お断り:競争・闘争理論は闘争理論と呼びます。
河内氏は競争という概念と対比しながら議論を展開し、闘争の本質的な要素を明確にした。
一方で、検討が十分に行われていない側面も残っており、その点については河内氏自身も著書の終わりで認めている。
この発言には注意を払う必要がある。「間接的闘争」の実態は「間接的競争かつ間接的闘争」であることを示唆しているからだ。
上記の発言を踏まえると河内氏はスポーツを次のように分類している。
①競争
②間接的競争かつ間接的闘争
③直接的闘争
個々の単語は一般的な日本語なのだが河内氏はそれぞれ英語に言い換えたうえで独自の定義を付与しているため理解を困難にしている。
この分類と定義を整理するためにまず競争・闘争に関わる競う、争う、闘うといった言葉を調べてみた。
競争・闘争の意味(引用は読み飛ばしてOKです)
競うと争うと闘うについて、まとめると次のようになる。
競うと争うには「互いに張り合い、勝とうとする」という共通する性質がある。
ある目的のために張り合う場合は普通「争う」が用いられる。
能力の優劣、物事の程度などを対象とする場合には「競う」が多く用いられる。
競技は優劣について使うが、勝ち負けについては使わない。
競い争う、競争という言葉は優劣と勝ち負け、両方について使う。
闘いは勝ち負けを争うときに使うがスポーツの技量を競う時には使わない。
競技、競争、闘争、興行
競うと争うの関係を整理すると以下のようになる。
優劣を競っているが、勝敗は争っていない:競技
優劣を競い、勝敗を争っている:競争
勝敗を争っているが、優劣を競っていない:闘争
勝敗も優劣も争っていない:スポーツではないもの、興行※
※4.はアイスショーやプロレスを想定しています。
結論として
上記を踏まえて河内氏の①競争②間接的競争かつ間接的闘争③直接的闘争が競技、競争、闘争、興行についてどのようなことを言わんとしているのかを考えてみたい。