大東流の口伝4
ところで、この五ヶ条、柔術の口伝としては正しい(柔術の目録ですから何の問題もありません)のですが、大東流全体をまとめる口伝という観点からは不十分である、と筆者は思っています。だから、このことを分かっていた鶴山先生は記載を止めてしまったのか・・・、と思ったりもします。柔術を基礎(入門)とし大東流全体をとらえる口伝とするならば、それらは次のよう・・・だと思っています。
一、朝顔之事
二、巴卍之事
三、霞 之事
四、六法千鳥之事
五、二刀之事 新規二ヶ条と改訂四か条です。
いずれにせよ、手捌・足捌・腰捌の口伝であるわけですが、これらには統一理論があることにお気づきでしょうか? 宗教的・哲学的なものではありませんよ。
ところで、柔術は、逆ひじなどヒトの構造的弱点・限界を攻める技術です。ひじなどの構造的弱点の部位は壊れないように丈夫にできていますから、その部位が有する力を有効、かつ、効率的に使う技術も柔術テクニックになります。でも、大東流の構成者たちはさらにその先の技術に気づいていたのです。つまり、口伝5ヶ条は表面的にはこれら柔術テクニックのことをいっていますが、さらに奥の術理として相手の頭を混乱させるという統一理論と技術のことを教えているのです。何をいっているのか???ですね・・・
ここは追って説明します。