簿記・会計知識ゼロから学べる!決算書[超入門]プロローグ
物価上昇がつづくなか、さらなる原材料価格の上昇が見込まれ、仕入れ価格の上昇分を価格転嫁しにくい中小零細企業ほど経営におおきな影響をうけています。そこで、このnoteでは、自社の「決算書」の数字を経営改善のツールとして活用したいけれど、いまひとつ決算書が理解できなくて悩んでいる「中小零細企業の経営者」さんや、決算書の知識を基礎から学びたいと思っている「新人銀行マン」の方々に向けたコンテンツになっています。
プロローグ
わたしの友人に顧問税理士事務所に勤務する同級生がいて、自社の決算書のことで過去にこのようなやりとりがありました…。
友人:「それをするには…こんな方法があるよ」
わたし:「知っていたのなら…どうして事前に教えてくれないの?」
友人:「……」
わたし:「……」
友人:「だって…それを事前に教えるのは僕の仕事ではないよ!」
今になると笑える話ですが、税理士さんの仕事とは、経営改善をサポートするコンサルタントとは違い、税務申告書類を作成し税金を計算することが主な仕事だったのですね…。
当時のわたしは、会社の数字を決算ごとみていてくれているのだから、経営を改善するために前もってアドバイスをしてくれるのが税理士さんの仕事だと勝手に思い込んでいたのです…。このことに気づくまでは税理士さんにまかせておけば大丈夫という、わたしの気持ちはまさに「税理士さんまかせ」だったのです…。(※現在は経営コンサルを兼ねた税理士さんや会計事務所さんも多数あります)
そこから、経営者自らが決算書を読み解き、経営改善していく必要性を感じ、独学で決算書を学びはじめました。
実は、中小企業の経営者さんで決算書を理解できている方はそうは多くありません。冒頭でもふれたように「決算書」とは「税務申告書類」であって主たる目的は「税金を計算するもの」です。
ですから、経営者がいきなり「損益計算書」「貸借対照表」をみても理解できるようには書かれていません。すご~く当りまえのことかもしれませんが、はじめにこの事実を知ることが大事なことだとわたしは思います。
開き直るわけではありませんが「すこし気持ちが楽になってきませんか?」税務申告書類ですから、どんな立派な経営者さんだって…はじめからスラスラと理解できた人なんかひとりもいないはずですよ!
わたしの書籍を読んで下さった公認会計士さんが書評でこのようにいっていました。「税理士、会計士は簿記や会計を徹底的に学んだ結果として決算書が理解できるようになった!」…と。
しかし、経営者さんで簿記や会計を徹底的に学んでこられた方は少数派なんです。実はわたしも「簿記・会計」を学んで決算書が理解できるようになったわけではありません。
最初は少しずつ断片的な数字の意味を理解していき、改善策としての「打ち手」を考え…即実行。社員のみなさんにも「数字の意味」や「具体的な改善方法」を教える。つねにこれを繰り返していくうちに、結果として自分自身も決算書が理解できるようになりました。
そこで、過去のわたしと同じ悩みを抱えている…あなたのために、以前2日間の日程で経営者さん向けに開催していた「マンツーマン決算書セミナー」の内容をシェアしたいと思います。決算書はどんなに時間を掛けても「学び方」を間違えてしまうとなかなか理解できるようにはなりません。そのため、あなたがスムーズに学べるよう、そして、即実戦で役立てられるように、決算書を理解していく上でのポイントとなる「演習問題」を多数掲載してあります。
本内容を学ばれた後には、今までの断片的な知識がつながりをみせ「決算書」が体系的に理解できるようになり、自社の経営改善に必要な発想がきっと湧いてくるようになると思います…。
なお、各sectionに進む前に、自社の3期~5期分の決算書(損益計算書・貸借対照表)をご用意ください。「決算書」の数字はペンと電卓を使って自分で計算するとより理解が深まります!