2023年夏、白内障手術のてんまつ(Ⅰ)
【トップ画像】この映像カットは、“おぼろ月夜”というほどではないが、白内障の手術前は、月全体がぼわっと霞んで見えた。(韓国ドラマ「花が咲けば月を想い」の一場面~禁酒令を取りしまる官吏が闇酒を造るヒロインを追い詰める)
ええっ!? これが白内障?
去年の秋あたりから、右眼がかすむようになりました。
テレビの見過ぎか、深夜のパソコンのせいか……原因はよくわかりませんが、たぶん眼精疲労だろうと思って、目薬を1,500円台の<眼科用薬>に代えたのですが、いっこうに効き目がありません。
そして、今年(2023年)に入って、いよいよ右眼の中心に白い濁りを感じるようになりました。
これはもしかしたら、白内障という代物ではないか?
母の白内障の両眼手術に立ち合ったときのことを思い出し、急に恐ろしくなってきたものの、生来の“病院ぎらい”、ぐずぐずしているうちに日がたっていきました。
その間、ネットで白内障のことを調べ、予防法はおろか、進行を遅らせる手立てすらないことを知り、眼球にメスを入れるしか治療法はないのかと、気が落ち込むばかりでした。
思い切って受診、いきなりの「手術宣告」
そこで、眼科医院を開業している連れ合いの妹さんの元同級生なら、手術せずに済むという一抹の希望を叶えてくれるのでは、とすがる思いで受診したところ……各種検査のあと、あっさりと「白内障ですね。かなり症状が進行しています。すぐ白内障の手術をしたほうがよろしいですね」と、いきなり宣告されてしまったのです。
白内障は、70歳代になると、ほぼ全員が黄色信号、80歳代になれば「100%罹患し、いずれ失明してしまう」という、これはもう“国民病”と言ってもいいくらいのごくありふれた「病気」で、「手術は不安でしょうが、かんたんに済みます」とのこと。
このまま放っておけば、新聞は読めなくなるし、大好きなプロ野球中継だって韓国ドラマだって見られなくなる、それに外出もおぼつかなくなってしまう。
その先生は、「さいわいなことに、左眼はまだ軽い症状ですから、手術は右眼だけです」と診断してくれたのですが、眼がメスで切開される、そう想像しただけで、頭が真っ白になってしまいました。
おそるおそる手術の様子を聞いてみると、<眼球に極細の針を入れ、白濁の原因である老廃物を吸引し、そのあと人工レンズを装着して終了>というお話……。
やっぱり恐ろしい!
先生は畳みかけるように、「うちでは手術できませんので、公立の大病院なら××病院、ご自宅の近くなら定評のある〇〇眼科に依頼書を書きますが、どうされますか」。
そういきなり聞かれても即答できず、「家に帰ってから、どちらの病院がよいか考えてみます」と答えるのが精いっぱいでした。
(つづく)