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極意秘伝のはなし4
神道流柔術秘学抄に「心を主人とし、手足を臣下として・・・」手随心転・法従手出を説明しています。心は生命活動の本源であるから他の臓器と比較すると、二重になって心を包んでいます。したがって、心の外包を心包と名付けています。
和漢三才図会には、「心包(絡)は君子(心)の外衛たり、なお、かの帝厥(ていけつ)の重城のごとし」といって宮城の外濠をもって表現しています。
柳生心眼流五行巻には、木(肝)・火(心)・土(胃)・金(肺)・水(腎)の五行と、その不調となる理と、正常な運動とを解説しています。そして、なお「数」の発生であるところの奇数・偶数の十幹(十干)を示し、天体の星で火星・水星・木星・金星・土星により方位を定めて、武道の進退動作の処置を教えています。この五行を象形して五輪塔で示しています。
宮本武蔵も剣の道を望んでやはり五行をもって説いています。
補足説明:五輪塔とは、五輪卒塔婆(ごりん-そとば)のことで、日本国語大辞典によれば、「平安中期ごろ密教で創始された塔形で、石などで五つの部分に作ったもの。方・円・三角・半月・団(如意珠)の五つの形を作り、それぞれ地・水・火・風・空にあて、下から積み上げた形のもの。これはもともと大日法身の形相を表示したもの。」とあります。柔術の伝書では、これを五体にたとえ、陰陽(日月)をもって左右とし、当身活殺の部位を口伝としたのでした。当身五輪塔図や五輪塔急所図が知られています。
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