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何ごとも逆算でつくるべし!を実感した日#72

お盆ということで、実家に帰省しています。
本心はお盆とか正月とかGWとか…絶対に混雑する期間は避けたいところなのですが、まあ、まだ子が小さいしジジババにも顔を見せなきゃなーと思ってきています。

その中でも、私自身も帰省を楽しむために、ちょこちょこと行き場を増やしていて(中学や高校の同級生ではない)、その一つが複合型商業施設の「NEST女池神明」というところです。

この中に入っているコーヒーショップが、コンセプトからオーナーさんの思いとかコーヒーのクオリティとかまで色々と気に入っていて、最近の帰省時は行くようにしています。こちらは、我が家の設計で携わってくださった建築家の方のオフィス機能の一部も入っているというご縁で教わった場所で、地元とはいえ人から聞かなければ知りませんでした。

今回は、このNEST女池神明を訪れて実感した、逆算でつくるという点について書いていきます。


〇逆算開発はもともと知らなかった

タイトルから偉そうに逆算だと言っている私ですが、つい最近まで全く知らなかったことです。まちづくり、地方都市再生の専門家で、Voicyパーソナリティでもある木下斉さんの発信を見たり聞いたりしていく中で知り、学んだことです。

例えば、店舗レベルの話で言うと、よくあるのって箱モノができてそこにどのような店が入るのかということだと思います。施設に合わせて、その中に収めていく形です。最近は、行政主導で進めたまち開発で建てた商業ビルなども、テナントが入らない…なんてこともざらになってきていて、今までのやり方に限界を感じます。

逆算とは、まずどのような店が入るのかを先に決めて、その人たちと一緒に箱を作っていきます。なので、商業施設のオーナーも建ててから店が入らないというリスクを抱えることはなく、しかも店舗側にとっては自分たちがオペレーションしやすいように設計したり、コンセプトを形にできるというメリットも。やっぱり、あるものに収めていくとどうしてもこだわり切れない状態になってしまうということが起こってきますので、コンセプト重視の店にとっては痛手だなと感じます。

逆算開発の詳細は以下の記事を(連載です)ご覧ください。

〇コーヒーショップのためにつくられた空間

このNEST女池神明という商業施設の中に、「Days Coffee Roaster」というコーヒーショップが入っています。

とても気に入っているお店です。コーヒーのクオリティはもちろんなのですが、既存のコーヒーのイメージを壊してくれる出会いやワクワクがあります。コーヒー豆をディスプレイするためにつくられたカウンター、陳列棚、ドリップする台も高さから使い勝手まですべてがコーヒーショップ仕様になっています。

なので、空間に無駄がないと感じたし、スタッフさんがお客さん一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを取ってくれるので、コーヒーの知識がなくても好きという気持ちさえあれば楽しく、緊張感無くコーヒーを選ぶことができます。(すべて試飲可)

建物の設計時から店舗が決まっていることで、融通が利くというのが店舗側にとって最大の利点だと思います。一から物件を立てて自前でやっていくという手段はあっても、コストとリスクで見たときにはかなり思い切りがいりそう。

そういう点でも、逆算で進めていくということはとても重要だと感じました。今までは、頭で理解していたつもりでしたが、実例を見るとより理解度が増しました。(とはいえ、運営元に聞いたわけではないので、私が目にしてそう感じたという理解でお願いします。)

〇ターゲットを大衆にしてはダメ

ちなみに、こちらのコーヒーショップですが、コーヒーのことってよく分からないとか、とにかくぐびぐび飲みたいんだという感覚を持っている方にはマッチしにくい感じです。

コンビニコーヒーが最強だ!という人に、数千円のコーヒー豆はそもそも選択肢に上がらないと思います。(勝手なイメージ)
それでも、今まで自分がもっていたコーヒーの概念がアップデートされ、楽しみ方が変わったという方もいるはず。

それくらい、安価で触れているコーヒーの世界は幅が狭いということですが、一度踏み込んでしまうとこのコーヒーの世界の幅広さに圧倒されます。どんな味?どんな香り?どんどんと好奇心が刺激され、一度飲んだあの味が忘れられなくなります。

どこで飲んだか、誰と飲んだか、季節は夏だったのか冬だったのか、どんな香りや味だったかという五感を刺激する要素が絡み合って、記憶に刻まれていく。またこのコーヒーを飲みたい!
そんな風にお客さんの思い出をハックしてくるコーヒーづくりをされている方は心からリスペクトしています。

コーヒー一杯の値段も一つの線引きになっていると思っています。 #ペイウォール
コンビニやマクドナルドのコーヒーにちょっと金額を乗せたくらいだとすっごく多くの人が来て、倫理観の無い批評家が増えてしまいそう。(コンビニやマックのコーヒーがダメということではないです)
大衆をターゲットにせず、一定の線引きをするということもまた、重要なことだなと思いました。

まぁまぁな金額のコーヒーを手にした私は、このコーヒーいつ飲むか、誰と飲むか、自分で淹れたらどんな味になるかな?という色々な気持ちが湧いてきました。単にコーヒーを買うというものの売り買いにとどまらず、きっと提供側と受け手との間に生まれる感情(ポジティブな)にも想像を巡らせることって大切なんですね。

受け渡し窓口の小窓から

そこまでやりこむには、やっぱり逆算でつくるがキーワードですね。
ひとつ、学びがリアリティをもったという出来事として書いてみました。

最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた。ゆうちゃんでした。
(サムネイル画像は本題とは無関係の、帰省で海に行ったときに取った娘の後ろ姿です。T!)

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