大東流の口伝28
次は、踵-股関節軸です。
これは呼吸体操の形で学びます。踵-股関節軸は脚の軸ですからわかりやすいのですが、通常は真っ直ぐに立って、確認するところから始めます。踵と股関節を結ぶ棒を意識するということです、ということは、ひざは関係ないのです。初心者は股関節直下にかかとを置き、床を「ドン!」と踏みしめることで軸の意識が掴みやすいと思います。この意識が出来ると、軸を倒して(呼吸体操の形)も使えるようになるのです。
次は、体幹部です。ここは背骨を軸と見立てるわかりやすい方法もありますが、背骨は仙骨・尾骨まで入れると26個の骨が積み上げられており、また、脚に直結していません。ここをどう解決するか・・・、先人が苦労(工夫)したところです。新陰流兵法では西江水によってこれを解決しました。日本伝合気柔術では、合気柔術躰動法の形の中で教え・チェックします。
ところで、ヒトは移動する動物です。この移動とは骨盤を運ぶことです。骨盤の上に重要な臓器を乗せ、さらに頭も乗せている。したがって、骨盤回りには強く巨大な筋肉群が整備されています。手脚は骨盤を行きたい方向に導くだけの道具ということです。言い換えれば骨盤回りは強大な力を持っている、そしてそれを外部への通力として活用することができる、ということです。