文系で大学院博士課程に進学すべき?迷った時に考えるべきこと
おそらく、文系修士課程から、博士課程に進学すべきか、悩んだり、迷う方が多いのではないかと思う。そこで今回は、進学を決めるにあたって、考えておいた方が良いことを紹介したい。
進学理由
まずは、なぜわざわざ博士課程に進学するのかということである。後に述べるように、博士課程に在籍するということは、お金と時間をかけて研究することを意味する。わざわざお金と時間をかけて、あなたは研究したいのですか、ということである。進学したものの、中には、ぼんやりぶらぶらと過ごしている方もいる。それはそれで、否定はしないし、本人がそれで良いのであれば、良いと思う。ただ、やはり、「自分はこのために進学する」という目的があった方が、路頭に迷いにくい。この目的は、自分の中で折り合いがついていれば良いので、壮大なものである必要はない。必ずしも研究者を目指す必要もない。自分なりに、自分が納得できる形で考えると良い。私の場合は、「博士論文のような大きな研究をやって、博士論文を執筆してみたい」だった。この程度でOKである。
費用をどう賄うか
2つめは、お金である。日本の博士課程では、基本的に授業料がかかるし、研究にもお金はかかるし、生活費もかかる。それをどうするか少し考えておくと良い。もちろん学振に通れば、ベストであるが、通るとは限らない。そういう状況を想定できるかということである。博士課程の場合、望ましくはないが、自分で研究の費用を賄うしかない。私自身も、研究するために (もちろん経歴のためでもあるが)、非常勤講師をして、その給料を研究費や生活費に当てるというような状況であったこともある。
ちなみに、文系の場合、研究にお金がかからないと考える方もいるかもしれないが、そんなことはない。書籍やPC、プリンターなどの機器、データを集めるのであれば、そこまでの交通費など、莫大ではないにせよ、お金はかかるし、いつだって必要なものはあるのである。よって、お金をかけながら、研究をしていく、この状況にどう対処できるか、自分は受け入れられるか、考えておくと良いだろう。
この2つを考え、不安や迷いがあるのであれば、今すぐに進学しなくても良いかもしれない。文系の場合は、多少ブランクがあっても、また大学院に戻ることが可能であることが多い。とにかく自分自身の気持ちを大切に、その時の自分にとって、必要な選択をしていくと良いのではないだろうか。そして、どんな選択をしたとしても、それが正解であると思う。