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EURO2024 イタリア×スペイン マッチレビュー

お久しぶりです、二浪です。今回はユーベではなく我らがアッズーリのマッチレビュー。

以下スタメン

イタリアは前節と全く同じメンバーがスタメン。保持シーンではジョルジーニョとバレッラがダブルボランチを形成。ペッレグリーニとフラッテージがシャドーに入り左大外ディマルコの325に可変する。

スペインは前節から左CBをナチョ▶︎ラポルトに変更。保持ではFルイスが落ちながらボール循環を生み出してライン間にペドリを置く形に。

前半

質を押し付けられて

前半早々から右サイドではディロレンツォがニコウィリアムズにボコボコにされるというセリエAファンからは信じられないような光景が。さらに前プレをキックひとつでモラタにひっくり返されるシーンが続き、バストーニもモラタ対面の迎撃が不利であることを早々に分からせられてしまう。

スペインのボール保持はSBが広く高めの位置を取りながらロドリ&ファビアンルイスで相手を引き出しながら前進する形。イタリアが特に苦労したのはロドリとペドリの管理だ。

1stプレッシャーのスカマッカのカバーシャドウをはずして落ちるロドリをどうしても捕まえきれない。ジョルジーニョにプレスに出て来いとバレッラが指示するシーン(20:35)なども見られたが、そもそも同サイド圧縮が甘く、中央の広大なスペースをアンカーがカバーしなければならないという状況はジョルジーニョにとってはあまりにも酷なものだ。

1stプレーでニコに分らされたこともあってかDFラインのラインアップも消極的。18:47にもジョルジーニョに上がれと指示を受けてしまう。スペインは一人一人が相手の足を止めながらボールを動かせることもあってプレスがかからないままイタリアは間延びし続ける羽目に。広大なスペースでぺドリを捕まえ着れずにボールを引き出されたり、CBorロドリのキャリーで陣地を進められたりニコ相手にダブルチームを組まされる影響で押し込まれたりとタジタジだった。

自らの首を絞めて

イタリアの保持はどうだったのだろうか。ゴールキックからのプレス回避ではダブルボランチのファビアンルイスを引き出した背中でバレッラを逃げ道として前進

前線にスカマッカを置いている以上同数でこられたらこだわらずに蹴ることが多かった。アルバニア戦で見せたようなジョルジーニョ-バレッラ間で段差を作りながら全身をするようなシーンはなりを潜めてしまう。


死に体の右サイド

ファビアンルイスがジョルジーニョを捕まえにくる都合上サイドのスペースは空くのだがフラッテージはライン間に常駐しボールを引き出せない。キエーザはククレジャに出足をすべて潰されて右サイドは完全に機能不全に。

そしてさらに問題だったのが全体として相手をひっくり返した時の判断の悪さだ
ジョルジーニョを抱えている以上オープンスペースの管理などできるはずもないチームなのだが相手をひっくりかえしたあとは加速して完結まで行こうとしてしまう。両シャドーも逆サイドへの接続の意識が薄く外循環で相手に簡単に対応されてしまう。そのせいで保持の時間を作れず相手に簡単に陣地を取られて押し込まれ続けてしまうようになった。わざわざ不利な状況で勝負を挑み、自分の首を絞めているように感じてしまう前半だった。

後半

イタリア
OUT           
フラッテージ
ジョルジーニョ

IN
カンビアーゾ
クリスタンテ

後半、イタリアは選手交代を行いカンビアーゾを右、キエーザを左に回してアンカーにバレッラ、IHにクリスタンテを置く。
前半の広大すぎるスペースの管理はジョルジーニョには厳しいと判断したのだろうか。アンカーには本職では無いが可動範囲が広いバレッラを置くことに。

非保持強度をあげるためのクリスタンテだったのであろうが、後半開始直後の踏みつけでイエローカードを貰い、守備プランがいきなり厳しくなったのはイタリアには相当の痛手だった。

付け焼き刃の修正と

後半のイタリアはウイングに対してよりはっきりとダブルチームを組むようになる。ただスペインはそんな時の回答は当然持っていて、ククレジャ、カルバハルがポケットに侵入して殴ってくる。

ダブルチームの対応ははっきりした反面、ポケットの管理は曖昧。途中交代のクリスタンテはククレジャに簡単にポケット侵入を許しクロスを上げられ、失点シーン直前の右からのポケット侵入もバレッラ-キエーザ間で管理が曖昧になっていたところからだった。
ククレジャのサポートランにつられてニコとディロレンツォを1vs1にされたところから。クロスを弾いたところが足にあたってオウンゴール。この試合出色のパフォーマンスを見せていたカラフィオーリにとってはあまりにも酷なものだった。

バレッラを中盤底に置いたもののバレッラですら中盤の広大なスペースは埋められず、不慣れから来るポケット管理の曖昧さがさらにピンチを招く始末に。スコアこそ0-1であるがDFラインとドンナルンマの奮闘がなければこんなものではすまなかっただろう内容だった。

リードを取ったスペインは80分辺りから押し込まれるのを許容しながら撤退守備に移行。試合を通してプレッシングから撤退まで全員の目線が揃ったスペインの非保持は素晴らしいものであった。


終わりに

個人的に今回のイタリア代表はジョルジーニョを核としてジョルジーニョのためのチームを作るものだと考えていた。
ロカテッリの選考漏れやウイング不在、多いバックス陣の招集はジョルジーニョの相方候補として落選したことやジョルジーニョ介護のための3バックのためだと考えていた。
実際本戦が始まってみれば非保持は4バック、保持3バックで純ウイングの層の薄さに悩み、ジョルジーニョにはとても管理できない広いスペースを管理するタスクを与える守備設計を組む戦いを見せられた。そしてスペイン戦ではジョルジーニョが交代。
コア運用想定の選手だと考えていただけにこの交代は衝撃的であった。

招集メンバーとやりたいサッカーの間で溝があるのだろうか。この敗戦を受けてクロアチア戦でスパレッティがどのような戦いをするのか是非注目していきたい。



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