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古典にみる就職活動必勝法

先日、谷崎潤一郎の「細雪」を再読する機会がありました。何度読み返しても、面白い箇所がその都度違う小説です。

理科系の方は文学など関係ない、とお考えかもしれませんが、実は就職活について学ぶところが多いのです。この小説、三女の雪子の結婚問題というのが根底にあり、それをめぐる芦屋在住の姉妹たちの日常が描かれています。

雪子はいろいろな事情で当時としては婚期が遅れているので、周囲は大変あせっています。家族はいろいろな見合い話を探しています。

前置きが長くなりました。
要はこの雪子が結婚を決めるまでのプロセスが、就職活動に大変似ているのです。
小説の中だけでも、5,6回見合いをしています。
見合いもに断られたり、こちらが断ったり。

しかし、雪子の粘り勝ちで、最後は華族の流れを汲む子爵の次男を射止めます。
途中、見合いに山あり谷ありで、先方からの電話の誘いを断ったというだけで見合い話が壊れたり、顔にシミがあると言われたり、理不尽な断られ方も多数あるのです。そもそも妹が問題を起こして新聞沙汰になったとき、間違えて雪子の名前が出てしまったという前歴もあるのです。

でも雪子は淡々と見合いを続けます。
この姿勢、ぜひ見習って欲しいものです。

家族も話がまとまらないと、「次いこう!」という感じでどんどん声をかけ、話をもってきます。このあたりも偉いです。

当時は自由恋愛はあまり評価されなかったので、自分で相手を探しにいくことはできません(妹はこれに反してかなり自由なことをしています)。

なので、そういう場を周囲が探しにいくしかないのです。
雪子は学生がリクルートスーツを着るように、そのつど振袖を着て見合いに出かけていきます。

そして、まとまらなかった話はすぐ忘れる。

もう二度と会う相手ではないからです

筆者は就職活動にもこの

「縁がなかった」という言葉を採用したいです。
悪いのは自分でも相手でもなく、縁がなかったのです。
だからよりよい縁を求めてまた出て行くのです。
戦前の女性は、意外とタフだったりするのです。

【今日の画像】M家の愛猫「てつ」君です。てつ君もホームセンターの駐車場でうろうろしているところをリクルートされ、幸せな毎日を送っています。なんでもご縁です。

似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長)
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/publish/
ブログ「獣医学の視点から」

オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/


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