残念すぎる日本の名城シリーズ第３回：上田城の魅力と意外な弱点｜真田昌幸が築いた不屈の名城
「残念すぎる日本の名城」シリーズ、第3回は長野県の上田城です。上田城は、戦国時代の武将・真田昌幸が築いたことで知られ、徳川の大軍を二度も退けた難攻不落の名城として有名です。しかし、その一方で、残念な点もいくつか存在します。この記事では、上田城の魅力的な特徴と、少し残念な特徴の両方を紹介します。
1. 上田城とは？
1.1. 真田氏が築いた難攻不落の城
上田城は、1583年（天正11年）に真田昌幸によって築かれました。昌幸は、徳川家康との戦いを想定し、地形を利用した堅固な城を築き上げました。特に、二度も徳川の大軍を退けたことで、その名は全国に轟きました。
1.2. 関ヶ原の戦いと上田城
1600年（慶長5年）の関ヶ原の戦いでは、昌幸は西軍に味方し、上田城に籠城しました。徳川秀忠率いる大軍を足止めしたため、秀忠軍は関ヶ原の本戦に間に合わなかったものの、最終的には東軍（徳川方）が勝利しました。
1.3. 仙石氏、松平氏による改修
江戸時代に入ると、上田城は仙石氏、松平氏によって改修されました。城の構造が大きく変わり、現在見られる上田城の姿は、この時期に形成されたものです。
2. 上田城の魅力的な特徴
2.1. 真田石と砥石堀
上田城のシンボルとも言えるのが、「真田石」と呼ばれる巨石です。これは、真田氏が築城した際に運び込まれたと伝えられています。また、「砥石堀」は、堀の底に砥石のような岩盤があることから名付けられました。敵の侵入を防ぐための工夫が凝らされています。
2.2. 櫓門の美しさ
上田城には、美しい櫓門が現存しています。特に、二の丸橋を守るために建てられた櫓門は、その堂々たる姿で訪れる人々を魅了します。
2.3. 上田城跡公園としての魅力
現在、上田城跡は公園として整備されており、市民の憩いの場となっています。春には桜が咲き誇り、多くの観光客で賑わいます。
3. 上田城の残念すぎる特徴
3.1. 天守がない
上田城には天守が建てられていませんでした。これは、真田昌幸が実戦的な城を重視したためと考えられています。天守がないため、他の城と比べて見劣りしてしまうと感じる人もいるかもしれません。
3.2. 堀が埋め立てられている
かつては三重の堀があった上田城ですが、現在はその一部が埋め立てられています。堀の幅が狭くなっているため、往時の面影を感じにくい部分があります。
3.3. 石垣の石が違う？
上田城の石垣には、真田氏時代からのものと、仙石氏、松平氏時代に積み直されたものが混在しています。石の種類や積み方が異なるため、注意して見るとその違いがわかります。
3.4. 本丸の建物が復元されていない
本丸には、かつて御殿などの建物がありましたが、現在は復元されていません。そのため、当時の様子を想像するのが難しいという点があります。
4. まとめ
上田城は、真田昌幸が築いた難攻不落の名城であり、その歴史と魅力は多くの人々を惹きつけます。しかし、天守がない、堀が埋め立てられているなど、残念な点もいくつか存在します。上田城を訪れる際には、これらの点も考慮しながら、その歴史と魅力を感じてみてください。
次回は、また別の「残念すぎる名城」をご紹介します。お楽しみ！
「デジタル城下町」でお城を楽しみましょう。
https://www.jkrs.jp/
参考文献
西股総生『図説戦う日本の城最新講座』(Gakken)
上田市公式観光サイト:https://www.city.ueda.nagano.jp/
デジタル城下町「上田城（長野県上田市）の登城の前に知っておきたい歴史・地理・文化ガイド」 https://note.com/digitaljokers/n/n1166e5ed42b4