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「若者の読書離れ」とコスパ思考【WACODES学園トレンド科】

12月2日(月)
WACODES学園トレンド科
日直:かずと(10期)


 FMラジオ局J-WAVEの大学生・専門学生コミュニティWACODES(ワコーズ)がお届けするポッドキャスト「WACODES学園トレンド科」。

今月の教科は国語、テーマは読書

 今日から4回に分けて配信するポッドキャストでは、現役大学生が読書にまつわる近年の動向に着目し、これからの読書文化について分析しています。

 さて、事の発端は、本企画を考案したメンバーの一言。

 「読書はトレンドになり得るか . . .」

 果たして、読書を「トレンド」として扱ってしまっていいのだろうか。
 読書を流行る流行らないの物差しで語ることについて不信感を抱くリスナーの方もいると思いますが、私たちも同様に読書をトレンドと形容することに懐疑的になりながら企画を進めていました。
 ただ、読書に関する近年の変化や現象を列挙するにつれ、やはり読書の「トレンド的側面」は大いに見出せることがわかりました。
 たとえば、ブックカフェの増加、タワマン文学と呼ばれるSNS発祥の文学ジャンルの勃興、カルチャー雑誌の流行、「#(ハッシュタグ)読書会」のブームなど、どうやら現代社会における読書という行為には興味深い側面がいくつもありそうだ、という具合に。そして、「読書はトレンドになり得るか」という問題提起こそ、私たちが議論したい内容を包括する主題として再び立ち返ったのです。

 1時間目の配信では「若者の読書離れ」について考えました。
 データベースを使って統計を取ったところ、20代の読書離れが増加傾向にあることが判明しました。

「国語に関する世論調査」文化庁文化部国語課、2002, 2008, 2013, 2018, 2023年。

 本を読まない現役大学生にインタビューをしてみました。

Aさん
. . . 読まないです。理由は、時間が限られているのと、その限られた時間の中で読書にあてる優先順位が低い
パッと始めてパッとやめれる、短期的な娯楽という括りに入っていない、読書は。読書よりスマホいじってる方が楽しい

Bさん
. . . 小説読むのって小学校の頃とか読まされる感覚が強くて、苦痛だなってのが多分残ってるのかなと思います。

 思い返すと小・中学校では「朝読書」という時間が設けられ、何かしらの本を「読まされる」時間があったことを話しました。確かに、強制されるから能動的に本を読むことをやめ、苦手意識が植ってしまうのもよくわかります。

 読書の優先順位が低いということについて。
 読書を単に情報へアクセスするためのツールの一つとして考えるのなら、ネットで調べたり「まとめ動画」を見たりする方が効率的なのかもしれません。短い時間で成果を上げる「生産性」が求められる世の中、いわばコスパ至上主義なこの社会には、読破するのに時間がかかる本はニーズに合っていない?

 でもそもそも、物語のあらすじや論の内容だけを伝えるために本は存在しているのでしょうか。単なる情報伝達ではなく、読書体験は読者にとってパーソナルで、感情的で、親密な気付き・出会いが伴うはずです。
 時間がかかることが読書の良さであり、むしろ時間をかけて読むことで得られる自分と本 / テクストとの対話に価値が生まれるのでしょう。

 あなたはなぜ本を読むのですか。なぜ読まないのですか。
 読書とは一体何でしょうか。
 
▼ 1時間目のポッドキャストはこちらから▼


WACODES学園トレンド科
ラジオ好きの現役大学生、J-WAVE WACODESのメンバーが、「今来ている」「明日来るかもしれない」「100年後に流行ってくれればいいな・・・?」な、トレンドを研究するポッドキャストの学び舎です!


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