Amie d’Améliance

星を救った自分の所のヒカセンがルヴェユール邸でお得意様納品する時、こんな感じっぽそうという落書き。この称号好きで最近ずっとこれ。
使用人視点のつもりだけど語尾とか敬語おかしいのはユルシテ。雰囲気で楽しんでください。
文中の表記 T…ヒカセン A…アメリアンス M…メルリド(奥にいる使用人さん)

簡単な自機データ
種族:エレゼン シェーダー♀  37才(黄金開始時点)
見た目:青系白髪アドベンチャラーヘア。最大身長。
主ジョブ:モンク/戦士/賢者/裁縫/革細工/木工

玄関ホールにいる新人使用人視点なのでヒカセンへの呼び方が一応様付け。
多分黄金開始の直前か直後ぐらい。


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ルヴェユール邸の豪奢な扉が慎ましくノックされる。
扉が開き入ってきたのは星を救った英雄。
しかし今回の来訪は光の戦士ではなく、アメリアンス夫人のお抱え職人としての来訪。
使用人になってまだ日は浅いが、Thi様は月に数度こうしてルヴェユール邸を訪れる。

A「あら、来てくれたのねThi」
T「こんにちはアメリアンス。えぇ、そろそろ筆記具の補充や魔法人形の修繕の頃合かなって」
A「ふふ、いつも気にかけてくれて本当にありがとう」
T「作ったものが気に入って貰えるのは製作者冥利に尽きるというものよ。こちらこそいつも助かってるわ」

歳が近いからかいつの間にかThi様と夫人は名で呼び合う間柄になられていました。
少し大きめ程度に見えるカバンから次々と納品物が出てくる。
そのカバンのどこにどう入っているのか、冒険者のカバンは不思議だなあと眺めていると夫人が私たちに向かってお茶の用意を申し付けられた。
するとThi様は夫人を待ってと止めるとお茶を用意する話を始めた。

T「お茶ならこの前ドマで復興支援のお礼にとヒエンから譲ってもらった珍しい茶葉があるの。良かったらどうかしら」
A「東方の茶葉?すごく気になるわ!」

夫人の目が一瞬で輝く。

T「使用人の皆様の分もあるから、一緒にどうかしら?」
A「いつも気を使って貰ってありがとう。皆も楽しみにしてるみたいでね…」

チラと私たちの方を振り返る夫人。
普段厳格な執事長やしっかり者の先輩方まで一様にソワソワしだしている。もちろん私も例外では無い。
夫人もThi様から連絡があると今度は何を持ってきてくれるのかといつも楽しみにしている。
取り出したポットにThi様が慣れた手付きでお茶を淹れだすと辺りに独特な深い香りがただよう。シャーレアンで一般的なハーブティーとは違う、少しクセのある香り。
蓋を被せて蒸らしをしている間に別の箱から色鮮やかな小さい菓子を取り出す。

A「心遣いありがとう。向こうではお茶請けとも言うのでしたっけ」
T「そうね。ひんがしの国では主に餡というものを使ったお菓子が多いわね。ここに持ってきたのもそのうちのいくつか。早く食べないと痛んでしまうから皆さん来て来て!」

夫人がチェリーブロッサムの花の様な小さくて可愛いものをひとつ摘んで口に運ぶ。

A「見た目が凄く華やかでも味は控えめ、それに面白い食感ね!」
T「向こうの製菓技術は本当に精緻かつ多彩なのよ。
でもびっくりしたのはアメリアンスの言う通り、見た目の美麗さに反して味は控えめな点。合わせる飲み物も考慮されていて…それでね…」

楽しそうに話を聴きながらお菓子に手を伸ばす夫人。私たちもご相伴にあずかる。

A「最近、あの子達はどう?
手紙は欠かさず送られてくるからガレマルドや新大陸でも引き続き頑張っているのは知っているのだけれど…」

談笑とお茶も一息付きそうというタイミングで夫人が少し心配そうな顔でThi様に尋ねる。

T「二人ともすっかり頼もしくなったわよ!
エオルゼアに来た最初の頃こそ別行動してたけど最近はずっと二人で行動してるから常に全く異なる二つの視点で物事を捉えてるのが強みね。
新しい土地に行く度にどんどん成長しているのを肌に感じるの。
一人ではまだ少し足りないけれど二人なら暁の賢人以上とすら私は思ってるわ」
A「まあ、光の戦士様にそんなに言って貰えるなんて…すごいわ」

尋ねた夫人の少し心配そうな顔など知らないとばかりにThi様は楽しげにご兄妹の話をする。
一時はその無事どころか命すら危ぶまれたが、天の果てから帰ってきてから体調が一通り戻るとすぐさま飛び出して行った。
なんでも興味深い話を聞いたのとか何とか。恐らく今新大陸でも飛び回っている事だろう。

T「私だって今でこそ英雄やら光の戦士やら言われてるけど、たまたま託されただけだもの。本来はもっと気ままに暮らしたかったわ」
A「でも光の戦士でなければ私とも出会えなかったわよ?」
T「…それもそうね。暁のスポンサーって事も驚いたし、あの二人の母と言うのも驚いたことだし。
でも会ってもっと驚いたわ。すごく可愛らしい方なんだもの!
…まあロウェナとのやり取りで相当なやり手というのは直感したけれど」

Thi様が苦笑混じりにロウェナ商会とのやり取りを話に出す。
なんでも普段は一方的にやり込めて搾取する側のロウェナがほとんど一方的にやり込まれたのだとか。なんとも怖いもの見たさが刺激されるワード…

A「あの時はもうお喋りが楽しくてつい…」
T「つい…であのロウェナをやり込めちゃうのは相当よ…」

二人が思い出してたまらなくなったのかクスクスと笑っているとThi様のリンクパールに呼び出しがかかる。

T「…えぇ、準備してすぐ向かうわ」
A「暁からかしら?」
T「クルルからだったわ。今トライヨラで少しまずいことが起きてるみたい。ちょっと急いで行ってくる」
A「気をつけてね。英雄や冒険者である前に私の大切な友人でもあるのだから」
T「ふふ、ありがと!行ってくるわ!」

バシュッと音がしたかと思うとそこにはお抱え職人のThi様ではなく光の戦士Thiがいて、次の瞬間にはテレポで居なくなっていた。

A「本当に慌ただしい人ね…
どうか気をつけてね、私の友よ」

光の戦士が地脈の向こうに行った後に残ったのはまだほんのり暖かいティーポットとまだ少し残った漆の盆に乗った茶請け。夫人は少し考える様な表情をされたと思ったら次の瞬間には手をパチンと叩いて切り替えていた。

A「さっ、Thiの出してくれたお茶をもう少し楽しんだらひと仕事するわよ!」

場にいた使用人達が一斉に動き出す。
Thi様、次はどんなものを持ってきていただけるだろうか…とか考えていたら脳天に手痛い一撃が入る。

M「何ニヤついてるのよ。早く行くわよ」

もうちょっと余韻に浸っていいじゃないですか。
スタスタと歩いて行ってしまったメルリドさんを追いかけて私も業務に戻った…

fin.


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後書き
勢いでうわーーーーーと書いたので推敲や校正してないです。
いや、推敲は少しした。
世間一般ではこういう2000文字程度だったらショートストーリーという扱いなんでしょうか?
すごく久しぶりにこういうの書きました。楽しかった。

FF14界隈創作できる人多すぎじゃない?
クリエイターしかおらんのかって思うぐらい漫画やら絵やらSSやら書いてる人多すぎ。
みんな好き

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