家族
希薄な関係の家庭で育ってしまうと、人間関係を上手く構築できない大人になってしまう。
そんな事も往々にしてあります。
それは信じ合うこと、許し合うこと、いわゆる愛を実感できずに育ってしまうから。
偽りの人間関係を当たり前のものとして育つと、赤の他人との関係を構築するのは一層難しいものになってしまうからです。
日本人が欧米人と心から仲良くなれないのは、言葉の壁以上に、そういった家族観、家族愛、愛についての感覚に圧倒的な違いがあるからです。
そもそも、愛を肯定するキリスト教、愛を否定する仏教という宗教観の違いも大いに関係あるでしょう。
中国も含め、欧米人にとっての家族というものは、ある意味、迷惑を掛け合う関係、そしてそれを許し合う関係、そのためにお互いを深くまで知る関係だったりします。
だから逆に安らげる、安心できる、自分が素になれるわけです。
時間をかけてその人の事を知り、お互いに影響を及ぼし合って、お互いの良い人生のために、お互いが寄り添える関係。
そういう関係、心の濃度を深められない家族というのは、家族という手段を利用しているだけの間柄でしかありません。
本当の家族観を知らずに育つという事、それは基礎のない応用と同様、その人間関係に綻びが生じないようにするだけの関係、その関係を維持すること自体が目的となってしまう事です。
欧米人にとっての社交の場とは、そういった事もフランクに語り合い、お互いを知り、仲良くなるのが目的の場。
日本人にとっての社交の場とは、そういったデリケートな話題を避け、お互いが素敵だと思ってもらえるように、自分を取り繕うのが目的の場だったりします。
そういった綻びを一緒に埋め合わせられる関係が本当の家族、本当の友達、本当の親交だと思うのですが。
こんな事を言ってしまうと、日本ではただ出る杭でしかない生意気な意見、空気の読めない人になってしまうんでしょうけど。
しかし、いつまでたっても基礎工事しかしないこの国は、そろそろ世界基準での設計の見直しが必要だと思います。
皆さんはどうお感じになるでしょうか。
どうか皆様が、何かの手段のための家族ではなく、愛の育みという目的のための家族に恵まれますように。
ではでは。
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