なんでライフ”ストーリー”なのか
前回、ライフストーリ―は「過去」と「未来」、「人」と「人」をつなぐものだと書きました。
ライフストーリ―と似た言葉にライフヒストリーがあります。
MONOSASHIでは、ストーリーという言葉をこだわって使っています。
history は「歴史」、storyは「物語」という意味ですね。
(ちなみにこの二つ同じ語源?と思って調べたら、どうやらそのようです。こちらの記事に書かれていました。昔は「歴史」と「物語」が同一の言葉だったというのも奥深いものがあります)
ヒストリーが、出来事、史実という客観的な事実というニュアンスがあるのに対して、ストーリーは、物語、小説といったように作られるものを指します。
話し手の人生をまとめるというと、ヒストリーの方が合うような気もします。ではなぜストーリーなのか。それは話し手に聞き手がインタビューをして聞き出す。つまり話し手と聞き手の共同創作だからです。
例えば、自分のおじいちゃんおばあちゃんにインタビューをするとします。その時に子ども(つまり父母)が話を聞くのと、孫である自分が話を聞くのと、あるいは第三者が話を聞くのとでは、質問内容も話し手のしゃべり方や内容も大きく異なると思いませんか?つまり、インタビューという相互作用によって、”ストーリー”が出来上がるのです。それがライフストーリ―の面白さです。インタビューのプロが聞くのと、かわいい孫が聞くのとで、どっちがいいとかではなく、それぞれの”ストーリー”が立ち現れるということです。
話し手にとっても、事実(●●年に小学校入学、○○年に結婚、××年に退職)であれば、変わらない”ヒストリー”かもしれませんが、認識や気持ちはその時によって変わるものです。辛かった出来事は直後の気持ちでは、辛い気持ちだけだったかもしれませんが、時を経れば、いい思い出になっているとか、その後に活きてきたなんてことが誰しもあります。つまり、話し手もまた、その時々で認識があり、意味づけをしているのです。そう考えると、元々historyとstoryが同じ語源だったというのもうなずけるというか「歴史」と「物語」の境界線はあいまいなものなのかもしれません。
事実は小説より奇なり、と言われますが、一人一人かけがえのない物語をつくり生きていると言えそうです。
ライフストーリ―は物語を相互に紡ぐものだ、というお話でした。
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