国際女性デー:現地女性が主役の支援
3月8日は「国際女性デー」
1904年にニューヨークで婦人参政権を求めたデモが発端となり、国連によって1975年に制定されました。イタリアでは、女性に幸福の象徴であるミモザを贈る習慣があるようです。
東エルサレムでは?
東エルサレムの街はどんな感じでお祝いしているのかなと気になり出かけてみましたが、いつもより女性たちの買い物姿が目立つなあと思ったくらいで、普段とはあまり変わらない感じがしました(ちなみにこの日はパレスチナでは祝日でした)。
それでも、花束を抱えた男性の姿や
プレゼントが入ってそうな紙袋をたくさん持った女性たちを見ると、それぞれにこの日をお祝いしているのかなと思いました。
今年のテーマは?
国際女性デーは、毎年国連がテーマを定めています。さまざまな国と地域で行われる国際女性デー関連のイベントでは、そのテーマにちなんだディスカッションが繰り広げられたり、女性たちが自分たちの将来やキャリアについて考える日として定められ、女性の権利の実現のための運動もさかんに行われています。
UN Womenによると、2021年3月8日の国際女性デー(IWD 2021)のテーマは「リーダーシップを発揮する女性たち:コロナ禍の世界で平等な未来を実現する」
このテーマは、世界各地で今よりも平等な未来の実現と、コロナ禍からの回復に取り組む女性や努力をたたえるものでした。
医療従事者、介護者、イノベーターとして、また新型コロナウイルス感染症の拡大と闘う最も模範的で効果的な国のリーダーとして、闘いの最前線に立っている女性たちもいます。
女性たちによる女性たちのための活動
一方で、女性の社会参加とリーダーシップに対して根深く残る社会的・構造的な障壁に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大によって新たな障壁も現れました。
世界のさまざまなところで、女性たちは家庭内暴力の増加、世帯主や自身の失業による家計収入の減少、それに伴う貧困に苦しんでいます。最前線で働く人の大半が女性であるにも関わらず、世界の新型コロナウイルス感染症対策の政策策定の場における女性の参加は少ない状況であるとも言えます。
そんな中、JVCパレスチナ事業では「女性たちによる女性たちへの支援」として2つの地域で女性のエンパワメントを行っています。
<現地女性が主役の活動 in ガザ>
ガザの4つのエリアで子どもの栄養改善プロジェクトを2017年から行っています。対象は5歳以下の子どもとその保護者で、子どもの健康診断や保護者を対象にした栄養、衛生講習、子育てに関するカウンセリングなどを行っています。
ものを与えるという形でのサポートではなく、地元の人たちで「子どもたちの健康を守る」仕組みをつくり、その活動を継続できるように、JVCではガザの現地NGOスタッフや40人の女性ボランティアたちと一緒にこの活動を行っています。
ガザでは全体的に就職率が低いですが、特に女性の就職率が低く、大学を出ても就職先がないといったケースも多く、このようなボランティア女性が地域に根ざした活動を行うことで、自尊心を高めてもらいたいという思いも込められています。
<女性のエンパワメントin 東エルサレム>
パレスチナの女性はイスラエルによる占領の抑圧だけでなく、家父長制による男性優位のアラブ社会というストレスを抱えた男性からの暴力、家庭外の活動に対する制約などの困難に直面しています。
JVCは、2021年2月から、特に歴史的背景や閉鎖的な部族社会という点で女性が厳しい状況に置かれる東エルサレムのアットゥーリ地区において新たな事業を始めました。現地NGOと協力し、リーダーシップやジェンダー平等などを学ぶ講座を開催したり、洋裁などの職業訓練などを通して、女性の自尊心を高めるための活動を行っています。
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