伝えることの難しさ
師が弟子に伝えられることは、技(実技・動作)・術理(合理的技術理論)・口伝術理までで、その先は自ら体得すべきとされています。この伝えるところがなかなか難しく工夫のしどころです。技を見せ何の説明もなく「ハイ、どうぞ」で、あとは自得できるかどうかに任せるという稽古方法の団体もあるようですが、これでは多くの場合、我流や力技になってしまいます。
武術は最終的には自得・体得すべきものですが、その前段には学ぶべき技や術理があり、その本質を弟子に伝授しておく必要があります。説明がないのは論外として、説明しすぎるのもよくないとも言われますが、今の時代、丁寧な説明は必須でしょう。
師の説明に対し、弟子側の受け取り方はいろいろです。きちんと説明したつもりが、伝わっていなかったといことは、よくあること。
師=講師=・・・=教える側:教えたつもり
でも、できていなかったこと、
分かっていなかったことに気付かされ愕然
自分の努力が足りないのか…
弟子=受講者=・・・=教そわる側:分かったつもり、そのときはできても
日数が経つと忘れてしまう
ちゃんとノート整理しているのに、
同じことばっかり書いてある…
こうしてみると、武術の世界だけの話ではなさそうですね。