・ギルマ(Naomi Girma)とキーラ・ウォルシュを獲るって、ちょっと他のチームとはレベルが違う補強をしてる感じで、「このままだと完全にチェルシーの一強みたいな状況になっちゃう?」とかちょっと心配になりつつ、同時に、ナオミ・ギルマの移籍の部分で「リーグ連覇はもちろんだけど、UEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグで優勝できるチーム、もっと言っちゃえば、バルセロナに勝てるチームを本気で作ろうとしてるんだろうな…」って書いた通りっていうか、ますますその憶測が確信に近づいてる感じもしちゃうかな、今回のキーラ・ウォルシュの獲得の持つインパクトを考えると。

マーレン・ミェルデ (35) → エヴァートン

アルナ・ビョルナーでプレイしてた35歳のノルウェー代表DFのマーレン・ミェルデ(Maren Mjelde)が完全移籍でエヴァートンに加入することに。

マーレン・ミェルデは昨シーズンまでの7シーズンに渡ってチェルシーに所属してたCB・守備的MFで、もちろん数々のタイトルを獲ってるし、ノルウェー代表のキャプテンを務めてて、178キャップっていうすごい実績を積み重ねてきたベテラン。チェルシーを離れた後はプロとしてのキャリアを始めた故郷のクラブのアルナ・ビョルナーに戻ってたらしいんだけど、約半年でWSLに戻ってくることに。緊急事態って言っていいほどケガ人が続出してる今シーズンのエヴァートンにとって、1月の移籍マーケットで獲得した6人目の選手ってことになるんだけど、WSLを知り尽くした経験豊富なベテランだし、中盤より後ろなら複数のポジションでプレイできるって点も含めて、リーダーシップの部分も含めてけっこう貴重な戦力になりそうかな。

* 2月3日 追記

ジェナ・ナイスウォンガー (24) → アーセナル

NY/NJゴッサムFCでプレイしてた24歳のアメリカ代表DFのジェナ・ナイスウォンガー(Jenna Nighswonger)が完全移籍でアーセナルに加入することに。

ジェナ・ナイスウォンガーは2023年のNWSLのドラフトで全体の4位指名でNY/NJゴッサムFCで加入して2シーズンで46試合に出場してる左SBで、2023年シーズンにルーキー・オブ・ジ・イヤーに輝いてる。アメリカ代表としてもすでに18キャップあって、もちろんチェルシーに加入したナオミ・ギルマと同じように2024年のオリンピックの金メダリストでもある。NWSLのシーズンは春秋制だから今は新シーズン開幕前のオフ・シーズンのタイミングで、夏の移籍マーケットの時期よりも移籍しやすいって側面はあるんだけど、マンチェスター・シティに加入した25歳のケロリン、チェルシーに加入した24歳のナオミ・ギルマに続いてNWSLからまた楽しみなタレントが、これからキャリアのピークに向かうような年齢でWSLに来た、しかも、ナオミ・ギルマに続いてアメリカ代表の主力選手がWSLに来たってことになるし、アメリカ代表の右SBのエミリー・フォックス(Emily Fox)とチームメイトになるって意味も含めて、かなり興味深い移籍って言っていいんじゃないかな。

エリン・エリクスドッティル (24) → レスター・シティ

クリシャンスターズDFFでプレイしてた24歳のアイスランド代表FWのエリン・エリクスドッティル(Hlín Eiríksdóttir)が完全移籍でレスター・シティに加入することに。

アイスランドのヴァルルで15歳のときにプロ契約を結んでデビューを飾ったアタッカーで、2シーズン過ごしたクリシャンスターズDFFでは51試合出場で26点を取ってるんでけっこうな頻度でゴールを決めれる選手らしい。アイスランド代表にも2018年から選出されてて、これまでに43キャップあるんだとか。プレイ動画をちょっと観た感じでは、けっこうパワフルでダイナミックなプレイが特徴の選手って印象かな。ちなみに、'エリン・エリクスドッティル'って表記も動画に付いてるいくつかの実況を聞いて「こんな感じかな?」ってカタカナを当ててるんで、正確性にはあまり自信がないんだけど。

アリソン・スワビー (28) → クリスタル・パレス

ACミランでプレイしてた28歳のジャマイカ代表DFのアリソン・スワビー(Allyson Swaby)が完全移籍でクリスタル・パレスに加入することに。

アメリカ生まれでアメリカの大学でプレイした後にアイスランドでプロのキャリアを始めて、その後にイタリアのローマとACミラン、アメリカのエンジェル・シティ、フランスのパリ・サン・ジェルマンでキャリアを重ねてきた経験豊富なCB。ジャマイカ代表としても37キャップあって、2023年のFIFAウィメンズ・ワールドカップにも出場してる。昨年の夏の移籍マーケットの動きをまとめた"WSL Watch #085"でも触れてるけど、レスター・シティのジャマイカ代表DFのシャンテル・スワビー(Chantelle Swaby)は実妹で、WSLでもけっこう珍しい? 姉妹揃ってWSLでプレイする選手ってことになるらしい。

アニーク・ノウウェン (25) → クリスタル・パレス

チェルシーでプレイしてた25歳のオランダ代表DFのアニーク・ノウウェン(Aniek Nouwen)が今シーズン終了までのローンでクリスタル・パレスに加入することに。

PSVで100試合以上出場した後、2021年にチェルシーに加入したCBで、2023年にはACミランにローンで移籍してたりして、チェルシーではあまり出場機会を得られてない感じなのかな。ただ、オランダ代表にも2019年から選ばれてて43キャップあったりするんで、出場機会さえ得られればなかなか面白い存在になりそう。

クロエ・ケリー (27) → アーセナル

マンチェスター・シティでプレイしてた27歳のイングランド代表FWのクロエ・ケリー(Chloe Kelly)が今シーズン終了までのローンでアーセナルに加入することに。

クロエ・ケリーについては、23/24シーズンの段階でマンチェスター・シティのプレイモデルについて書いた"WSL Watch #008"なんかで何度か触れてきてるけど、23/24シーズンまでは主に右WGとして欠くことのできないチームの主力って感じだったんだけど24/25シーズンに入ってからはWGのポジションでかなり序列を落としてる、具体的に言っちゃうと、メアリー・ファウラー(Mary Fowler)とか藤野あおばが起用されることが明らかに多くて、さらに若いリリー・マーフィ(Lily Murphy)の出場機会も増えてたりするし、最後の決定打になったのはブラジル代表のケロリン(Kerolin)の加入だったと思うけど、このままだと移籍は不可避って状況だったって言っていいんじゃないかな。実は昨夏にもパリ・サン・ジェルマンが狙ってるなんて噂もあったし。クロエ・ケリーって言えば、もちろん2022年のUEFAウィメンズ・ユーロの決勝のドイツ戦で決勝ゴールを決めて国民的なアイコンになった選手で、その後もイングランド代表としてコンスタントに活躍してきたから、当然、今夏のUEFAウィメンズ・ユーロにも出場したいはずだけど今シーズンの状況だとかなり厳しいわけで。直近数日で「マンチェスター・ユナイテッドが完全移籍の方向で動いてる」「ブライトン&ホーヴ・アルビオンがローンでオファーした」「家族のことを考えてブライトン&ホーヴ・アルビオンのオファーは断ってマンチェスター・ユナイテッドを選んだ」なんて話がいろいろ出てたんだけど、デッドライン・デイになって急にアーセナルにローンって話が出てきて、急転直下って感じ? でアーセナルへのローンに決まったらしい。細かい事情はまだわからないし、今後の報道とかでいろいろ出てくるんだと思うけど、実はクロエ・ケリーはロンドン出身で、アーセナルのSNSのポストにも"Welcome Back"って書いてある通りユース時代にアーセナルに在籍しててプロ・キャリアのスタートもアーセナルだったりするし、同じくデッドライン・デイにアーセナルからマンチェスター・シティへのローン移籍が決まったラウラ・ヴィーンロイターの件との関係はあるのか? とか、さすがにマンチェスターのライバル・チームへの完全移籍には抵抗があった? とか、いろいろ憶測ができちゃう感じはあるかな。ただ、アーセナルはアーセナルで選手層は厚いし、期待通りの出場時間を得られるのか? って疑問もあるし、個人的には「純粋に出場時間を得ることだけ考えたらブライトン&ホーヴ・アルビオンへのローンが一番いいんじゃね?」なんて思ったりもしてたけど。ともあれ、WSLを代表するスター選手ってことは間違いないと思うし、上位チーム間の移籍だって点も含めて、1月の移籍マーケットでの動きの中でも大きなニュースであることは間違いないんじゃないかな。

ラウラ・ヴィーンロイター (26) → マンチェスター・シティ

アーセナルでプレイしてた26歳のオーストリア代表DFのラウラ・ヴィーンロイター(Laura Wienroither)が今シーズン終了までのローンでマンチェスター・シティに加入することに。

2022年1月にホッフェンハイムからアーセナルに加入したラウラ・ヴィーンロイターは、21/22シーズンはリーグ戦8試合、22/23シーズンはリーグ戦17試合に出場したんだけど、2023年5月にACLの負傷で長期欠場することになって、23/24シーズンはリーグ戦4試合、今シーズンはリーグ戦1試合出場だけなんで、基本的にはケガから復帰以降は出場機会を減らしてるって感じなのかな。ちなみに、オーストリア代表としても35キャップって実績を残してる。マンチェスター・シティに関しては清水梨沙が長期離脱中だってこともあるし、アラナ・ケネディ(Alanna Kennedy)が1月の移籍マーケットでエンジェル・シティに移籍したこともあってDF陣の層がちょっと薄くなってるから、WSLでの経験も豊富な即戦力をローンで補強するっていうのはすごく理に適ってるし、基本的には右SB起用になるんだろうけどマンチェスター・シティだったらCB起用もありそうだから出場時間を増やしたいラウラ・ヴィーンロイターにとってもやりがいはありそうだし、すごく納得感がある移籍なんじゃないかな。

ナディン・ノダム (26) → ブライトン&ホーヴ・アルビオン

アヤックスでプレイしてた26歳のオランダ人MFのナディン・ノダム(Nadine Noordam)が完全移籍でブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。

ダリオ・ヴィドシッチ(Dario Vidošić)監督曰く、攻撃への関与が持ち味のエネルギッシュなCMFで、オランダ国内だけじゃなくUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグでの経験も豊富とのこと。2021年からプレイしてるアヤックスでは公式戦105試合に出場してて18ゴールを記録してるらしくて、基本的には即戦力としての活躍が期待される補強って感じなのかな。

フェムケ・リフティング (20) → チェルシー

AZでプレイしてた20歳のU20オランダ代表GKのフェムケ・リフティング(Femke Liefting)が完全移籍でチェルシーに加入することに。

これまでのキャリアは全てオランダ国内で、まだ若い選手だから実績的にはそれほど目を引く感じじゃないけど、オランダ代表として出場した昨年のFIFA U-20ウィメンズ・ワールドカップでは最優秀GKに贈られるゴールデン・グローヴも受賞してて、A代表にも呼ばれ始めてるらしいし、チェルシーがこのタイミングで獲りにいくほどの将来有望なタレントってことは間違いないっぽい。

* 1月31日 追記

ナオミ・ギルマ (24) → チェルシー

サン・ディエゴ・ウェーヴでプレイしてた24歳のアメリカ代表DFのナオミ・ギルマ(Naomi Girma)が完全移籍でチェルシーに加入することに。

マンチェスター・シティに加入したケロリンに続いて1月の移籍マーケットでNWSLからWSLに移籍してきた2人目のビッグ・ネームって言えると思うけど、パリ・オリンピックをWSLファン目線で総括した"WSL Watch #092"でも触れた通り、ナオミ・ギルマは個人的にものすごく注目してた選手だったんでWSLでプレイが観れるのはシンプルにすごく楽しみ。"WSL Watch #092"で「シンプルに守備者としても能力が高いし、保持の面でも貢献度はものすごく高かった」って書いた通り、基本的には守備だけじゃなく攻撃面でも優れた現代的なCBで、アスリート能力も高いし、リーダーシップもありそうだし、CBに求められる要素を高いレベルで兼ね備えてるって感じかな。キャリアとしては、スタンフォード大学でプレイした後にNWSLのドラフトのファースト・ピックで2022年にサン・ディエゴ・ウェーヴに加入して、2022年にルーキー・オブ・ジ・イヤーとディフェンダー・オブ・ジ・イヤーとベスト11に選出された選手なんで、一般的なアメリカ人選手のキャリアとしてはエリート中のエリートって感じのルートを歩んできたって言っていいんじゃないかな。アメリカ代表としてもすっかり主力で、2023年のFIFAウィメンズ・ワールドカップにも出場してるし、もちろん、2024年のオリンピックでは金メダルを獲得したチームでMVP級の活躍を見せた選手って言っていいはず。前チェルシー監督で現アメリカ代表のエマ・ヘイズ(Emma Carol Hayes OBE)監督も「今まで見てきた中で最高のディフェンダー」なんて言ってたりもするし。

実は移籍が発表されたのが日曜日に開催されたホームでのアーセナル戦の直前で、試合前にスタンフォード・ブリッジに登場してサポーターにあいさつもしてたりして。メディアの取材なんかも受けてたみたいだし、さすがにビッグ・ディールっていうか、タイトルの行方を左右するビッグ・マッチの日に合わせてくる演出もなかなか巧妙だったかな。

あと、サム・カー(Sam Kerr)の負傷もあったけど去年の1月にマイラ・ラミレス(Mayra Ramírez)を獲って、夏にはルーシー・ブロンズ(Lucy Bronze)を獲って、今年の1月はナオミ・ギルマを獲ったって動きを見てると、リーグ連覇はもちろんだけど、UEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグで優勝できるチーム、もっと言っちゃえば、バルセロナに勝てるチームを本気で作ろうとしてるんだろうな…とも思ったり。ちなみに、今回の移籍はウィメンズ・フットボール史上最高額の移籍金だって報じられてて、メディアによって金額は多少上下してるんだけど、とりあえず、'1M'って数字、つまり、史上初めてミリオンの大台を超えたケースってことらしい。実は去年の1月のマイラ・ラミレス獲得時も当時の最高額だったりして、1年でほぼ倍増してるのも今のウィメンズ・フットボール全体の動きを象徴してるような気もするし、いろんな意味でものすごくインパクトが大きい移籍って言えるんじゃないかな、今回のナオミ・ギルマの件は。

ジョセフィン・ライブリンク (27) → トッテナム・ホットスパー

BKヘッケンでプレイしてた27歳のスウェーデン代表DFのジョセフィン・ライブリンク(Josefine Rybrink)が完全移籍でトッテナム・ホットスパーに加入することに。

BKヘッケンからの獲得だからロバート・ヴィラハム(Robert Vilahamn)監督が知ってる選手、獲得を希望した選手ってこと? って思ったら、予想通り、その通りだったらしい。本人もロバート・ヴィラハムもインタビューで話してるけど、ボール保持に長けたCBでMFとしてもプレイできるタイプとのこと。スウェーデン代表として7キャップあるらしいんで、経験豊富で即戦力としての活躍が期待されてる選手って感じっぽいかな。

ケイトリン・タルバート (26) → アストン・ヴィラ

ウェスト・ハム・ユナイテッドでプレイしてた26歳のアメリカ人GKのケイトリン・タルバート(Katelin Talbert)が今シーズン終了までのローンでアストン・ヴィラに加入することに。

夏の移籍マーケットの動きをまとめた"WSL Watch #085"でも触れてる通り、今シーズンの前半はローンでトッテナム・ホットスパーに移籍してたんだけど、ウェスト・ハム・ユナイテッドに戻った上で改めてアストン・ヴィラにシーズン・ローンってことになったらしい。GKってポジションの特性上、わりと玉突き移籍みたいなことが起こるんだけど、この移籍もそういう例なのかも? とか思ったりしつつ。

オリヴィア・クラーク (23) → レスター・シティ

トゥウェンテでプレイしてた23歳のウェールズ代表GKのオリヴィア・クラーク(Olivia Clark)が完全移籍でレスター・シティに加入することに。

実はトゥウェンテに移籍したのは去年の夏の移籍マーケットで、昨シーズンまでの2シーズンはブリストル・シティに所属してて、その間にチャンピオンシップのワトフォードにローン移籍してた期間もあるんだけど、ブリストル・シティがWSLにいた昨シーズンはリーグ戦7試合に出場した経験を持つ選手だったりする。本人曰く、足下の技術にも自信があるオールラウンドなGKとのこと。ウェールズ代表としても25キャップあって、今後が楽しみな若手GKって言えそう。レスター・シティのGKに関しては、昨シーズンまではヤニナ・ライツィヒ(Janina Leitzig)とリゼ・コップ(Lize Kop)がプレイ時間をシェアしてたけど、今シーズンは基本的にヤニナ・ライツィヒが1stチョイスになってる感じで、最終的に1月15日にリゼ・コップがトッテナム・ホットスパーに完全移籍したんでGKの人数を整えつつ、ヤニナ・ライツィヒとリゼ・コップだと年齢が近かった部分のバランスも取ったって意味で、すごく納得感のあるGKの編成に見えるかな。

エヴァ・ニストロム (25) → ウェスト・ハム・ユナイテッド

ハンマルビーでプレイしてた25歳のフィンランド代表DFのエヴァ・ニストロム(Eva Nyström)が完全移籍でウェスト・ハム・ユナイテッドに加入することに。

エヴァ・ニストロムは2021年から所属してたハンマルビーで100試合以上出場してて、今シーズンのUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグにも出場した経験も持つ右利きのCB。フィンランド代表としてUEFAウィメンズ・ユーロ予選全試合にスタメン出場してて、これまでのキャップ数は24。本人曰く、ボール保持にも自信があって、WSLでプレイしたいって思ってたとのこと。レハン・スキナー(Rehanne Skinner)監督も守備陣の強化が補強ポイントだったって言ってるんで、即戦力のCBって感じなのかな。

* 1月27日 追記

ケロリン (25) → マンチェスター・シティ

ノース・カロライナ・カレッジでプレイしてた25歳のブラジル代表FWのケロリン(Kerolin)が完全移籍でマンチェスター・シティに加入することに。

ケロリンことケロリン・ニコリ(Kerolin Nicoli)は現役ブラジル代表の主力選手で、もちろんパリ・オリンピックの銀メダリスト。NWSLでも2023年に南アメリカ出身選手初のリーグMVPに輝いた選手で、プレイの特徴を挙げるならダイナミックなプレイが持ち味のWGって感じかな。2023年シーズンの終盤にいわゆるACLの負傷をしたんだけどパリ・オリンピックで復帰して、昨シーズンの終盤に完全にコンディションを戻したって感じなのかな。松窪真心と(今シーズンからワシントン・スピリットに移籍した)三浦成美がプレイしてたこともあって個人的にはノース・カロライナ・カレッジの試合はわりとチェックしてたんだけど、ノース・カロライナ・カレッジの試合で明らかに最も目を引いいたのがケロリンで、まさに質的優位をチームにもたらすことができるアタッカーって感じなんで、この移籍はシンプルにものすごく楽しみ。ちなみに、マンチェスター・シティのウェブサイトにも'ケロリン・ニコリ'って表記もあったりするけど、基本的には'ケロリン'って呼ばれるっぽい。ブラジル人選手にちょいちょいあるケースだけど。

リア・アーリン (30) → クリスタル・パレス

ローゼンゴードでプレイしてた30歳のフィンランド代表MFのリア・アーリン(Ria Öling)が完全移籍でクリスタル・パレスに加入することに。

フィンランド代表として85キャップのベテランMFで、スウェーデンのダームアルスヴェンスカンでも100試合以上出てるみたいなんで、基本的には経験豊富で即戦力になることが期待されてる選手って感じなのかな。

ナタリア・アローヨ監督 → アストン・ヴィラ

監督の人事なんで厳密に言えば移籍マーケットでの動きじゃないんだけど、23/24シーズンまでレアル・ソシエダを率いていたスペイン人のナタリア・アローヨ(Natalia Arroyo)がアストン・ヴィラの監督に就任することに。

ウィンター・ブレイク前までの動きをまとめた"WSL Watch #133"でもちょっと触れた通り、12月11日にロバート・デ・パウ(Robert de Pauw)前監督が退任してからアシスタント・コーチのショーン・ゴーター(Shaun Goater)が暫定監督を務めてたんだけど、ウィンター・ブレイク中じゃなくリーグ戦が再開した直後のこのタイミングで決まったことにはちょっとビックリしたかな。レアル・ソシエダを4シーズン率いてたナタリア・アローヨは、最初のシーズンで5位、翌シーズンで2位って成績を残してUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ出場を果たしたとのことで、まだ38歳ってことも含めてちょっと注目の監督って感じなのかな。

ケイトリン・ヘイズ (29) → ブライトン&ホーヴ・アルビオン

セルティックでプレイしてた29歳のアイルランド代表DFのケイトリン・ヘイズ(Caitlin Hayes)が完全移籍でブライトン&ホーヴ・アルビオンに加入することに。

ケイトリン・ヘイズは2020年からプレイするセルティックで75試合に出場してるベテランCBで、28歳のときに初めてアイルランド代表に選出されてこれまでに18キャップってことなんで、近年はコンスタントに呼ばれてるらしい。基本的には経験のある即戦力としての補強って感じなのかな。

[附録] 熊谷紗希 (34) → ロンドン・シティ・ライオネセス

ローマでプレイしてた34歳の日本代表DFの熊谷紗希が完全移籍でロンドン・シティ・ライオネセスに加入することに。もちろん、ロンドン・シティ・ライオネセスはWSLじゃなくてイングランド2部のウィメンズ・チャンピオンシップだから本来ならここで取り上げるネタじゃないんだけど、熊谷紗希がイングランドに来る、しかも、移籍先がロンドン・シティ・ライオネセスだってことで、さすがにこれは触れといたほうがいいかな、と。

上に貼ったロンドン・シティ・ライオネセスのSNSのポストで紹介されてるこれまでのキャリア・ハイライトを見て改めて思うけど、熊谷紗希の経歴は客観的に見てもちょっとレベルが違う感じ。日本代表キャップは150を超えてて、FIFAウィメンズ・ワールドカップ優勝1回、UEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ優勝5回ってものすごい実績だし、これまでに所属したチームにもリヨンとかバイエルン・ミュンヘンみたいな世界的な強豪だったりするんで。

で、上に「しかも、移籍先がロンドン・シティ・ライオネセス」って書いた部分だけど、ロンドン・シティ・ライオネセスは現段階でチャンピオンシップで2位だから来シーズンのWSLにいても不思議じゃないチームなんだけど、それ以上に重要なポイントとして、"WSL Watch #086"で「ロンドン・シティ・ライオネセスは要注目かも?」って記事で書いた通り、世界のウィメンズ・フットボール全体で見ても大きな話題を集めてるクラブだって事実があって。そんなチームに日本人選手の中でも明らかに突出したキャリアを誇る熊谷紗希が移籍する、しかも、上手くいけば来シーズンのWSLで観れるかもしれないってことになるとさすがに触れとかざるを得ないっていうか、シンプルにものすごく楽しみだな、と。

* 1月23日 追記

ヴェレーナ・ハンショウ (31) → ウェスト・ハム・ユナイテッド

ローマでプレイしてた31歳のオーストリア代表DFのヴェレーナ・ハンショウ(Verena Hanshaw)が完全移籍でウェスト・ハム・ユナイテッドに加入することに。

ヴェレーナ・ハンショウはオーストリア代表として116キャップを誇るベテランで、ローマではUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ出場経験もある左利きの左SB。ローマの前にはアイントラハト・フランクフルトでのプレイ経験もあるし、明らかに即戦力になりそうな補強って感じ。

* 1月22日 追記

大山愛笑 (20) → マンチェスター・シティ

早稲田大学ア式蹴球部女子部でプレイしてた20歳のU20日本代表MFの大山愛笑がマンチェスター・シティに加入することに。

'愛笑'って書いて'あえむ'って読む名前もちょっと珍しかったりするし、前所属チームが'早稲田大学ア式蹴球部女子部'だって点も含めて、けっこうなサプライズだし、いろんな論点がありそうな気がするかな、この移籍は。もちろん、ポジティブな意味で。経歴的には、日テレ・東京ヴェルディベレーザの下部組織の日テレ・東京ヴェルディメニーナ出身で、メニーナ時代にベレーザでWEリーグでもプレイ経験はあるけど、高校卒業後にベレーザには進まずに早稲田大学に進んで、WEリーグを経ずに海外、しかも、いきなりWSLのマンチェスター・シティに加入するって感じ。20歳前後の選手の海外移籍は増えてるけど、こういうルートはなかなか珍しいっていうか、新しいパターンなんじゃないかな。U20日本代表として2022年と2024年のFIFA U-20ウィメンズ・ワールドカップにも出場してるテクニカルなMFで、個人的には昨年の大会での素晴らしいプレイの印象が強いけど、マンチェスター・シティでどういうポジションでどんなプレイを見せてくれるのか、シンプルにすごく楽しみ。今シーズンのマンチェスター・シティでは大山愛笑と同世代どころかもっと若い選手も試合に出てるし、加入発表直後のマンチェスター・ダービーで早くもベンチに入ってたし、今後も全然チャンスはありそう。あと、夏の移籍マーケットでルビー・メイス(Ruby Mace)がレスター・シティに移籍した(移籍させた? 移籍を容認した?)こととも関係してる? ともちょっと思ったり。

下にいくつか貼ってみたけど、さすがにこの移籍は日本(語)のメディアでも複数報じられてる。ともあれ、これで今シーズンのWSLでプレイする日本人選手は13人ってことに。

クラリサ・ラリシー (25) → クリスタル・パレス

BKヘッケンでプレイしてた25歳のカナダ代表FWのクラリサ・ラリシー(Clarissa Laris­ey)が完全移籍でクリスタル・パレスに加入することに。

BKヘッケンの前はスコットランドのセルティックでもプレイしてて、セルティックでの1シーズンではリーグ戦12試合で12得点、BKヘッケンでの2シーズンでは公式戦65試合で20得点記録してる。2022年からカナダ代表にも呼ばれてて、10キャップ・1得点とのこと。得点源になってくれることが期待されてるんだと思うけど、いくつかプレイ動画を観てみたらわりといろんなカタチで点を取ってるんで、上手くハマればけっこう面白い存在になるかも。

* 1月20日 追記

ルナ・リバデイラ (20) → エヴァートン

パリFCでプレイしてた20歳のフランス代表FWのルナ・リバデイラ(Louna Ribadeira)が今シーズン終了までのローンでエヴァートンに加入することに。

ルナ・リバデイラは昨年の夏の移籍マーケットでパリFCからチェルシーに移籍したんだけど、今シーズン前半はそのままローンでパリFCでプレイしてた選手なんで、形式的にはチェルシーに戻ってから新たにローンでエヴァートンに移籍したってカタチになる。23/24シーズンはパリFCでリーグ戦24試合に出場して8得点を記録、リーグのヤング・プレイヤー・オブ・ジ・イヤーにも選出されてるし、2023年にはUEFA U23ウィメンズ・ユーロで得点王になってて、まだ若いけどフランス代表経験もあるんだとか。本人曰く、フィジカル・コンタクトを厭わないタイプのストライカーとのこと。WSLデビューはエヴァートンで果たす感じになるみたいだけど、ケガ人が多いエヴァートンにとっては1月の移籍マーケットでの補強は早くも5人目で、ここまでの移籍マーケットの主役って言っていい積極的な動きを見せてる。それにしても、チェルシーは何人有望な若手を抱えてるんだ? とも思っちゃうけど。

* 1月16日 追記

リゼ・コップ (26) → トッテナム・ホットスパー

レスター・シティでプレイしてた26歳のオランダ代表GKのリゼ・コップ(Lize Kop)が完全移籍でトッテナム・ホットスパーに加入することに。

リゼ・コップはもともとアヤックス出身で、アヤックス時代にはUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグの出場経験もあったりする。レスター・シティに加入したのは23/24シーズンで、オランダ代表としても13キャップって実績の持ち主。昨シーズンはリーグ戦8試合にスタメン出場してて、"WSL Watch #005"で紹介したドイツ人GKのヤニナ・ライツィヒ(Janina Leitzig)と出場時間をシェアしてた感じだったんだけど、今シーズンはリーグ戦出場は2試合だけなんで、基本的には控えにしとくのはもったいないって感じなのかな? トッテナム・ホットスパーにはジャマイカ代表GKのレベッカ・スペンサー(Rebecca Spencer)っていう絶対的な存在のGKが長年君臨してきた感じで、でも、レベッカ・スペンサーは2月に34歳になるから、そういう意味でもわりと納得感が移籍って言えるのかな。

* 1月15日 追記

ケイラ・レンデル (23) → マンチェスター・ユナイテッド

サウザンプトンでプレイしてた23歳のU23イングランド代表GKのケイラ・レンデル(Kayla Rendell)が完全移籍でマンチェスター・ユナイテッドに加入することに。

サウザンプトンのアカデミーに9歳から所属してて、2018年にトップ・デビューしてから134試合に出場、U17とU23のイングランド代表でも活躍して、4月にはA代表にも招集されてるとのこと。詳しくは知らなかった選手だけど、将来が嘱望されてるイングランド人の若手GKの1人って感じっぽい。

* 1月14日 追記

ジュリア・バーテル (20) → リヴァプール

チェルシーでプレイしてた20歳のU20スペイン代表MFのジュリア・バーテル(Júlia Bartel)が今シーズン終了までのローンでリヴァプールに加入することに。

ジュリア・バーテルは2024年夏の移籍マーケットでバルセロナからチェルシーに3年契約で完全移籍した期待の若手スペイン人選手で、夏にはFIFA U-20ウィメンズ・ワールドカップにも出場してたんだけど、チェルシーでの試合出場はUWCLのグループ・ステージの試合だけだったんで、出場機会を得るためのローン移籍って感じっぽいかな。夏の移籍のタイミングでも注目してた存在だけど、リヴァプールでプレイ、特にオリヴィア・スミス(Olivia Smith)とかコルネリア・キャコップス(Cornelia Kapocs)とかミア・エンダービー(Mia Enderby)と絡む攻撃の部分はシンプルにすごく楽しみ。

このタイミングで、リヴァプールの公式サイトに載ったマット・ビアード(Matt Beard)監督のインタビューの中でサム・カーとジュリア・バーテルに関するコメントがあったんだけど、曰く、「サム・カーは主に守備的なMFだけどちょっと前でもプレイできる」「サム・カーがバイエルン・ミュンヘンに移籍したタイミングでも獲得しようとしてた」「バイエルン・ミュンヘンではケガなんかもあってコンスタントに試合には出れてなかったけど、リヴァプールの中盤に足りてなかったアグレッシブな要素をもたらしてくれることを期待してる」「バルセロナ出身のジュリア・バーテルの才能は疑う余地がない」「ワールド・クラスの戦力が揃ってるチェルシーではあまり出場機会を得られてなかったけど、リヴァプールに特別なモノをもたらしてくれるはずだ」「両足を使える選手で、インテリジェンスも持ってる」「この2人の加入で中盤の質をワンランク上げてくれるはずだし、健全は競争を生み出してくれるだろう」「長野風花はサム・カーと、マリー・テレーズ・ヘビンガー(Marie Therese Höbinger)はジュリア・バーテルと争うことになる」「シーズン前半は中盤の選択肢が限られてたけど、この補強で戦術的なオプションも増える」とのこと。

* 1月10日 追記

ヘイリー・ラッド (31) → エヴァートン

マンチェスター・ユナイテッドでプレイしてた31歳のウェールズ代表MFのヘイリー・ラッド(Hayley Ladd)が完全移籍でエヴァートンに加入することに。

ヘイリー・ラッドは昨シーズンのリーグ戦でCMFとして11試合に出場してるベテランなんだけど、今シーズンは3試合出場(スタメン0出場)だけなんで、明らかに出場機会を減らしてる選手って言えそう。役割的にはドミニク・ヤンセン(Dominique Janssen)の加入で序列が下がったってことなんだと思うけど。中盤にケガ人が続出してるエヴァートンにとっては、経験豊富な実力派の加入は大きなプラスになるだろうし、すごく納得感がある移籍って感じなのかな。

サム・カー (25) → リヴァプール

バイエルン・ミュンヘンでプレイしてた25歳のスコットランド代表MFのサム・カー(Sam Kerr)が今シーズン終了までのローンでリヴァプールに加入することに。

2023年の夏の移籍マーケットでバイエルン・ミュンヘンに移籍したけど、能力が高い選手が多いチームでそれほど出場機会を得られてないみたいで、基本的には出場機会を得るためのローン移籍ってことっぽい。CMFだから谷川萌々子のローゼンゴードからバイエルン・ミュンヘンへの復帰の影響もある? とかちょっと思ったりするけど。チェルシーのオーストラリア代表FWのサム・カーと同姓同名だからいろいろ紛らわしい感じもあるけどもちろん別人で、2人とも'サマンサ'を略してサムってところも同じらしい。

エマ・ワトソン (18) → エヴァートン

マンチェスター・ユナイテッドでプレイしてた18歳のスコットランド代表MFのエマ・ワトソン(Emma Watson)が今シーズン終了までのローンでエヴァートンに加入することに。

もうすぐ19歳になるエマ・ワトソンは16歳だった2023年にスコットランド代表デビューを飾ってる選手で、マンチェスター・ユナイテッドとしては実戦経験を積ませたい、エヴァートンとしてはケガ人が続出してる中盤の戦力を補強したいって意味で、お互いにすごくポジティブな移籍って言えそう。エヴァートンは過去にブライアン・ソレンセン(Brian Sørensen)監督の指揮下でローンで獲得したチェルシーのアギー・ビーヴァー・ジョーンズ(Aggie Beever-Jones)とかマンチェスター・シティのジェス・パーク(Jess Park)みたいなイングランド代表レベルの若手選手を飛躍させた実績があるんで、そういう意味でも注目かな。

* 1月9日 追記

ルーナ・リバデイラ (20) → チェルシー

パリFCにローンで移籍してた20歳のフランス代表FWのルーナ・リバデイラ(Louna Ribadeira)がチェルシーに復帰することに。

去年の夏に4年契約でパリFCからチェルシーに加入して、今シーズンはそのままパリFCにローン移籍してて、リーグ戦2試合に出場して1得点を記録してるんだとか。チェルシー加入前にはパリFCで60試合に出場してて、23/24シーズンにはリーグのヤング・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞してるらしくて、2024年5月にUEFAウィメンズ・ユーロ予選のイングランド戦で代表デビューも飾ってるとのこと。

* 1月7日 追記

オリヴィア・ホルト (23) → トッテナム・ホットスパー

ローゼンゴードでプレイしてた23歳のデンマーク代表MFのオリヴィア・ホルト(Olivia Holdt)が完全移籍でトッテナム・ホットスパーに加入することに。

ローゼンゴードでの3シーズンで47試合に出場して25得点って数字を残してて、優勝した24シーズンは13得点取ってる攻撃的MFとのこと。2021年にデンマーク代表としてデビューしてて、これまでに7試合に出場してる。奇しくもマンチェスター・シティに加入したレベッカ・クナークと同じくローゼンゴードからの移籍で、やっぱり優勝したチームってことは飛躍した選手がたくさんいたってことなのかな? とか思ったりしつつ、23歳っていう年齢も含めてちょっと要注目なのかも。

マルティナ・フェルナンデス (20) → エヴァートン

バルセロナでプレイしてた20歳のU23スペイン代表DFのマルティナ・フェルナンデス(Martina Fernández)が今シーズン終了までのローンでエヴァートンに加入することに。

CBでもSBでもプレイできる期待の若手プレイヤーで、アンダー世代のスペイン代表として国際大会の出場経験も豊富みたいだけど、層が厚いバルセロナではなかなか出場機会が得られないから経験を積むためにローンでってことらしい。もちろん、ケガ人が続出してるエヴァートンにとっても大きいと思うし。オン・ザ・ボールに特徴があるDFらしいんで、どんなポジションで起用されるのかも含めて、実際のプレイを観るのがすごく楽しみ。

ブルック・アスピン (19) → チェルシー

ジョルジャ・フォックス (21) → チェルシー

2024年の夏の移籍マーケットの動向をまとめた"WSL Watch #085"でも触れたけど、チェルシーからクリスタル・パレスにシーズン・ローンで移籍してた2人の若手、19歳のブルック・アスピン(Brooke Aspin)と21歳のジョルジャ・フォックス(Jorja Fox)がチェルシーに復帰することに。

2人とも経験を積むためにクリスタル・パレスにローンで移籍したんだけどケガで長期離脱を余儀なくされちゃったから、チェルシーに戻ってリカバリーに専念するってことらしい。ジョルジャ・フォックスはプレ・シーズンでのケガだからクリスタル・パレスでの出場はなくて、11月のU23イングランド代表の活動中にケガをしたブルック・アスピンはクリスタル・パレスで公式戦6試合(リーグ戦4試合)に出場してたとのこと。

ケイトリン・タルバート (26) → ウェスト・ハム・ユナイテッド

上で挙げたブルック・アスピンとジョルジャ・フォックスのケースと同じように2024年の夏の移籍マーケットの動向をまとめた"WSL Watch #085"でも触れたけど、年内限りのローンでトッテナム・ホットスパーに加入してた26歳のアメリカ人GKのケイティ・スタートアップ(Katelin Talbert)がローン期間満了でウェスト・ハム・ユナイテッドに戻ることに。

そもそもどういう意図での移籍だったのかイマイチわからない印象だったんだけど、とりあえず、トッテナム・ホットスパーでは公式戦9試合にベンチ入りして出場は1試合だったらしい。

シェキエラ・マルティネス (23) → ウェスト・ハム・ユナイテッド

2024年の夏の移籍マーケットで獲得してすぐにSCフライブルクにローンで移籍してた23歳のU23ドイツ代表FWのシェキエラ・マルティネス(Shekiera Martinez)がウェスト・ハム・ユナイテッドに復帰することに。

ウェスト・ハム・ユナイテッドが獲得する前はアイントラハト・フランクフルトでプレイしてて、アイントラハト・フランクフルトでは公式戦100試合以上出場して24得点って数字を残してて、プレイ動画を探してみたらUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグにも出場してた。獲得して即ローンってカタチにしたのは労働ビザの問題だったらしいけど、SCフライブルクでも12試合に出場して5得点・2アシストを記録してるらしい。基本的にはパワーとスピードが武器のストライカーらしくて、形式的には復帰ってことになるけど、ウェスト・ハム・ユナイテッドとしては純粋に新加入のストライカーとして期待してよさそうな感じ。

* 1月6日 追記

レベッカ・クナーク (28) → マンチェスター・シティ

ローゼンゴードでプレイしてた28歳のドイツ人DFのレベッカ・クナーク(Rebecca Knaak)が完全移籍でマンチェスター・シティに加入することに。

2024シーズンのダームアルスヴェンスカンで優勝したローゼンゴードのCBの主力としてリーグ戦26試合の中の19試合に出場(スタメンは18試合)してる(つまり、門脇真依と谷川萌々子とはチームメイトだったってことになる)んだけど、シーズンを通じて9失点しかしなかった堅守の中心的な役割を担ってた(ちなみに、ゴールも12点取ってる)とのことで、リーグの最優秀DFにも選ばれてる。3バックの左CBでの起用が多かったっぽくて、昨シーズンのヒートアップを見るとかなり左に寄ってて、マンチェスター・シティのウェブサイトに載ってるインタビューでも左足のクオリティと長身で(175cmらしい)セット・プレイから得点が取れることが特徴だって自分でも言ってる。年齢と経歴を考えると、アレックス・グリーンウッド(Alex Greenwood)とか清水梨沙とかケガ人が多い最終ラインの補強、特に左CBの即戦力として獲ったって感じっぽい。

ちなみに、日本代表監督になったことで日本でも話題のニルス・ニールセン(Nils Nielsen)の後任として12月からディレクター・オブ・フットボールを務めてるテリース・フォーギャン(Therese Sjögran)が獲得した初めての選手ってことになるんだけど、実はテリース・フォーギャンは直近までローゼンゴードでスポーティング・ダイレクターを務めてた(つまり、マンチェスター・シティが引き抜いた)人物だったりするから、そういう意味ではすごくわかりやすい選手の補強、プレイヤーとしてのクオリティだけじゃなくてキャラクターとかパーソナリティも把握した上での獲得って言ってよさそう。ちなみに、現在47歳のテリース・フォーギャンは元スウェーデン代表選手として214キャップっていうものすごい経歴の持ち主で、2003年のFIFAウィメンズ・ワールドカップの準優勝メンバーだったりする。

* 1月2日 追記

ケリー・ガゴ (25) → エヴァートン

FCナントでプレイしてた25歳のフランス代表FWのケリー・ガゴ(Kelly Gago)が完全移籍でエヴァートンに加入することに。

今シーズンのナントでは10試合出場(スタメンは9試合)で2得点記録してる。本人曰く、スピードとパワーを兼ね備えたストライカーらしくて、キープ力にも自信があるとのこと。過去にはフランスとイタリアでプレイしてて、10月には親善試合のスイス戦で代表初ゴールも決めてるらしい。とりあえず、リーグ戦10試合で6得点のエヴァートンにとっては期待のストライカーってことになるのかな。

1月の移籍マーケットの期限は1/1〜1/30

24/25シーズンのWSLの10節までの雑感を書いた"WSL Watch #133"では「正確な期限は見つけられてない」って書いたけど、BBCの記者のエマ・サンダース(Emma Sanders)のSNSのポストによるとやっぱり現地時間の1月1日〜1月30日の23:00までとのこと。サッカードンナ(Soccerdonna)のSNSのポストでも1月30日ってなってるんで、これで合ってるのかな。ちなみに、ヨーロッパの主要リーグも微妙に数日違ってて足並みはそろってないんだけど、WSLは比較的早く閉まるみたい。

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