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天剣術(6)~天剣と「状態が運命をつくる」(その2)

剣術家ヒロちゃん(以下、ヒロ) お茶淹れて来ました、どうぞ

凡智 ありがとうございます

ヒロ さて、どこまでお話しましたか?

凡智 「状態が運命をつくる」というお話でした

ヒロ そうでした、状態とは「心のあり方」と言っても良いかもしれません。「心のあり方」が意識をつくり、意識が思考をつくり、思考が感情をつくり、感情が気分をつくり、気分が気質をつくり、気質が性格をつくり、性格が行動をつくり、行動が習慣をつくり、習慣が運命をつくる…なので、まとめると「状態が運命をつくる」ということになります。

凡智 そして、状態には二つの状態がある、というお話でした

ヒロ はい、状態には「良い状態」と「悪い状態」の二つがあり、それをそれぞれ「美しい状態」と「苦しんでいる状態」と呼んでいるようです。

凡智 「美しい状態」から出発して意識、思考、感情…と流れをつくり、それを行動から習慣にしていくことで、その人にとって望ましい運命を形づくることができるというわけですね

ヒロ そうです、反対に「苦しんでいる状態」から出発して、それを行動から習慣化していってしまうと、その人にとって望ましくない不幸せな運命が形づくられることになってしまいます

凡智 なるほど、「苦しんでいる状態」とは恐れや不安、怒りや悲しみ、焦りや嫉妬で心がかき乱れている状態のことでしたね

ヒロ はい、そのとおりです

凡智 いま思ったのですが、SNSやネットでは連日のように誰かが誰かを批判したり、攻撃したり、誹謗中傷したりがくり返されていますが、これは「苦しんでいる状態」を拡散していると言えませんか

ヒロ 言えますね。いま社会全体が「苦しんでいる状態」から出発して、ものごとを考えて、行動していますので、いわば自分で自分の首を絞めている状態ですね

凡智 「苦しんでいる状態」の悪循環から抜け出す方法はないのでしょうか

ヒロ あります。しかも「苦しんでいる状態」から抜け出すことができるだけでなく、「美しい状態」にする方法があります

凡智 さてもさて。それはいったい、どのようにすれば良いのでしょうか

ヒロ 自分を苦しめている原因、自分の首を絞めている手、つまり自分自身の手を放せば良いのです

凡智 あーそういうことですか!

ヒロ はい、でも、その前に、自分の首を絞めているのは他の誰でもない自分自身であることに気づく必要があります

凡智 ですが、はたして自分の首を絞めるのは、じつは自分自身であるということに気づくことができるのでしょうか

ヒロ できる人もいれば、できない人もいるかと思います。でも、まずは凡智さん自身が気づくことです

凡智 おっしゃるとおりです、わたしの首を絞めているのはわたし自身であるということですね

ヒロ つぎに大切なのは、いま私は何に苦しんでいるのか、を理解することです。理解するのに有効な方法が「書き出す」ということになります

凡智 自分がいま感じている恐れや不安、不平や不満を書き出していけばよいのですか

ヒロ はい、じつは「苦しんでいる状態」と「美しい状態」は鏡合わせになっています、だから自分の「苦しんでいる状態」を知ることは、自分にとっての「美しい状態」を知る大切な鍵となるのです

凡智 「苦しんでいる状態」と「美しい状態」は鏡合わせになっているのですか

ヒロ はい、「苦しんでいる状態」とは、その人自身が「美しい状態」になっていないから苦しんでいるとも言えるので、自分が何を恐れ、何に不安を感じて、何に不平や不満を抱いているのかを書き出して可視化することが大切なのです

凡智 では、ちょっと書き出してみます……うーん…

ヒロ どうしました、凡智さん

凡智 いま、わたしが何に苦しんでいるのかを書き出そうとしているのですが、どうも、いざ具体的に書こうとするとなかなか思いつきません

ヒロ なるほど、じつはそういう人も少なくないのではないかと思っています

凡智 そうですね、何となく今の自分に満足はしていない、モヤモヤしているのですが、では具体的に何が不満なのかと言うと、良く分からないですね

ヒロ いまは「苦しい状態」と向き合うことで、それと鏡合わせに存在している「美しい状態」を見つけ出す作業でしたけど、それとは別のアプローチ方法もあります

凡智 と申しますと?

ヒロ はじめに「美しい状態」から入る方法です。「苦しんでいる状態」の裏にある「美しい状態」を見つけるのではなく、はじめに「美しい状態」をつくることで、「苦しんでいる状態」から解放してしまうのです

凡智 そんなことが可能なのですか?

ヒロ はい、そのために「天剣」があります

凡智 えっ!?どういうことでしょうか?

ヒロ インド式グルノートで言われている「美しい状態」とは、天剣術における「天とつながっている状態」のことと同じことです

凡智 なるほど、「美しい状態」=「天とつながっている状態」なのですね

ヒロ はい、天剣を振ることで天とつながることができます。天とつながることで、天のエネルギーがその人のなかに流れ込むので、「美しい状態」を先につくることができます

凡智 ということは「苦しんでいる状態」とは、天とつながっていない状態と言うことになりますか?

ヒロ 鋭いですね、凡智さん、そのとおりです。人の恐れや不安は突き詰めていくと、天とつながっていないために起きていると言えます。

凡智 では、天とつながると恐れや不安が解消されるということでしょうか?

ヒロ はい、天とつながると心身ともにスッキリとして安心感と解放感に満たされます。そして「美しい状態」から「苦しんでいる状態」を観ることができるようになります。

凡智 いま「観る」と表現されましたが、「見る」とはちがうということでしょうか?

ヒロ またまた鋭いですね、凡智さん、ここで表現している「見る」とは「苦しんでいる状態」から「美しい状態」に意識を深めていくことで、「観る」とは「美しい状態」から「苦しんでいる状態」を観想するという意味で使っています

凡智 「見る」と「観る」では、自分を見る視点が逆方向になっているということですね

ヒロ はい、いまはそのような意味で使い分けています。いまの自分の状態を「観る」ことで、自分自身の思考や感情を、その思考や感情から離れてながめることができるようになります

凡智 「観る」ことができるようになるのは、天とつながっているから、ということになりますか?

ヒロ そうです。天とは宇宙の原点であり、存在の原点です。天とつながることで原点からものごとを「観る」ことができるようになります。言い換えると本質からものごとを「観る」ことができるようになります

凡智 天とつながっている意識とは、どのような意識なのですか?

ヒロ 何もない、カラッポです

凡智 それは「空(くう)」ということですか?

ヒロ いえ、「空」は「空」という意識があるではないですか、「空」も無いのが何もないということです

凡智 「空」の、その奥にあるのが何もない意識ということですか、難解です

ヒロ 「何もない」けど「すべてある」、それがカラッポということです

凡智 うーん、ますます、わからなくなってきました

ヒロ わからなくて正解です、わかったらそれは天ではないです、分からない、すなわち未分(イマダワカレザル)なのです、天は

凡智 まるで拾得さんが話すような内容です

ヒロ わたしと拾得さんは未分ですから。あと凡智さんもね

凡智 さてもさて、分からぬことばかりですが、それが良いということですので、そろそろおいとまいたします。またお伺いしてもよろしいでしょうか?

ヒロ はい、いつでもどうぞ






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