インタビューやダイアローグで意識すること〜モノローグとポリフォニー〜

インタビューをはじめ、人の話を聞く、尋ねるという行為の中で、お互い意識しておくとよいなと思うのが、モノローグとポリフォニーという視点。

インタビューやダイアローグは、相互構築な側面があります(これはまた一議論できる話)。相互構築を少し具体にすれば、インタビューですと聞き手と話し手がいますが、話し手が同じでも聞き手が違えばそこで生まれる物語は当然違ったものであるわけだし、むしろ話し手もタイミングや場所、気分によって話す内容は変わるわけで、同じ物語が生まれることはありません。

そして、モノローグとポリフォニーのお話。
相互構築的とは言ってもお互いがゼロからスタートとするわけではない。その場に臨むにあたたて、何かしらのストーリー(仮説)を持ちよります。
なので時にというより、インタビューやダイアローグは必ずそこに"差"が生じる。違和感であったり、戸惑いであったり、その差をお互い了解し紡いでいく作業に意味があって、それにお互いフタをしたままだと、相互構築という観点では消化不良になります。

単純な例えだけど、学生が社会人にキャリアについて話を聞くシチュエーションがあったとして「仕事のやりがいはなんですか?」「仕事は好きですか?」という質問をしたとします。
主張ではなく質問であったとしても、それは相手が仕事をするにあたって、必ずやりがいがあるはずだ、好きであってほしい、というストーリーが聞き手側にモノローグ的にありそれが表出した形になります。
話し手がそのストーリーに近しいストーリーをもっていればスムーズに話せますが、そんな状況ばかりではなくて、忙しすぎて余裕無しとか大失敗したばかりとか、一時的に今の仕事をしているとか色々状況があるわけで、そうなると、とりあえず表面的な答えをしたり、はぐらかしてみたり、人によっては気分を悪くしたり(もちろん正直に答えてくれる人もいる)します。この状態では、相互的に物語を編めている、とは言えません。

まとると、インタビューでも対話でも、お互いにモノローグ的なストーリーを持っているという前提を意識し、齟齬や違和感が生まれるのが当たり前で、それを乗り越えてお互いのストーリーに修正が生まれ、ポリフォニー的に物語ができるところに意味と面白さがあるということでした。

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