ラマダンって何?
JVCパレスチナ事業応援サポーターの新田朝子です。
新年度が始まりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。JVCエルサレム事務所がある東エルサレムと活動地のガザなどでは、明日4月13日から「ラマダン」の期間が始まります。一体どんなものなのか?今日のnoteでご紹介します。
1. ラマダンとは
イスラム教徒に課せられた「五行」の一つで、日中は一切の飲食を断つ、断食月のこと。この期間は、およそ1ヶ月間続くとされています。イスラム教は太陰暦(1年354日)を採用しているため、ラマダンの時期は毎年同じではなく、実際の開始日は新月を確認して決められるとのことです。
ラマダンは断食を行う期間のことですが、断食といっても1日中飲食を禁止しているわけではなく、日没から日の出までは食事が許されています。そのため、例年この時期は、夜は大勢で食事をしたり買い物をしたりするため、街がにぎわうそうです。日が出ている間は貧しい人たちのことを思って断食(水を飲まない人もいるほど)をします。
(写真:2019年のラマダン期間のイフタール=日没後にとる食事後の子どもたちの様子@エルサレム旧市街)
ラマダンの期間は子どもも含め家族で夜に外出するため、子どもたちが喜ぶライトのおもちゃなどもよく売られているそうです。
2. 新型コロナウイルスの影響は
日没後最初の食事は「イフタール」と呼ばれています。通常であれば、日没後に家族や親戚が集まり、みんなで盛大にこの食事を楽しみますが、昨年は新型コロナウイルスの影響で東エルサレムでは、家族のみでのイフタールでした。
一方で、昼間は市場に買い物に来る人たちで溢れていたそうです。この期間特有のお菓子やデザートもあり、普段よりも市場に並ぶお菓子の種類が増えるんだとか。
(写真:2020年のラマダン中の東エルサレム)
現在エルサレムでは12月下旬から続いていたイスラエルの3度目のロックダウンが2月上旬ごろから段階的に解除されており、レストランなども店内で飲食ができるようになっていますが、パレスチナ側のヨルダン川西岸やガザでは感染者が増えていることもあり、厳しいロックダウンが続いています。
またパレスチナ以外の湾岸諸国やイスラム教徒が多く暮らす国では、今年も例年とは違ったイフタールとなりそうです。