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CXOがいる会社での仕事の備忘録

TL;DR
・ CXO Nightというイベントで弊社の代表とCXOが対談した
・ いい機会なのでCXOの仕事と就任前後のチームの変化をメモった

CXO Night イベント

先日、2018年2月9日にCXO Nightというイベントがあり、弊社のCEO加藤とCXO深津が登壇しました。有料のイベントにも関わらずTech play史上最大の集客と、勉強会後の反響がありました。

イベントではCXOは何をやっているのか? みたいな話題が何度か出たと思います。僕自身は深津さんがCXOに就任する前からピースオブケイク社(POC)にいて(入社は2年半ほど前)、CXOがいる前後を体験してきた中で、イベントでお話を聞けたのはおもしかったです。

この記事ではイベントでのお話と照らし合わせて、実際に僕が何を見てきたか備忘録として記していきたいと思います。

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深津さんの仕事のやり方とnoteでやってきたこと

対談の中で深津さんはCXO仕事のやり方として以下の様な話をしていました。

1. 最初に数字の出しやすいところですぐに数字を出してみんなの信頼を得て
2. グランドデザインを引いて大きめの施策を回しやすくする

それぞれ見ていきます。

1. 最初に数字の出しやすいところですぐに数字を出す

これは以下のノートに詳しく書いてあります。

最初にザーッと数字を見渡して、かんたんに数字を上げられる(おそらく深津さんのサービス運営やコンサル経験で肌感覚でわかる)ものをサクッとやっていきました。そうすると比較的かんたんに2~3割数字が上がることが多かったです。

他にも信頼を得るという意味でやっているのかはわかりませんが、最初に作業したアウトプットを多く出すということもやっていたように思います。
例えば、2017年10月30日にnoteのデフォルトフォントが明朝体からゴシック体になりました。この時も、どのフォントや行間の幅が良いのかざっと20通りぐらいSketchで描いてどれが良いでしょう? と見せていただきました。他にもGoogle Analyticsを見て分析したことのメモなど、矢継ぎ早に深津さんから資料があがってきました。そういったスピード感で信頼醸成していったように思います。

2. グランドデザインを引いて大きめの施策を回しやすくする

そうして信頼ができあがったころ、年末のミーティングでこんなことを考えている、と深津さんから提案があったのが以下のノートの内容です。

noteは今年は「コンテンツパワー × 発見性 × 継続性」でやっていく、というメッセージです。ノートのタイトルはデザイン戦略となっていますが、これはそのままnote全体のカイゼンの戦略でもあります。
もしこれが、1の手順を経る前に提案されていたら、「コンサルタントが机上の空論言ってるな」ぐらいに思っていたのかもしれませんが、信頼関係ができていたのでとてもスムーズに受け入れられたように思います。

チームや個人で変わったところ

そんな感じでやっていくうちにチームも少しずつ変わっていきました。

チームで変わったところ

数字が出るので仕事が前より楽しくなったなど細かいところもありますが、一つ大きいのは、全体戦略への共通認識ができたことです。
以前のnoteは多少大げさにいえば、

「よさそうな施策をなんとなくよさそうな順番でやっていこう」

というダメな感じでやる施策が決められていました。

それが、例えば、

「AかBかをやりたいけど、今は発見性を優先してのばしたいからAをやろう」

という話し合いができるようになりました。

これによって無駄な議論が減り、より開発やデザイン、マーケティングなどそれぞれの仕事に集中する時間が増えたと思います。

個人的に変わったところ

以前は、Web全盛のこの時代に本はオワコンであり、この時代に1万字以上ある本を読んでなんかいられないものと思っていました。しかし、THE GUILDの方々とお話する機会が増えて、彼らが本を大量に読んでいること、体系だった知識を持っていることなどを見るにつれ、影響されて自分も読むようになりました。ネット上の情報でもつなぎ合わせれば体系立てることはできるのですが、その労力を1000円強で買うというのが本なのだと最近は思います。

他、気づいたところなど

・知らないおじさんが来ても全然ムカつかなかった

CXO Nightの対談の中でこんなやり取りがありました。

加藤: 権限持ってるのに全然偉そうな態度しないんですよ。
深津: だって、チームの子達だって知らないおじさんが急に来て偉そうに上から命令してきたらムカつくじゃないですか?

知らないおじさんではまったくなかったのですが、正直、個人的には半信半疑でした。日経新聞のコンサルタントをやっていることは知っていましたが、他のクライアントはおそらく守秘義務もあり、あまり公にされていないので(どこかに公にされていたらごめんなさい)、実際どんな人なのか想像できませんでした。
例えば、分析データの数字をもっていくと、「で、ここからどういうことが考えられた?」と必ず聞かれます。的を外していなければどんな意見でもだいたいちゃんと議論が行われます。これが真逆のタイプだとその人に既に答えはあって、その答えのために理由付けが行われます。現場が意見してもその答えに不都合だと握りつぶされることもありえます。そういう感じが全くないです。そこがいいところかもしれません。

・調整コストが少ないと言ってはいるが、実は結構調整している

調整する対象は大きく、お金と施策内容に分けられるように思います。弊社の場合は社長直下でCXOをやっているので、お金関係はほとんど調整コスト無いと思います。

ただ、事業内容の面ではそれほど調整コストが低いようには見えません。例えば、現在実験中のランキングを作るという実験をやる前には、かなりの長い時間をかけてランキングが必要な理由を説明していました。というのも創業社長でnoteというサービスのオーナーの加藤さんは従来、ランキングに対してかなり慎重でした。ランキングがあると上位に表示させようとするクリエイターの心理が働き、コンテンツに偏りが出てしまうことが懸念されることが理由の一つです。そこでCXOはサービスの理念を損なわずに、それを作るためにはどういったふうにしていったら良いかをすりあわせていきました。CXOでもやろうと言ったらなんでも通るというわけではないようです。


ということで、いろいろ振り返ってみました。
これからは信頼関係を構築し、大きな方針を決定した後でさらにどう伸ばしていくかのフェーズです。僕も開発陣の一員としてがんばりたいと思います。

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佐藤紘一 / ソフトウェアエンジニア
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