簿記・会計知識ゼロから学べる!決算書[超入門] section3 貸借対照表は左を攻めて右へいく!
このnoteでは、自社の決算書の数字を経営改善のツールとして活用してみたいけれど、いまひとつ決算書が理解できなくて悩んでいる「中小零細企業の経営者」さんや、決算書の知識を基礎から学びたいと思っている「新人銀行マン」の方に向けたコンテンツになっています。
それではここから、①流動資産 ②固定資産 ③流動負債 ④固定負債 ⑤株主資本の重要な箇所に焦点を絞って学んでいきましょう。自社の「3期~5期分の決算書」をご用意ください。なお、section3に掲載されている演習問題⑳~㉗は、PDFファイルで下記よりダウンロードできますので事前にプリントアウトしてお使いください↓↓
①流動資産
■現金に始まり…現金に終わる!
商売は昔から現金に始まり現金に終わるといわれています。そこで、流動資産のトップを飾るのが「現金及び預金」というもっとも重要な勘定科目になります。
なぜ?現金及び預金が資産のはじめにくるのかというと、貸借対照表の配列には流動から固定へという決まりがあり、資産は流動資産から固定資産へと現金化(換金)しやすい順に並んでいるという理由からです。
それでは、自社の決算書から会社の血液ともいわれる「現金及び預金の水準」から確認していきましょう。
■毎月…どれくらいのお金が必要になるの?
さて、会社を運営していくには、給与、光熱費、家賃など、毎月多くのお金が必要になります。これは、損益計算書の販売費及び一般管理費に該当するものですが、その他に仕入代金や借入金返済にもお金が必要になります。
そこで、例としてB社さんの貸借対照表と損益計算書から「毎月どれくらいのお金が必要になるのか」を計算してみます。
・月平均の計算…
・毎月必要になるお金の計算…
販売費及び一般管理費約 2,900,000 円
仕入代金 7,000,000 円
借入金の返済額 300,000 円
合計10,200,000 円
B社さんは、月平均にして約10,200,000円のお金が必要になります。
つぎに、平均月商を計算します。
上記の計算結果から…
B社さんの平均月商は10,000,000円で、月平均として掛かるお金は約10,200,000円なので、「毎月平均月商と同等額のお金が必要」になります。
▶それでは、演習⑳自社の貸借対照表と損益計算書から毎月平均して必要になるお金をチェックしてみましょう。
小売り・卸売業の場合…
※式のA欄:販売費及び一般管理費から減価償却費、引当金を引いた金額
※式のB欄:当期商品仕入高
製造業の場合…
⇒ 製造原価報告書がない場合
※式のA欄:販売費及び一般管理費から減価償却費、引当金を引いた金額
※式のB欄:当期商品・材料仕入高
⇒ 製造原価報告書がある場合
※式のA欄:販売費及び一般管理費から減価償却費、引当金を引いた金額
※式のB欄:(当期商品・材料仕入高+労務費+経費)-減価償却費
■現金及び預金の水準…
それでは、つぎにB社さんの貸借対照表と損益計算書から現金及び預金の水準を計算してみます。
会社は一般的に平均月商と同等額のお金を毎月必要としますが、B社さんように「現金及び預金の水準が1ヵ月程度」の会社さんでは、思うように売上が上がらなかった場合、翌月以降の支払いを滞りなく処理することができなくなってしまいます。
また、コロナ禍においては、固定費の6ヵ月分以上の手元資金が必要だったという話もあり、このような不測の事態に備えて、この現金及び預金の水準を少しでも上げていく必要があります。
▶それでは、演習㉑自社の直前期の貸借対照表と損益計算書から現金及び預金の水準をチェックしてみましょう。※現金及び預金の残高は定期預金を引いた金額を記入(融資を受けている金融機関分)
▶つづいて、演習㉒自社の貸借対照表と損益計算書から5年間の現金及び預金の水準の推移をチェックしてみましょう。※現金及び預金の残高は定期預金を引いた金額を記入(融資を受けている金融機関分)
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