福祉現場の叫び:効率化しないと未来はない!#68
たった今、多数の福祉施設の方々と定期で行っている会議を終え、「あー、これじゃ一生変わんないわ」と思ったことがあったので、熱が冷めないうちに書きます。
人手不足が多くの産業で叫ばれている中、福祉業界も現状のままではなかなかに厳しい状況にあります。賃金が低すぎる、長時間労働、連チャンの夜勤など、要素は盛りだくさん。長年勤めていて今さら転職はないという人か、余程の熱い思いを持った人以外は、福祉業界から離れていくという流れが今後ますます加速しそうです。日本の福祉制度上、(特に非営利団体は)施設の自助努力では待遇改善には限界があるのです。この辺りは、以前の記事をご覧ください。
で、上記はシステムの話になるわけですが、そうは言っても忙しい!人手が足りない!という状況にあるのは“今”なんです。すぐに人が増えるわけでもなければ、援助を必要とする人が急激に減るわけでもない。じゃあ、限られた人的リソースの中でどうすれば仕事上に若干の余白を生むことができ、本来の仕事の援助に時間をかけることができるのかを考える必要があります。
その時のキーワードとなるのが“効率化”です。
(福祉畑の人らはこのワードに強度のアレルギーを持っていると私は感じています)←私個人の所感
一言に福祉施設といっても、施設規模に大小があって。経理の人を雇っているところもあれば、そこは最小限にして現場のスタッフが補助金申請に必要な請求業務などの事務を兼務することもあります。非営利の団体ほど、後者になっているのかなと思います。
日中は利用者への援助を行い、朝夕は送迎。利用者個人の援助記録も作成する必要があり、団体や関連業務の時間は残業が当たり前。余裕がなくなってくれば、仕事に追われるストレスから利用者への援助もベストなものにはなりません。そうして悪循環が個人から施設全体へと波及して…時には虐待案件に繋がってしまいます。施設内で認識しても隠してしまうことだってある。
それもこれも、今の状態で何とかなるはずはなく、できることと言えば事務作業の効率化や自動化を図ったり、連絡も電話主義をやめることなんですが…いまだに手書きの記録や書類作成、FAX文化、対面思考がありまくる。
悪循環になっている今を変えたいのに、それを変えるために今を変えようとしない。急ぎや大事な案件はFAXでもらっていいですか?と堂々と言っている同世代のスタッフを見て、正直「終わった...」と思ってしまいました。同世代(30代)のスタッフがネイティブにこんな発想になってしまうのも、旧態依然の福祉業界に根付く文化があるんだなぁと強く感じました。
余裕がないけど、それを好転させるための学びをすることもない。口を開けば人がいないんだ、制度が悪いんだと言います。たしかに、制度が十分ではないし、実態に合った形に変えていくために運動をしていく必要もあります。ですが、状況はすぐに変わるわけではないし、今を生きている人を私たちはサポートしています。じゃあ、その人たちには「制度が変わるまで待ってね」と言うのでしょうか。決してそんなことはないはずです。だったら、今から逃げずにどうやったらベストな援助ができるのか。個人、施設レベルでそれぞれできることをやることが、とても重要な視点ですし福祉の専門職として果たすべき役割だと思っています。
寝言は寝てから言え、ではありませんが…まずできることと言えば自分の考えや行動を改めることです。他責思考ではなく、自責思考。変えることができるのはジブンだけです。業界のあたりまえ文化にのみこまれてはいけないと強く強く感じました。
みなさんの所属している業界にある当たり前の文化。
そして、そこに違和感を感じたときにどのように行動されたでしょうか?
多様な視点を自分に取り入れることってとても大切ですよね。
ジブンドリブンで生きていきます。
問題はなかなかに根深そうです…
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた。ゆうちゃんでした。