ふとまに 三十六
#ふとまに 三十六
*語意
扶治り/ふちり:
援助して統治すること 助けて調えること 扶養 扶助
高らう連/たからうつら:
上層のグループ 高位にある連中 エリート
温め鳥/ぬくめとり:
雛を温め保護する親鳥
椋/むく:
繁茂する鳥 鳥の大群 椋鳥
活く/いく:
勢い付ける 活発になる 進展する
原/はら:
領域 範囲 場所
治/はら:
政治 統治 領有
民/たみ:
人びと 国民
繁る/ちる:
繁栄する 勢い付く 成熟する
らし:
~であるようだ
*意訳
”人びと=国民”を困窮させることなく豊かに国を統治するには
支配階層の超エリートたちであればこそ
あたかも親鳥が雛を温めて保護するような『優しさと愛情に満ちた人間性』が欠かせない
たくさんの鳥たちが元気いっぱいに育って活動できるような”領域=政治体制”であればこそ
”人びと=国民”もまた豊かに繁栄することだろう
*十楽註
この『優しさと愛情に満ちた人間性』が欠かせない政治体制とは、孔子の教え『論語』で強調される『徳』[立派な行いや品性 すぐれた人格]を以って為す政(まつりごと)ということになるのでしょうか。
翻って、現代の国際政治を”陰=かげ”の世界で牛耳っているエリート支配層(超支配勢力)の連中には、憤懣やるかたないことに、『徳』の想念など全くあり得ないのが実情でしょう。むしろ、その真逆です。神様は、わたしたちが生かせていただいている、今のこの時代に、最も『不徳にして悪辣なる』行ないの数々を、あえて私たちの眼前に繰り広げてくださっているのです。そして、私たちは、その『不徳』の極みを見つめ、気付き、ついに覚醒するに違いありません。
あきらめてはならないのです。必ずや、いにしえのまつりごと、すなわち[為政以徳][徳を以って為す政]、[温め鳥、椋活く”原” / ”治”][ぬくめとり、 むく いく はら][あたかも親鳥が雛を温めて保護するような『優しさと愛情に満ちた人間性』に満ち溢れる、たくさんの鳥たちが元気いっぱいに育って活動できるような”領域=政治体制”]を、もう一度、この現代に取り返しましょう。