襲名
八光流では、奥山吉治が名乗った「龍峰」を同氏の息子である俊夫が襲名し、現宗家として活動されています。
さて、襲名とは、親又は先祖の個人名を継ぐことをいい、昭和初期までは一般的にも行われていました。家督相続とも関係が深く、取引の安全を担保する仕組みでもあったのでしょう。
現在では、主に「古典芸能や伝統的な特殊技術を要する職業で、先祖、父兄、師匠その他先人の名跡(みょうせき)を継ぐこと。」として用いられています。
鶴山先生のメモに落語の世界を例にした襲名についてのコメントがあります。
落語は芸を継げない、個人の芸すなわち師の語り口を継げばモノマネになってしまうからである。話術という技術の伝承であるので個性そのものは継げない、名声(評価)と名跡(その名前)を継ぐのである。
武道の世界でも、その流派の権威や伝統、特出した名人の技術を継承していることを公表するために襲名が用いられるのでしょう。襲名することで。名は体を表すことを目指しているのかも知れません。