部屋を片付ける(短編小説)
便利屋に対しては、実に様々な仕事が依頼される。基本的に依頼主は体力的に力仕事が難しい高齢者であることが多いが、どうしても人手が足りないときの助っ人としてあらゆる年代から仕事を申し込まれる。その主な仕事内容は、特に夏場に限っていえば、庭や所有地の草刈りや手入れが多かったが、遺品の整理やごみ屋敷の片づけ、電球の交換などは季節を問わず一年を通して依頼を受けた。稀に「言うことを聞かない息子をビビらしてほしい」、「一時間体を嘗め回したい」といった特殊な依頼を受けることもある(流石に後者