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限りなき願い 叶えよう


〜時候の挨拶〜
「そよめく風の中にも秋の気配が感じられる頃となりました」



まさしく季節はど真ん中を過ぎ、秋へと向かう風が吹き抜ける瞬間が多くなった。

梅雨時期に購入した袖なしの白いワンピースは そろそろお役御免、といったところだろうか。この白を纏い「夏は何処かで海が見られたらいいな」なんて虚しい願いも叶うことを知らず、いつのまにか頭から抜けていた。まあいい、夏はまた来る。


芯を突くような暑さにまたね、と別れを告げ 肌に感じる涼しさを想うこととする。なんだかんだ言っても、どの季節にも愛おしさがあることに変わりはない。なんといってもわたしは、次の季節が好きなのだ。




そんな話はさておき、早いところ本題に入ってしまおう。







皆さんは あさチャンの #こじふぉと 特集、ご覧になっただろうか。




「個展を開きたい」

彼はそう口にする。その、確かに音となって現れた言葉がわたしの中にずっしりと響き渡って、居ても立ってもいられなくなった。それには、幾つかの理由がある。



・夢を言葉に出すことの強さ
・自分を信じる心
・そこへ辿り着くまでの道のりの想定


わたしは主に、上記の要点を深く思慮するような気がしている。下2つは、上への準備とも言えるだろうか。



夢を言葉にするということは、自分の思っている以上に体力・精神力を消耗する行動だ。「もし叶わないとすれば」「途中で挫折を味わい、辞めてしまいたいと思ったら」なんて、進みはじめてもないないその内に ありとあらゆる可能性が頭の中を駆け巡り、結局その大きな目標を 自分の中から放出できずに終わったりもする。




かつて わたしが通っていた塾では「有言実行」というスローガンを掲げていた。入口から見えるところに堂々とした書体で書かれていたそれは、毎日の風景と化して、いつの間にか意識しなくなっていたものである。


【有言実行】口にしたことは、何が何でも成し遂げるということ。▽「不言実行」をもじってできた語


(もじってできたことは、今はじめて知った)


今でこそ人に伝えることができる自分の在学校は、受験生当時、ほとんど人に言えなかった。それはきっと「将来の夢」以上に尺度が測りやすいからなんだと思う。

インターネットで調べれば簡単に偏差値・取れる資格・状況が出てくるこの時代に「ここへいきたいんだ」と伝えれば その情報で自分の価値を見られているような気がする。…する、というより、見られない可能性を排除しきれない。



いつかは出る答えを、まるで謎解きみたいに探り合って、みんなと話していた。もしかしたらこれも、青春だったのかもしれないけれど。



上に記したように、言葉に出すに至るまでには相当な心の準備が要る。つらつらと綴った実現可能性についてはもちろんのこと、周囲の人々からの目もなんとなく、考えてしまう。

もうこれについては気にしすぎ!と言われても仕方がないことだと思う。でもわたしは、結構気になるものだと思うし、これとの付き合い方も知っていく必要があると思っているから 敢えて挙げる。「自分にできるかな…」と思うこと「あの人にできるのか…?」と言われるのでは 全くもって訳が違う。




これだけ あれ!これ!と述べてきたけれど、言葉にするだけなら 誰にだってできるものだ。でも、パッとその場で消えてしまう、花火のような言葉など存在しない。少なくとも自分の耳には入っているし、言葉にするということは、伝えたい意志があったから であるはずなのだ。


おまけに、ゴールまでの壮絶な道のりの全貌は、余程のことがない限り 世に明かされない。そう言ったことを甘んじて受け入れる体制も、彼には備わっているのだろう。今までの道のりを侮るなかれ。



と、いうわけで。これまでに述べた全ての要素をひっくるめて、彼が夢を口にすることの裏側に秘めた"覚悟"をひしひしと感じ取るのだ。



個展、必ず行きます!




彼が雑誌の連載をスタートし、私は「ファインダーを覗く」姿をおさめていただける瞬間が増えるのだ、と感動した。自分の瞳に映った一瞬を閉じ込めておくのは容易なことであるが、その一瞬を逃すまいとカメラを構える姿は意外と残らないからだ。

沢山の言葉からも、写る背中からも、愛と覚悟を感じる。


ここでスペシャルサンクス。阿部ちゃん。
これからも素敵な作品、待っているよ。






おっと。これだけ書いておいて、まだあった。



「念ずれば花開く」という言葉がある。



これは単純に 熱心に念を送り続けていれば花が咲く、という言葉ではない。何事も祈るように、懸命に努力すれば必ず結果はついてくるということだそうだ。


まさに彼の花は、念じて開いていくのだろう。どんな色の花になるか、楽しみで仕方がない。





どんなに悩ましい夜も明けていくように、彼の夢も朝の光に包まれて 光り輝く。明けない夜はない。当たり前のことを言うが、本当にその通りだから。





夏の終わりに そっと想うこと。

いや、これだけ書いておいて そっと は違うか。ずらっと並べた宝物箱に蓋をして、この先も持っていこう。終わりなき旅のお供にするんだ。


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