大東流と無刀取り1
鶴山先生のメモです。補足説明と共に紹介します。
大東流と無刀取りの関係を述べれば、江戸柳生系合気柔術の場合はすべての技法が無刀取りであるが、小野派系(柔術・合気柔術)の場合は、刀を差していない場合か抜刀していない場合、という想定であり、無刀取りはない。また、「無刀取り」とう名称から「素手で勝つ技法」と受け取られるが、江戸柳生系合気柔術ではそうではない。この意味で、江戸柳生系合気柔術とその一部を改変した植芝合気道とでは本質的に異なっている。植芝盛平は素手で相手を制圧することを強調しており、この時点で、大東流の流れ(伝統武芸)を汲む流儀から離れたばかりか、どんどん武術とは関係のないものに変質してきたのである。
江戸柳生系合気柔術の無刀取りとは何か? ここで無刀取りが重視される理由は、殿中武法だからである。江戸城内では、老中・若年寄クラスしか習えなかった江戸柳生の刀法の基礎鍛錬法がそのまま無刀取りにつながるのである。
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