筋トレと武術
先 輩:今日は体が重そうだったけど、最近、何かやりましたか?
筋さん:ジムでちょっと筋トレを・・・
先 輩:そうでしたか。筋さんは、若いころから、よく筋トレ
やっていましたよね。それって稽古に役立っていますか?
筋さん:うーん、プラスではないというか、
ほとんどマイナスな感じですね。
先 輩:そーですよね。でも、また、ジムに行く・・・
筋トレって何がいいのですか?
筋さん:そうですねー
○疲れますが、充足感があること
○やっているといわゆるランナーズハイ、高揚感があること
○鏡を見れば、成果が見えますから、満足感があること
○負荷も目に見えるので、目標が明確で達成感があること
○健康にもプラスに働き充実感があること
といった、ところでしょうか。
先 輩:なるほど、だから多くの人がハマるのですね。
筋さん:でも、何か違う・・・ この違和感どうしてでしょう?
先 輩:私は、筋トレのことはよく知りませが・・・
イチローのように特別なマシンでコントロールして鍛えることがで
きれば、いいでしょう。しかし、普通の器具を用いて外側というか
見える筋肉を鍛えることは、我々の武術には必要のないこと、むし
ろ避けるべきことだと思います。
筋さん:最近、私もそう思います。
先 輩:鶴山先生もボディビルダーのような体を作ってはいけない、
と話されていました。「年をとったら大変だよ・・・」と
筋さん:でも、筋力も重要ですよね。
先 輩:もちろんです。植芝盛平・久琢磨など諸先生方は若いころ徹底的に
鍛えていますから。問題はどこをどのように鍛えるか、ということ
でしょう。
筋さん:いわゆるインナーマッスルでしょうか?
先 輩:そうですね、そのほか、腱や靭帯もある程度鍛えることが重要です
ね。柔術や合気柔術は形の稽古の中でこれら鍛錬を行いますから、
適度な負荷で、ゆっくり鍛えることができるのです。ただ、これだ
けでは満足できない、もっと即効を求めたい、特定の部位を鍛えた
い、という先生方は、鉄扇(鉄棒)や一升瓶などで手首その他を鍛
えていた、と聞いています。
筋さん:そうか、そこだけ鍛えられるマシンがある、指導できるトレーナー
がいるジムに行けばいいわけですね。
先 輩:えっ??? そういうことでは、ないと思うんだけど・・・