確定拠出年金って?
企業や個人が自由に入れる私的年金が、確定拠出年金です。
確定拠出年金の税制優遇措置は、大きく三つ。
・各種NISA同様、運用して利益が出たときにかかる約20%の税金が非課税であること
・受け取り方に応じて、退職所得控除・公的年金控除の対象になること
・企業型確定拠出年金のマッチング拠出や、個人型確定拠出年金(iDeCo)で拠出した全額が所得控除になり、現役時代の節税につながること
運用できる商品は「元本確保型」と、価格が運用成績によってかわる「価格変動型」があります。
両方の併用も可能。
元本確保型の場合は主に保険や定期保険、価格変動型の場合は、主に投資信託が購入できます。
確定拠出年金は大きく分けて二つあります。
一つは、勤務先が従業員のために制度を利用しているもの。
これは企業型確定拠出年金(=日本版401k、DC)と呼ばれることもあります。
企業が掛け金を毎月拠出し、加入者である従業員が、自ら資産の運用を行うもの。
なかには企業が拠出する金額に加えて、企業が拠出する金額を超えない範囲で加入者が別途掛け金を上乗せできる、マッチング拠出と呼ばれる制度を採用している企業もあります。
上限額は、確定給付企業年金など、他の企業年金制度がある場合で月27,500円(2024年12月からは月55,000円から、実際の掛け金相当額を差し引いた金額が上限となる予定)。
他の企業年金制度がない場合で、月55,000円です。
マッチング拠出で本人が上乗せして拠出する金額も含めての、上限額となります。
もう一つは個人型確定拠出年金(iDeCo)。
適用枠が拡大され、65歳未満で国民年金を支払っている人は誰でも加入できるようになりました。
現時点では、企業年金のある会社員においては企業が拠出する金額について規約で上限を定めなければ、加入できないという制限はありますが、この制限は2022年10月に緩和され、企業が上限額を規約で定めていなくても、一定
の限度額の範囲内であれば、加入できるようになります。
iDeCoの拠出可能額は、自営業者は、最大で月額68,000円(年間81.6万円)。
会社員だと、確定給付企業年金がある場合で月額12,000円(年間14,4万円)、企業型確定拠出年金のみがある場合で月20,000円(年間24万円)企業年金がない場合で月23,000円(年間27.6万円)が拠出できます。
公務員は月12,000円(年間14.4万円)専業主婦は月23,000円(年間27,6万円)まで。
iDeCoに加入する一番のメリットである節税の恩恵を受けられるのは、節税しなくてはならないほど儲かっている自営業者か、平均年収が700万円以上のサラリーマンか公務員です。
自営業者については、小規模企業共済にも加入できます。
小規模企業共済は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する制度で、個人事業主などの積立による退職金制度です。
月々の掛金は1,000円から最大で70,000円(年間840,000円)まで、500円単位で設定でき、確定拠出年金と同様に全額所得控除されます。
20年以上の加入で元本が確保できるほか、積立金額に応じて借入が受けられる制度もあるので、資金繰りが苦しいときには重宝するかもしれません。
iDeCoと小規模企業共済の両方とも上限まで利用すると、最大年間165.6万円の所得控除を受けることができるので、黒字が順調に出ている個人事業主は、ぜひ併用を検討したいところです。
どちらかを選ぶという場合は、小規模企業共済を選んだ方が良いかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?